現在の日本の女子バレーボールの集大成のような位置づけにあるのが久光製薬スプリングスだと思います。ただしそれは国際的な意味での日本代表とはイコールではない、というところが日本女子バレーボール界のアポリアといえるのではないでしょか(/・ω・)/
かなり強いんですけどね、久光。今の日本だと無敵です。「無敵艦隊久光」という題のブログを去年書きましたけど、今年もそんな感じで、来年にかけての今季いっぱい、その状態は続くのでしょう。すきもないし穴もないし、基本がしっかりしてるし、
中田久美さんが「バレーボールって崩し合いのスポーツみたいなところがある」みたいな感じのことを言っていたと思いますが、どのチームもゲーム中にグラッとグラついたらバランスを戻すのが大変です。その時に基本になる軸がしっかりとしてたら、そこに戻りやすい。
崩れた時に、一回自分たちの基本に戻るわけですけど、その基本の値が、久光の場合、かなり高いところにあり、練習の段階で基本値が実戦とかなり近いところまで引き上げられ、しっかり準備ができているので、バランス崩した時でもすぐにそこに戻れる。もしくは、戻りやすい、という。
あとは、ダメージコントロール能力がきわめて高いので、小さなミスならすぐ回復できるというところ。
それでもVリーグのたたかいは、けっこう厳しくて、アキンラデウォのような強力な駒がないと、たとえばJTに負けちゃったりするのだから、他のチームもある意味ギリギリのところまで肉薄してるんじゃないかと思いますよ、ええ。
Vリーグの決まりでは、助っ人は飽くまで助っ人なので、「ほんとうは助け舟がなくても勝てるぐらいじゃなきゃダメなんだけど」という注意書きが、いつも裾の下に隠れているんだと思います。
面白いと思ったのは、ここ何日かダゾーンで世界クラブ選手権も見れるので、Vリーグ見た直後に世界を見ると、その辺がよくわかりました。日本の選手は体格がちっちゃいので、いい時はキビキビ、ダメなときはチマチマした動きなんすけど、それなりにきめの細かいところがあり、そういうバレーとトルコとかのバレーはもう本質的に違ってきてるし、そういう意味では日本のバレーって異質なバレーなんじゃないかと思う。
国際試合で外国のコメントではいつも
「ジャパンとの戦いは簡単には行かない。守りが粘り強く、攻めてくるときはベリーファストで、いつもタフな戦いを強いられる」
だいたいこんな感じですから、
日本のスポーツ記者からのインタビューなのでリップサービスはあるけれども、少なくとも日本のバレーの国際試合でのいいところを、端的に言ってくれていると、いつも思う。
日本女子の現在の世界ランキング6位は、単純に誇りに思っていいとさえ思う。ただ、そこに満足していいという意味ではないです。
たとえば岡山シーガルズの粘りとか、日立リヴァーレのキリっとしたコンビ、あるいはJTや車体なんかの乗ってるときの勢いとか、国内チームのいろんな要素が、全日本にはあるじゃないですかね。
全日本では、そういう各チームのいいところをまとめあげたうえで、なおかつ世界仕様にいったん変換するという、特別な手順が必要なのですかね。国内での戦いとはまったく違うプレースタイルにいったん変換していくんですけど、でも全日本て、シーガルズなみにど根性で拾いまくりますよね(笑)Aパスのときの攻撃めっちゃ速いし。久光のような鉄の規律みたいなのも感じます(笑)
敢えて言えば、スキがないけど、悪くなったときは、それが余裕がない、になっちゃう。
非常にタイトで、緻密なプレイスタイル。しかしちょっとズレるとまったく機能しなくなるという、非常に特異な、同時に実用性、汎用性には欠けるやり方が、全日本でしょう。国内リーグのプレイスタイルと連続性がないというところが、独自の強さでもあり、あやうさでもあるのかもしれない。