懸命に生きて悲しき悪茄子 ( けんめいに いきてかなしき わるなすび )
先日、ある川辺を散策している時に、「悪茄子(わるなすび)」が群生しているのに出会った。この悪茄子を知ったのは7~8年前。花が茄子似ているので名に「茄子」が付くのは分かるが、何故「悪」がついているのか。
その由来を調べると、繁殖力が強く一度生えると駆除するのが大変だからだそうだ。除草剤は効きにくく、葉や茎に鋭い棘があるので草取りも大変。まさに農家や園芸家にとっては大敵の植物なので「悪」がつけられたとのこと。
本日の掲句は、その「悪茄子」が懸命に花を咲かせているが、それで「悪(わる)」と疎まれるのは悲しいねと詠んだもの。そういう状況は、植物界だけでなく人間界でもよく見かける。
因みに、「悪茄子」に関しては、過去に以下の句を詠んでいる。
①は、悪茄子を初めて見た時の印象を詠んだもの。
「悪茄子」は、ナス科ナス属の多年草。原産地は北アメリカ。日本には昭和時代に渡来し帰化した。花期は6月~10月と長い。花は白または淡青色でナスやジャガイモの花に似ている。
果実は球形で、トマトに似ており黄色く熟す。しかし、草全体にソラニンを含み有毒であるため、家畜が食べると場合によっては中毒死することがあるとのこと。
「茄子」を詠んだ句は多いが、「悪茄子」を詠んだ句はほとんどなく、ネットで「悪茄子俳句」と検索すると自分がかつて詠んだ句がトップに出てくる状況。従って、参考句は割愛する。
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