今回の記事は、がんや糖尿病とは関係のない話なので、興味のない方はスルーしてくださいね。でも私にとって書き残しておきたい事なので、読んでいただけたら幸いに思います。

 

私の職場には現在4名の男性の残留孤児関係者がいます。そのうちの二人は日本人と中国人のハーフ、残りの二人は日中ハーフの女性のそれぞれの夫です。この人達は時期は違うけど、30年ほど前から日本へ来ています。そして最初に私の職場にきた男性は、今から24年前に私の知人から頼まれて、とりあえず会ってみたのです。初めてのケースなので不安もありましたが、私の妻と本人をよく確認した上で職場に入れました。私の妻は洞察力が鋭く、相手のほんのわずかなしぐさや表情から心を読み取ったり。嘘を見抜いたりすることも上手だったのです。でもそれからは彼自身に頼まれ、現在は段階的に4名の残量孤児関係者となっています。

 

歴史を少し遡ると、戦前に旧満州(中国東北部、現在のハルビン、長春など)に居住していた多くの日本の民間人は、ソ連が参戦して日本の敗戦が濃厚になった時に、朝鮮半島を経由したりして、汽車と徒歩で逃げてきたのです。その場合のルート(釜山港まで)は、およそ青森県から山口県くらいにまで相当し、幼い子供にはまず難しかったことでしょう。そのあたりの描写が、藤原ていさんの実体験小説「流れる星は生きている」に詳しく描かれています。その時に多くの子供たちが現地の(子供がない)農家に引き取られました。その子達は中国人として育てられ、成人すると現地の中国人と結婚したのです。その人達が残量孤児一世で、NHKドラマ「大地の子」の主人公はこの世代にあたります。私の職場の4人とその妻の人達は、この世代のさらに子の世代(第二世代)にあたり、その人達も現在はすでに60歳前後ですが、第一世代の親の帰国時に一緒に日本へ来たのです。私の職場の男性達は日本語も流暢で真面目なのですが、一番最後に職場に来た男性だけは日本語があまり得意でないのです。彼自身は本来は中国人で、その奥さんが残留孤児二世です(奥さんの母親が日本人、父親は中国人)彼は20年ほど前に夫婦で来日し、その後日本でマンションを購入して、日本で生まれた一人娘と三人で暮らしています。

 

この7月末のある朝、彼から電話がかかってきました。背中がすごく痛くて動けない、というのです。私は「無理しないで良くなるまで休んでいていいよ」と言いました。ところがその翌日になっても痛みは全然よくならないのです。そんなやり取りが数日間続きましたが、ここで困ったことが生じました。彼の日本語があまりにも上手でないことがわかったのです。例えば「夜寝てる時にも痛いのかい?」という簡単な問いかけにも答えられないのです。普段は話しかけるといつもニコニコしていたので、こちらはわかってるものだと思っていました。しかし今回はかなり詳しいことを説明しなければならない状況です。この件が労災扱いになれば本人にとって有利になるので、私はできればそうしてあげたかったのです。しかし慢性的な腰痛の労災認定は、原因が業務上であると特定しずらく、かなり困難です(業務災害とハッキリ説明できるぎっくり腰などの場合は別)私は過去に別件で、ぎっくり腰の労災申請さえ否認する職員と直接掛け合ったことがあり、私がきちんと説明してなんとか主張が通ったこともあったのです。そのような複雑な内容を説明するのは彼の会話力ではとても無理です。

 

私がどうしようか困っていたある日、突然彼の娘さん(大学三年生)が電話に出てきたのです。その娘さんは日本生まれなので日本語は普通に話せます。それからはその娘さんが窓口になったので少し安心できました。でもその数日後に整形外科で診てもらったら、脊柱管狭窄症の疑いがあり、大きな病院で精密検査するように言われたそうなのです。私は嫌な予感がしました。脊柱管狭窄症は、場合によっては歩けなくなることもあると聞いていたからです。私はすぐに労務士へ相談しましたが、脊柱管狭窄症はほとんどが加齢が原因とされ、今回のケースでも業務上のハッキリした原因が特定できないので、労災認定はまず無理だろうとのことでした。なので結果的に、この件は社会保険の休業補償(欠勤期間の約6割補償)で対処する方針にしたのです。いずれ大学三年生の娘さんにもそのことを説明しなければなりません。そしてその数日後に娘さんから連絡があり、精密検査の結果、やはり脊柱管狭窄症だったのです。私の嫌な予感が当たってしまいました。ただ唯一の救いはまだ初期段階なので、手術はせず安静にして様子をみるということでした~続く

