株価調整局面
日経平均株価が7月以来ほぼ2ヶ月振りに9千円台まで下落し、一旦調整の動きとなりました。
鳩山政権発足以来、各閣僚の発言は株価にマイナスの影響を与える内容が多かった訳ですが、経済軽視とも取れるこれら発言が投資家を躊躇させている可能性があります。
これから年末にかけて景気の二番底も懸念されますが、臨時国会開催の目処も立たず、景気対策の動きはみえてきません。このような中では株価調整も長引きそうです。
ただ、第2四半期決算で通期業績予想を上方修正する企業が多く出てくると、流れが変わるかも知れません。今月後半からの決算短信発表に期待しましょう。
変化への許容度
鳩山内閣発足から10 日ほど過ぎましたが、今までの自民党政策を大きく転換する内容に、戸惑いの声が聞かれます。
前原国土交通大臣による八ッ場ダム建設中止表明は地元や周辺自治体の大反発を招いていますし、亀井金融・郵政担当大臣の中小企業借入金に関する返済猶予法案は金融界に困惑が広がり、そして鳩山首相による二酸化炭素25%削減提案については、産業界から諦めの声も聞かれるほどのインパクトを与えました。
政権公約(マニフェスト)を実現するという民主党の意見は正論ですし、君子豹変すのように政権与党になれば現実策をとらなければならないとの評論家の意見も、また一理あるでしょう。
結局、どちらが正しいというものではないのでしょう。結果が良ければ成功、悪ければ失敗と、結果で全て判断されるのが政治の宿命です。政権交代とはそういうリスクも背負ったものであると、有権者の多くは覚悟していると思います。何よりも自民党政治からの変化を求めた訳ですから、変化の結果については意外と寛容ではないでしょうか。
どうなる?連立与党
民主党と、社民党・国民新党との間で政策協議が行われ、連立体制で合意、社民党・福島党首と、国民新党・亀井代表の入閣が確実視されています。
民主党の狙いは参議院の過半数確保にあると言われています。定数240のうち、会派「民主党・新緑風会」が112、国民新党が5、新党日本が1で計118、ここに社民党・護憲連合の5が加われば過半数となり、衆参両院を抑えることができます。
しかし、それと引換に、政策協議にあたっては社民党・国民新党の意見をある程度受け入れざるをえませんでした。これは政局からみれば当然の駆け引きでしょうが、民主党を信じて投票した有権者からは批判の声もでそうです。
少数与党の意見に引きずられることは自民党・公明党時代にもありました。以前の地域振興券や今年の定額給付金は公明党の案と言われ、財政拡大を招くことに自民党から反対の声が多かったものの結局は実施されました。
今回も、自衛隊の海外派遣や郵政事業において少数両党の意見を受け入れた形になりましたが、有権者だけでなく一部の民主党議員も不満をもっているようです。
鳩山代表としては、自ら信じる政策を迷わず実行するためには純粋な民主党で内閣を固めたいでしょうが、その政策を法案に落とし込むには参議院での過半数が必要であり、頭が痛いことだろうと思います。
原理原則にこだわる主張で妥協を見せない社民党・国民新党との連立は不安もありますが、ともあれ来週には決まるであろう新内閣の采配を、まずは見守りたいと思います。
変化を求める声
いよいよ今度の日曜日は衆議院議員選挙の投票日です。
既に大勢は決したかのような報道で、焦点は勝敗ではなく、民主党が掲げる政策の実現性に移ってきています。
官僚主導から政治主導へという点については、政権与党の経験者がほとんどいないにもかかわらず主導権が握れるのかという疑問があり、高速道路無料化についても、休日千円以上の大混雑や失業者発生などの混乱が予想され、また、年金制度改革や子ども手当創設については、予算の目処がたっているのかという疑念が浮かぶなど、今後の国会での対応が気になるところです。
世論調査を見る限り、やはり大半の国民は変化を望んでいます。馴れない民主党政権への不安よりも、失態を繰り返した(と思われている)自民党への失望がこの調査結果を招いたのでしょう。
しかし変化の結果は読みづらいものがあります。
民主党の政策変化が国民生活、経済活動にどのような変化をもたらすのか。
国民の声に推されて、時には急進的に制度を変化させることもあるでしょうが、プラスと思われる政策の裏に潜むマイナス面にも注意を払い、歴史的な政権交代を滞りな く実施してもらいたいと思います。
政権交代の影響は?
