この関係者たちに闇というほど深いなにかがあるとは思えないが、当事者に「汚い大人」と呼ばれるようなことをしたのなら、それについて弁明しなければならないだろう。世間は闇はないと判定するかもしれないけれど、第一位の当事者たちが、なにか不自然な力の中で、自分が一番やりたいことを諦める決断を強いられているのだとしたら、もうじゅうぶんそれは闇だ。しかも、個人個人が傷ついているのに多くの人々が気にしないという点で、世間一般がいう闇よりもはるかに深刻な闇だと思われる。深くはないかも知れない。物理的な意味での深さはないかも知れない。しかしだらだらと続く慢性的な闇……
もちろん私はじかに歩いて話を聞いている訳ではない。何も知らない一介の外野に過ぎない。もしかしたらすべては誤解で、実は大した問題はなかったのか?そっちの方がどんなにいいだろう!……だが野次馬なりに横目でチラ見しているだけでも、不自然なことはすぐに分かってしまうものだ。「良かれと思ってしたことが誤解を受けてしまった」「表現の問題だ」といったよくあるストーリーとは今回は違う。
これは明らかに無理筋を通そうとしている話で、ところどころ関係者たちのコメントにも食い違いやねじれが見られ、不審な感じが満載だ。時おり出てくる汚い大人風の人物の強圧的でイヤな感じも伝わってくる。それぞれが思いを共有しようという努力も中途半端で、我を通そうとする方が強い。こうして誠意と純粋な気持ちで動く人間が苦しみ、傷つけられ、さらには本来無関係の人たちにまで影響が及ぼされる、というそのパターンの一典型。問題は、ありだ。
陰謀や権謀術数などという大仰なものではなくて、ありきたりの闇。日常的な、誰にでもどこにでもある不誠実。とでもいおうか。それが不作為の悪意?そんなものがあるのだろうか。。。しかしそうなのだろうか。。。そのことで苦しんでいる人がいるのなら、明らかにすべき何かがあるのではないか。
でもこの件は誰も書かないかもしれない。苦労して歩いて話を聞いて書いても、それに見合うバリューがないからだ。世間はもっと巨悪で忙しいようだから。そして誰も書かないまま、私もこのことを忘れていってしまうのか。。。まさか、この世界の右も左も分からない、歩き方も分からない私が書くわけにも行かない。かと言って、右も左も分かっている人は、逆にこのことに触れたがらない。
こうやって慢性的な気付かない闇が続いていくのだろうか。ダークグレーの風景が。恐ろしいのは、問題が不問に付されることだ。闇に葬られるーー闇に葬るその行為こそがほんとうの闇なのだから。