この記事は、私の個人的な関心事や見解なので、興味のない方はスルーしてくださいね。私は、わかってくれる人にだけわかってもらえればいいや、と思うようにしています。

 

私がだいぶ以前に読んだある本に「糖尿病の原因はストレスだ」と書かれてありました。その著者の方は、何でもかんでもストレスに結びつけたがる傾向があったので、私は「まさかそこまでは・・」と思ったものです。糖尿病の原因は遺伝的体質(私自身がそう)や長年の暴飲暴食、過剰な糖質摂取などであり、ストレスまで原因に含めるのは無理があると私には思えたのです。しかしある別の調査で「乱れた生活様式だったと思われる人達の集団が、良好に制御された生活習慣と大麦などの高食物繊維の長期摂取で、2型糖尿病がかなり改善された」という報告もあり、乱れた生活習慣が糖尿病の原因になることもあるのかな、と思えてきたのです。

 

また次の記事には、長年にわたり不健康な生活様式が重なっていた米国の女性看護師には、糖尿病リスクが増えていた、と書かれています。

 

一部抜粋:交替制の夜勤労働と不健康な生活様式はいずれも2型糖尿病のリスクと関連し、これらが併存すると、個々の要因を単独に有する場合に比べリスクが相加的に高くなることが、米国の女性看護師を対象とする調査の解析で示された。交替制の夜勤労働者は不健康な生活様式の頻度が高いとする報告は多い。夜勤の年数が増えるに従って、現喫煙が多くなり、BMIが増加した。「2型糖尿病の多くは、健康的な生活様式を順守することで予防可能であり、交替制夜勤労働者では、より大きな便益が得られる可能性が示唆される」としている~ここまで

 

ようするに不健康な生活様式と体内時計の乱れが重なると、自律神経も乱れ、その結果糖尿病リスクも増えるということのようです。まさに「ストレスも糖尿病の原因になりうる」ということになります。またこのことは、がんの場合にも当てはまるように思えます。

 

一部抜粋:一方、シフトワーカーなど生活スタイルの変化や時計遺伝子の変異により発がんリスクが変動する。生体リズムの破綻により,コルチゾールや免疫細胞などの概日リズムが変容し,発がんリスクの増加やがん患者の延命効果を低下させる。治療において,投薬タイミングに加えて生体リズムの乱れが疾患リスクを高め,それを調整することにより治療効果を向上できる点が新たな治療戦略となりうる~ここまで

 

体内時計は地味で見過ごされがちですが、糖尿病患者やがん患者にとってはかなり大切なことに思います。体内時計をできるだけ乱さないことも、それらの疾患リスクを少しでも抑える可能性はあるように思えます。

 

PS:サングラスベイビー・・ベイビーは風邪もめったにひかず、自然免疫も強そうです。

今回の記事は私の個人的な事なので、興味のない方はスルーしてくださいね。上の写真は私の次女が34歳の時の子で、もうすぐ4歳になります。私の次女は、大学を卒業してすぐに職場で知り合ったイケメン(に見えた)男性と結婚したのです。しかしいざ一緒に暮らしてみると、相手が非常にワガママで、しまいには暴力を振るいそうになったので、私のところへ逃げてきたのです。次女はそれから数年間は、近くでパートをしていましたが、そこで知り合った現在の夫と後に再婚したのです。その彼は前の夫とはまるで正反対のタイプで、地味で見てくれも平凡です。しかし芯はしっかりして計画性もあり、パートをしながら公務員試験に合格し、将来のビジョンも明確でした。現在も仕事のない土日などには、次女に代わってベイビーの面倒をしっかり見てくれます。夫婦で一度もケンカしたこともないそうです。思えば私と妻も一度もケンカしたことありませんでした。