株式市場も、日経平均10,500円を超えて更に上を目指すかと思いきや、再び軟調な気配となってしまっています。
企業の四半期決算が峠を越え、今の注目は、次期政権当確の民主党がどのような政策を打ち出してくるかという点でしょう。
民主党のマニフェストをみると、中小企業の法人税率を11%に引き下げるという以外は、経済面にプラスと思われる事項に言及していません。
政権交代に伴う様々な混乱も予想されますが、今しばらく様子見とするか、中長期的な上昇を見込んで敢えて積極策をとるか、投資家にとっては判断に苦しむ時期です。
向こう数年の日本の行方を決める選挙は来週日曜日。どのような結果になるのでしょうか。
自動車販売の補助金効果
日本のエコカー減税をはじめ、中国、ドイツ、アメリカなど各国で実施されている自動車購入補助制度により、世界的に自動車販売が息を吹き返してきたようです。
日本では、2月に前年同月比70%以下まで落ち込んでいた新車販売台数が7月は同95%まで回復し、中国では、1月の自動車販売台数がアメリカを抜いて世界トップとなりました。
また、新車購入に2,500ユーロの補助金がでるドイツでは7月まで6ヶ月連続の前年同月比プラスの伸びを見せ、アメリカでは燃費の悪い中古車を高燃費の新車に買い換えると最大4,500ドルの補助金が出るとのことで、小型車を中心に在庫が払拭しつつあるそうです。
自動車各社の業績も好転が見込まれ、ハイブリッド自動車が好調なホンダやトヨタは今期業績を上方修正していますが、補助金制度が終わった後が心配です。補助金が続くあいだに景気が回復すれば良いのですが、景気回復が遅れると、補助金が切れた時点で大幅な売上悪化が予想されます。
自動車のような高額商品は、景気悪化時には真っ先に売れなくなり、景気回復時には他の低額商品に遅れて回復するものです。本来なら景気回復のバロメータになる自動車売上が、補助金のせいで景気回復の実態が分かりづらくなっていると言えるでしょう。
日本のエコカー減税も今年度末で終了しますが、取りあえず今期の業績にはまるまる寄与することになります。問題は来年度以降ですが、それまでに景気回復は期待できるでしょうか?
業績回復までの道のり
関東地方などは梅雨明けしたはずですが、それでもすっきり晴れない微妙な天気が続いています。
九州・中国地方では大雨による災害が発生するなど、今年は梅雨の長雨が生活・経済面に暗い影響を及ぼしています。
いったい、いつになったら梅雨明けするのか? 地域によって梅雨明け時期が異なるように、それは企業業績も異なっています。
日本郵船や商船三井など海運各社は、景気低迷による荷動き回復の遅れで、今期業績予想を下方修正しました。需要減退によって貨物量、運賃相場ともに下落しているそうです。
一方ホンダは、小型車・二輪車が比較的好調だったことやコストダウン効果もあり、今期業績予想を上方修正しました。日産やマツダは業績修正しませんでしたが、フィットやインサイトが好調なホンダとは違って自動車販売低迷の影響を大きく受けており、同じ業界でも差が生じているのでしょう。
景気の底からの回復期は、業界ごとの時間差が生じますが、同業種内の企業ごとでも差が生じます。第一四半期決算では業績の進捗が分かりづらいですが、第二四半期決算では業績予想との対比が明確になります。
日経平均株価は1万円を回復しましたが、企業業績の回復がみえないと、更なる上昇は難しいでしょう。今回の第一四半期決算ではまだ物足りないように思えますが、いかがでしょうか。
大量保有報告書マンスリーレポート ~6月~
6月まで順調に思えた株価だが、7月に入って弱含みの状況が続いている。そんな中、機関投資家の投資動向はどうだったのか、6月中に報告義務が発生した大量保有報告を振り返ってみたい。
報告書の件数は782件、前月5月の726件とほぼ同数だが、昨年6月の914件と比べると15%ほど減少した。増加減少の割合では、増加325件に対して減少457件と、減少が増加の1.4倍にものぼり、4ヶ月連続で増加が減少を下まわった。
どのセクターの減少報告が多かったのか? 個別の機関投資家をみると、先月に引き続き外資系投資ファンドの減少報告が目立つが、国内金融機関の減少報告が多いのが目立つ。通常月には余り減少報告を出さない国内金融機関だが、今月はみずほコーポレート銀行(増加:減少は8:11)、三菱UFJ(同 44:30)など、減少比率が高い。理由は不明だが、これらの動きが減少報告の多さにつながったようだ。
東証発表の投資部門別売買状況 三市場一二部等(売買代金ベース)をみると、売買総額は、5月の51兆円に対して6月は65兆円と、3割近く増加した。また売買の状況は、5月が201億円の売り越しだったのに対し、6月は54億円の買い越しとなった。相場上昇に伴って回復への期待感が増し、利食いを上まわる新規投資があったようである。
5月と比較した6月の投資部門別の傾向は、個人が99億の買い越しから2,600億の買い越しへと増加、一方で外国人は3,700億の買い越しから45億の買い越しへと減少した。相場の先行きに関する見方の違いだろうか。
アメリカの雇用統計悪化をきっかけとした7月の調整も、企業業績の底打ち期待から反転に向かいそうな雰囲気である。
第1四半期決算がそろそろ発表される。第2四半期業績の上方修正などをきっかけに再び上昇相場に向かうかも知れないが、その時は持分増加報告が減少を大きく上まわってくるだろう。
企業業績の上向きに期待したい。
2009年7月17日
東京IPO編集部 八木由治
個別銘柄選別が重要
今週は、アメリカ雇用統計の悪化をきっかけとして急速に円高が進展、輸出関連企業を中心に株価も大きく値を下げることとなりました。
これに伴い日経平均株価は下落しましたが、一時のような総悲観論ではなく、銘柄によってはチャンスとばかりに買われているようです。
エイチ・アイ・エス(9603)は、円高で海外旅行が増えると連想されたのか、7/9はストップ高近くまで値を上げて週初に比べてプラスで終わっていますし、カカクコム(2371)も為替動向に関係ないビジネスということか、買いを集めています。
輸出銘柄も、欧米各国の経済見通しは厳しいものの、底打ちから急速に回復している中国市場に強い企業については、この調整後のリバウンドが期待できそうです。
3月の底から1万円超えまではあらゆる銘柄が上昇しましたが、この調整後の再上昇局面では銘柄による差が出てきそうです。
四半期決算や業績修正については、東京IPO TactiXで継続してウォッチして下さい。
