いつからが老後なのやら小判草 ( いつからが ろうごなのやら こばんそう )
先日、久しぶりに歩いた小道の横には、様々な草が、これでもかとばかりに繁茂していた。夏草の生命力の強さには今更ながら驚かされた。そんな草叢のある一画を見ると、懐かしい「小判草(こばんそう)」が、その名の通り、小判のような色と形の穂を揺らしていた。
本日の掲句は、そんな情景を見て詠んだものだが、「小判」→「お金」→「老後」という連想でできた句である。「小判草」は夏の季語。
ところで、数十年前まで60歳定年が当たり前で、老後は60歳以降と思っていたが、ここ10年ほどで考え方が一変し、65歳あるいは70歳以降とどんどん先延ばしにされている。それは、もっぱら、人の寿命が延びたおかげなのだが、長く生きるには、そのためのお金がいる。
はてさて、どれくらい生きることを念頭に働き、蓄えておくべきか。なかなか悩ましい。
▼▼ 少し話は横道にそれるが、厚労省が発表した2017年の平均寿命は男性で81.09歳(世界第3位)、女性で87.26歳(世界第2位)。
また、1960年代には、多くの企業が55歳定年退職制を採用しており、定年後10年ほどが老後と考えられていたものと思われる。
話は戻って、「小判草」に関しては、過去に以下の句を詠んでいる。
①は、福笹(笹に大判、小判などの細工物を結びつけたもの)で、商売繁盛を願う十日戎(とうかえびす)にかけて詠んだもの。
「小判草」は、イネ科コバンソウ属の一年草。ヨーロッパ原産で日本には明治時代に観賞用に導入された。5月~7月に茎の上部に数個の小穂ができ垂れ下がる。
「小判草」を詠んだ句はままある。以下には、ネットで見つけた句をいくつか掲載した。(過去に掲載したものを除く。)
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