ベイビーは言葉も早く、こちらの言うこともちゃんとわかっているようなので、面前で迂闊な事は喋れなくなりました。絵本のシール貼りなども、ズレることなくほぼ100発100中に貼るので驚きました。目もパッチリして誰に似ているのかよく考えたら。私の妻に似ているのです。私の妻は空間認識に優れ、運転も上手で、一度行った場所は複雑でもきちんと覚えていたし、文体も力強い楷書体でした。この子は妻の生まれ変わりのように思えてきます。

 

ところで次女は長いこと不妊気味で、なかなか子供ができなくて、半ばあきらめかけていたのです。体型も痩せ型で子供の頃からずっと貧血気味でした。ただ、次女は小学六年の時に私と親子になってから、よく私の真似をし、恥ずかしがらずに私の後を付いてきたのです。(中三だった長女は、私と三年間はまったく口をきかなかった)次女が現在の旦那と結婚してからも、私は毎日のように次女と電話で話していました。私は現実生活では次女にだけ糖質制限やオメガ3の話をよくしていて、職場などではそういった話は一切しませんでした。イワシ水煮缶1ケースを次女宅へ持って行ったこともあり、次女は味噌汁に入れて食べてると言ってました。さらに次女は緩い糖質制限もしていたようです。そのような日々が続く中、次女宅を訪れたら、次女のお腹がポッコリ大きくなっていて、私に真っ先に知らせてくれたのです。私が度々話していたことが、次女の妊娠にどれだけ結び付いたかはわかりませんが、タイミングが一致していたことは確かです。天国の妻もこのベイビーに会いたかったことでしょう。

ずっと以前、マウスに高脂肪食を与えたら、がんが増大した、という論文が発表されて騒がれたことがあります。その論文の末尾は「ケトン食ががんを促進した」となっていました。しかしケトンに詳しいある研究者がその論文を詳細に調べたら、その研究でマウスに与えた高脂肪食は、ショートニング(トランス脂肪酸)だったのです(その後、アメリカではトランス脂肪酸は禁止になっています) その反対にオメガ3やオリーブオイルを与えた(マウスでの)高脂肪食が、がんの成長を抑制したという論文はたくさんあります。

がんは炎症を好み、炎症を利用して増大します。がんは進行してくると全身に炎症を引き起こし、宿主の筋肉を分解させ、そのタンパク質(アミノ酸)を肝臓でブドウ糖に変え(糖新生)がん自身のエネルギー源にします。がんで筋肉痩せ(悪液質)するのはこのためです。なので、がんがショートニングなどの炎症性脂質を好むのは、別におかしくないと思います。

一部引用要旨:最近の研究では、がんは脂質を栄養として利用して成長を早めたり、転移を促進していることがわかりました。研究によって、転移するがん細胞は脂肪をエネルギー源として利用している可能性が示されたというニュースです。(同時に)脂肪酸の種類によってがんのリスクが左右されることがわかっています。がんの発生や転移を促す可能性がある脂肪酸を3つ紹介したいと思います。1.飽和脂肪酸(バター、肉の脂身、ラードなど 2.トランス脂肪酸(マーガリン、ショートニング 3.オメガ6脂肪酸(サラダ油、ヒマワリ油、コーン油、大豆油、ごま油などの炎症性油)~ここまで

(ただし、私は飽和脂肪酸に関してはグラスフェッドならば大丈夫なように思います。でも正直なところ、飽和脂肪酸に関してはよくわかりません)

 

そして次の記事は世界最大のがん学会のASCO(米国腫瘍学会)で報告された内容です。査読はまだ受けてないようですが、この学会は審査が厳しく、この場で報告できるだけでも非常に狭き門なのだそうです。

