勝利こそすべて | 紙業新報のブログ

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紙パルプ業界紙。月3回発行。の公式タワゴト、ボヤきその他(笑

 

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特にファイナルラウンド以降は。

 

2018年2月10日、11日。トヨタ車体クインシーズは2日続けてフルセット負けですよ。。。

あれほどの燃え上がるバトルを2回続けてやって、たった勝ち点2点しか取れなかった。

 

 

 

今季のクインシーズは小田桃香の活躍如何で変わると思っていたんですね……2月11日の対JTマーヴェラス戦では残念だけど不調のようで、竹田や村永と交替したが、村永が当たりましたね。JTの爆発的な勢いを止めて、ゲームの流れをあっという間に変えてしまったのは彼女です。まさにゲームチェンジャーになりかけた。

 

村永奈央は今シーズン当初、力強さには欠けるものの、相手のディフェンスをくぐり抜けるようにかわして行く不思議な得点力を発揮していました。でも髙橋沙織負傷退場などを契機にチームが不振になると、その特殊なスキルも影をひそめ、控えに回ることが増えてきたんですね。そこに代わりにベンチ外で調整していた小田が復調して来たのはチームには幸いでした。小田が安定的に力を出せるとチームがよく回る感じがある。

 

この日はその小田桃香が今ひとつ上がって来ないので、竹田が入ったけど竹田も良くなく、そこで3番手に村永が登場!久しぶりにコートに立って、幸先よく得点したのが効いたと思う。こういうことでチームは波に乗るので、その後のクインシーズはノリノリで、JTを圧倒するかに見えました。

 

この日のJTは、とくに第2セット。金杉が雄叫びをあげながら力のこもったスパイクを決めるなどして一気に勝機を掴み、第2セット取りました。こういうときのJTは、一度はじけたらもう勢いが止まらなくて、もうこのままストレート勝ちかと私も思いました。そこで村永がコートイン。特殊スキルが発動したのか、なんやかやでいつの間にか不思議な力で連続得点!また、守備でも練習の成果が出て、難しいボールも飛びついてよく返していました。村永は、かなり気合入っていたんじゃないですかね。

 

その後はお互いのハードパンチャー同士の打ち合いを中心に激しい接近戦の様相を呈しましたが、村永投入効果で車体が勢いを盛り返した。第1、第2セットはJTで、3、4セットは車体という、両チームとも全然別のチームのような感じの展開ですよ。この日のお互いのキーパーソンは、金杉と村永だったと思います。ミハイロヴィッチとネリマンもそうです。

 

こうして最終セットに。案外、車体のメンバーの中には、劣勢になったとき、昨日の久光との戦いでの惜しい負けがよぎったかもしれない……え、また?もしかして?っていう……あまりにも痛ましすぎる昨日の記憶……

 

第5セットはゼロスタート。最後の15点のとき、2点リードしてる方が勝つという世界。それ以前の競り合いも、何も考慮されないという勝負。もし今日、クインシーズが勝っていたら?そしたら村永は、たとえば、レギュラーラウンドでのNEC対上尾の大バトルでの辺野喜のようなゲームチェンジャーとなっていたと思う。でも車体は勝てなかった。

 

 

勝利こそすべて。

 

 

煎じ詰めれば、2月10日の久光vs車体戦で、久光に勝因は見当たらないし、車体に敗因などなかった。ただ最後の瞬間に、久光のほうが2点リードしていただけ。この時の久光の勝利は、全く偶然の出来事だったと言ってもいい…ここまでもつれた試合だと、どこが転機で、何が勝因で、何が敗因か、わからなくなる。はっきりとした勝因や敗因の見えるゲームってある。それって多いんだけど、久光と車体のこの手の総力戦の大バトルだと、もうわからない。

 

 

周到に準備された久光の布陣などお構いなしに蹴散らして行くトヨタ車体の圧倒的な突進力に「やばい!このままだとやられる!」と久光の面々に危機感が募ったのかもしれない。

 

その思いが第4セットが始まる前にみんなに円陣を組ませ、気持ちを改めて一つにした久光が、ゲームの最終局面で粘りを発揮できたこと、この時の円陣が勝因だったかもしれない。

 

あるいは、最終セットの決定的な場面でアキンラデウォが前衛にいたことが勝ちに繋がったかもしれない。3レグでの車体に薄氷の勝利。皇后杯でのデンソーとの苦い戦いの記憶。こういう経験が、久光を強くしたかもしれない。

 

ほとんどもう負けていた試合をものにしたのは、こういう苦しい経験もプラスに変えることができたからこそ、なんですかねぇ。

 

逆を言えば、最終セット、5対10まで引き離されても食らいついて、タイムアウトでセッターの比金が「ここ逃げないで絶対ガンバろう」って感動的なコトバをかけていました。これが効いたのか、しまいにはマッチポイントまで盛り返した車体がもしこれで勝っていたら、こんなにアメージングでファンタスティックなゲームはなかった。マックスパワーでスパイクを決めたあと、応援席に走りながら雄叫びをあげるネリマンの闘志に、私はまたも感動しました。このまま勝ってほしいと願いましたよ。でもそうならなかった。相手の久光が、このまま許してくれるわけがない。

 

二日間の勝利と敗北。「時の偶然」などと不謹慎にも私は書きましたが、どんな1点にも、どんな1勝にも、たいへんな努力の積み重ねが関わってきている。解説の杉山祥子さんは「チームの全員がこの1点に関わって行けるようなバレーボールをしていけたらいいと思います」と、意味深いコトバを発していました。ファイナルラウンドでは、全ての試合がこの感じになっていく。総力戦。この1点のために、全員が全力で関わっている。そしてネットを挟んだ向こう側でも、自分たちと同じだけの熱を持った思いが賭けられている。

 

 

日本の選手って表に出さないんだけど、ときどき、金杉とか、東レの黒後も打つときこないだ叫んでましたけど、こういう表に出てくるファイティングスピリットのほうも、これからたくさん見たい。勝利こそすべて!そして勝利の雄叫びをたくさん見たい!