一部引用:魚油カプセルを用いた高オメガ3脂肪酸、低オメガ6脂肪酸の食事指導が、積極的監視療法下の前立腺癌患者に対し、がんの増悪や転移を反映するとされているKi-67値を、対照群と比べて減少させる可能性があることが分かった。介入群(44人)は、オメガ6脂肪酸が多い食物(コーン油や揚げ物など)の消費量を減らして、オメガ3脂肪酸が多い食物(サーモン、ツナなど)の摂取を増やし、オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸の摂取比が4:1以下になるよう指導されたほか、魚油カプセルでエイコサペンタエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)を1日当たり2.2g摂取した。対照群(47人)は、魚油を摂取しないよう指導された。(がんの増悪や転移を反映するとされている)Ki-67値について、介入群ではベースラインの1.34%から1年後には1.14%となり約15%減少していたが、対象群ではベースラインの1.23%から1年後には1.52%となり約24%上昇していた。両群間で統計学的に有意な差が認められた。

 

この結果からも、私にはがんが抗炎症性の脂質(オメガ3など)を好むとはとても思えません。これらを摂取して炎症を抑えたら、がんは自滅の方向に向かうはずだからです。むしろがんはオメガ3を嫌い、避けるのではないでしょうか。またケトン体にも(炎症を惹起する)NLRP3インフラマソームを抑える作用があります。

私は、炎症をできるだけ抑えることがとても重要だと、今でも思っています。

 

 

私の職場には2型糖尿病の男性がいますが、すでに6年以上、SGLT2阻害薬(ジャディアンス)で血糖値をコントロールしていて、健康状態はとても良好です。私は運行管理者でもあり、職場の人の健康状態は、毎日しっかりと把握する必要があります。彼は風邪やインフルに罹っても、回復するまでの日数は、糖尿病でない人と比べても変わらないです。そして後に知ったのですが、彼はメトホルミンもジャディアンスと同時期から併用していて、これといった副作用も特になく、腎機能(クレアチニン)もまったく正常です。最近の彼の空腹時血糖値は70台後半で正常ですが、HbA1cが9以上とかなり高値です。このパターンは食後血糖値が高いことを意味します。でも現在の彼の健康状態がよいのだからそれでよいのでしょう。空腹時血糖値は血糖値のベースラインでもあり、ここが良好であることは、とても重要に私は思います

注:ただしメトホルミンは、すでに腎機能に障害がある場合にはその服用量に制限があり、また重度の慢性腎不全(eGFR<30 )がある場合には、乳酸アシドーシスの可能性があるため禁忌にされています。

 
そして次の記事は、空腹時血糖値の経年変化とがんの発生率との関係についての調査報告です。

題:空腹時血糖値の推移(変貌)による癌リスク 2024年2月27日

一部要旨:糖尿病はがんのリスクを高めることが知られています。空腹時血糖値は時が経つ(年月の経過)につれて変化する可能性があります。しかし、空腹時血糖値の推移(変貌)とがんのリスクとの関連性は十分に研究されていません。私達は2002年から2007年までに40~79歳の韓国人256,271人を対象に、がんの種類別に空腹時血糖値の推移(変貌)とがん発生率の関係を調べました。そして4つの血糖値の推移が見つかりました:血糖値の低値安定(平均<100 )、高値安定(113~124)、高い増加(104~166)、高値安定(>177 )。 高値安定177>群は、低値安定(平均<100 )群よりも多発性骨髄腫、肝臓がん、胃腸がんのリスクが高かった。推移が上昇するにつれ、すべてのがんおよび胃がんのリスクが増加した。また、高い増加(104~166)群では、口腔がん、肝臓がん、膵臓がんとの有意な関連性も見つかりました。私たちの研究は(空腹時)高血糖を長年放置すると、がんのリスクが高まる可能性があることを浮き彫りにしています。

私達の分析では、すべての空腹時血糖値パターンにおいてメトホルミンを投与しても、がんのリスクは増加しませんでした。多数の研究で、メトホルミンが、がんの発症に予防的役割を果たすことが示唆されています。英国で実施された(経口抗糖尿病薬の女性使用者を対象とした)症例研究では、メトホルミンの長期使用は、メトホルミンを使用しない場合と比較して、乳がん発症リスクの低下と関連していることが報告されました~ここまで

 

また次の記事には、メトホルミンが高血糖を下げる仕組みが解説されています。

題:メトホルミンによって調節される血液循環から腸管内へのブドウ糖の流入 2025年3月3日

一部要旨:メトホルミンは、世界中で最も広く処方されている抗糖尿病薬の 1 つです。メトホルミンの抗糖尿病の作用は主に肝臓での糖新生の阻害(高血糖や筋肉分解の抑制)によって起こると考えられていますがその根本的な仕組みは完全には解明されていません。私達は最近、既存の(がんの診断に用いられる)FDG PET-MRI検査での画像分析を通して、メトホルミンが腸管内のFDG(ブドウ糖に似た放射性薬剤)の蓄積を増加させることを実証しました。これは、メトホルミンが腸管へのブドウ糖排泄を刺激することを示唆しています。これまで見分けられなかった、血液の循環から腸管腔(内側の空間)への大量のブドウ糖の流れが存在し、これが腸内細菌叢と宿主の共生に寄与していると考えられます。メトホルミンは腸内の SGLT1(ブドウ糖の吸入口)の量を減らすことが示されており、これはSGLT1(ブドウ糖の吸入口)によるブドウ糖の再吸収が、メトホルミン治療によって抑制されることを示唆しています~ここまで

 

メトホルミンが余剰なブドウ糖を腸から排出するルートには「血液の循環→腸」と「食べた糖質が腸からそのまま排出される」の2通りがあるようです。前者はオートファジー色が強く、後者は糖質制限と似ていることになります。

 

SGLT2阻害薬とメトホルミンは、注意書きをきちんと守り、慎重に扱えば、気になる副作用も特にないようです。私の職場の男性も、これからもこのペアの薬で糖尿病を抑えていければ、それで良いのではないでしょうか。

 
注:今回の記事も参考にお願いしますね。

絶食模倣食とは、抗がん剤治療の各コース(クール)の間に、5日間程度の低カロリー食を周期的に間に挟むと、オートファジーが働き、抗がん剤が効きやすくなる可能性があるということです。ただし(成長ホルモンのIGF-1を抑えるために)低タンパク食になるので、一時的にアルブミンや白血球数が低下しやすいです。でも短期間のカロリー制限なので、それ以外の時にしっかり食べられれば、いずれ回復してきます。

今年初めの米国がん学会(世界最大規模)の系列ジャーナルに、この絶食模倣食のことが掲載されていました。ついに絶食模倣食はメジャー昇格になったようです。そしてこの療法が効くかどうかのポイントは、早い段階からがん細胞の糖質利用を下げることにあるようです。

https://aacrjournals.org/cdnews/news/2015/Glycolysis-Dictates-Response-to-Fasting-Mimicki

題名:乳がん患者の絶食模倣食への反応は解糖系(糖質利用)で決まる      2025年1月9日

要旨:絶食模倣食と化学療法の併用は、トリプルネガティブ乳がんで高い反応率を示します。完全奏功の場合の腫瘍には、糖質代謝(糖質利用)の早めの低下が見られます。解糖(糖質利用)の早めの低下は、絶食模倣食に対する反応の予測マーカーとなる可能性があります~ここまで

 

さらに同じ内容の記事がやはりcell(世界三大科学誌)系列のジャーナルに掲載されています。

https://www.cell.com/cell-metabolism/fulltext/S1550-4131(24)00450-9  2025年2月4日

題名:腫瘍の解糖系(糖質利用)の早い段階での低下は、トリネガ患者の絶食模倣食への反応を予測する

要旨:(周期的な)絶食模倣食とアントラサイクリン系薬剤とタキサン系薬剤(ドセタキセルなど)の併用は、早期(ステージの)トリネガに優れた反応をもたらした実験的治療は安全であり、患者の順守は良好であった。がん細胞における糖代謝(糖質利用)の早めの低下は絶食模倣食に対する完全奏功率を予測する。(動物、試験管)実験では(周期的)絶食模倣食は化学療法と組み合わせることで幅広い抗がん効果を示した。異なる腫瘍のタイプの中では、トリプルネガティブ乳がんは絶食模倣食に対して非常に敏感です。しかしトリネガ患者における(周期的)絶食模倣食の抗腫瘍活動と効能は不明のままです。ここでは、第2相試験に登録された早期ステージのトリネガ患者30名において、術前化学療法と組み合わせた場合、厳格にカロリー制限された3週間ごとの5日間の絶食模倣食計画が、素晴らしい完全奏効率と長期臨床結果をもたらすことを示します。完全奏効を達成した場合は、高度に解糖系(糖質利用)のがん細胞が、早い段階から解糖(糖質利用)の低下を受けていることが明らかになった私たちの研究結果は、早期ステージのトリネガ患者における(周期的)絶食模倣食の有効性を調査し、栄養制限による臨床的利益の予測因子として、腫瘍内解糖系(糖質利用)の早期変化を検証するための、より大規模な臨床試験の実施に向けた道を開くものです~ここまで

 

やはり高血糖が続くことはよくないようです。だから糖尿病は改善しておかないと、がんリスクも高まってしまうのでしょう。ただ、この絶食模倣食が難しいのならば、個人的には糖質制限&ミニ断食(12~16時間断食など)のパターンも良さそうに思います。mamyさん、おーちゃん、これからも頑張ろうね ! ケトンフレンドだからね!

 

私はだいぶ以前、外国の悪性リンパ腫(ステージ4)の女性が、化学療法の各サイクルの前後に数日の水断食をしたら、化学療法がすごく良く効いたという記事を書いたことがあります。これは内輪のグループ内での話題だったので、あまり詳しくは書けなかったのですが、その女性は「絶食により正常細胞は休眠状態になり、正常細胞より代謝が速い癌細胞は細胞分裂ができなくなり、結果的に抗癌剤が癌細胞に的を絞って効きやすくなるという」と説明していました。その女性のその後の投稿では、これは私の個人的体験である、とも付け加えてありましたが、その女性は後に寛解し、現在はがんのことはもう忘れているようです。おそらくその女性は、当時まだあまり知られてなかったヴァルター・ロンゴ博士の理論を、自分なりに解釈して実践していたのだと思います。(ただし水断食はBMIが低い人には危険だし、断食中でも必要な栄養素は不可欠です) そして現在、このヴァルター・ロンゴ博士が考案した「絶食模倣食」は海外ではそれなりに有名になり、成功例も増えてきているようです。

この「絶食模倣食」は水だけの断食ではなく、抗がん剤を開始する4~5日前から当日までの間は(必要な栄養素は減らさずに)カロリーをかなり減らした食事にして、それからの16~23日間は通常の食事に戻し、その後再び4~5日間の絶食模倣食にするというサイクルのようです。要は抗がん剤の各サイクルの前後に5日間の絶食模倣食を挟むということでしょう。主なメニューは野菜スープ、ブロス、お茶などのようです。カロリーを減らしながらも、必要な栄養素は摂ることで、良い意味でのオートファジーなども活発になるようです。
 
佐藤先生の動画でも「絶食模倣食」のことが詳しく、具体的に説明されています。

この動画の6分20秒あたりで、58歳と42歳の女性(トリネガ)の全身転移が、抗がん剤と絶食模倣食との併用で、画像上消えたという例が説明されています。これらの成功例はチャンピオンケース(たまたま)ではない可能性が高いそうです。

 

動画の1分18秒から、絶食模倣食を実践する場合の具体的なスケジュールが説明されていて、3分44秒からはトリネガにおける効果についての解説もあります。

 

次のリンクでも絶食模倣食について解説されています。

一部引用要旨:絶食を模倣した食餌は、乳がん患者に対する最初の数回の化学療法の効果を増進する可能性のあることが、無作為化第II相比較臨床試験で示された。この結果について報告する論文が、Nature Communicationsに掲載される。絶食模倣食は、低カロリー・低タンパク質な食餌で、水分のみを摂取する絶食によって生じる代謝反応に類似した反応を誘発するために開発された。

短期絶食と絶食模倣食は、化学療法の際に健康な細胞を保護する一方、がん細胞に化学療法を効きやすくする効果のあることが、前臨床的証拠から示唆されている。しかし、がん患者に対する短期絶食の可能性を評価する臨床研究は、まだ初期段階にある~臨床試験では、HER2陰性のステージII/IIIの乳がん患者129人が、ネオアジュバント化学療法(腫瘍を退縮させるための第1段階として手術前に行う治療)の3日前から実施期間中にわたって絶食模倣食か通常食のいずれかを取った。絶食模倣食は、野菜を使った低アミノ酸置換食で、スープ、ブロス、液体、茶からなる。絶食模倣食摂取群と対照群で、化学療法の毒性に差はなかったが、腫瘍応答に対するネオアジュバント化学療法の効果は、絶食模倣食摂取群の患者で増強されていた。現在、(無病)生存率に関する追跡調査が行われている。~今回の結果は、複数サイクルの絶食模倣食が、早期乳がんの女性が受ける化学療法の補助療法として安全かつ有効であることを示唆している~引用ここまで

注:記事では、早期乳がんの女性、となっていますが「化学療法の効果が増強される」という点は、ステージ4でも共通と私は思います。

 

次のリンク(2024年8月8日付)でも解説されています。

一部要旨:絶食模倣食は腫瘍レベルと全身レベルとで免疫調節特性を持っています。血液中の炎症性白血急、免疫抑制細胞 、および免疫抑制性骨髄細胞を減少させ、ナチュラルキラーT (NK) リンパ球の活性化を高めます。絶食模倣食は免疫療法または化学療法と併用すると、腫瘍内に活性化NK 細胞および T 細胞が侵入し、腫瘍の発達を遅らせ、(患者の)生存期間を延長します。トリプルネガティブ乳がんでは、絶食模倣食は腫瘍内免疫系を修正することで、免疫療法の抗がん効果を高めます。化学療法や(PI3K-AKT、mTORC1阻害剤)や免疫療法と組み合わせると、絶食模倣食は長期的な腫瘍反応を高めます。

 

ただしこの絶食模倣食は、通常の食事の時はしっかり食べて、カロリー不足にならないように気を付けることが大事です。通常は制限せず、抗がん剤サイクルを挟んだ前後5日間の時だけ(必要な栄養素は減らさずに)カロリーを減らすということでしょう。ただしもしも調子が悪くなったら、よした方が安全です。しかしこの方法で窮地を脱した人がいることもまた事実と私は思います。参考に思っていただければ幸いです。

 

 mamyさんへ

 私はブログはやめた筈だったけど、私は自分をずっと信じてくれる人を置いてきぼりになんかしないよ!なので久々に更新してみました。ただ、mamyさんのことはmamyさん御自身が決めることと思うので「参考として」になってしまうのを許してね・・でも精魂込めて書いたので読んでみてください・・

 

この動画、すでに見たかもしれないけど、ステージ4のトリネガが完全寛解した1例です。動画で紹介されてるのは、私が初めの頃に傾倒したDr.Thomas Seyfriedの症例論文で、たった一人の成功例だけど、事実だと思うので希望は充分持てると思います。トリネガは特に糖尿病(高血糖、高インスリン血症)と関連していて、理論的には糖質制限やケトン食が向いてることになります。たとえこの動画と対処方のパターンが少し違っていたとしても、ハラヴェンやその他の工夫でがんが縮めばいい・・ぜひそうなってほしい・・私も切に望みます。

 

そして次の二つのリンクには、糖質制限ががんに対して抑制的に働く理論的根拠が書いてあります。(SGLT2阻害薬は糖質制限の一種)その前に私からも説明すると、腎臓の尿細管の細胞の表面には、尿から排出されるブドウ糖を再吸収する(掃除機の吸引口のような)SGLT2というパイプのようなものが集中しています。このパイプを塞いでブドウ糖の再吸収をブロックし、糖を尿から排出させてしまうのがSGLT2阻害薬です。よってその分だけ体内の糖が減ることになり血糖値も下がります。SGLT2はほとんどが尿細管に集中していますが、意外にも(いくつもの種類の)がん細胞にも発現しています。やはりがん細胞は糖を好むのですよ。だからこの薬はがん細胞のエネルギー源も減らせることになります。そのことを裏付けるように、SGLT2阻害薬ががんの進行を遅らせる論文も最近は増えてきています。

一部引用要旨:~その後多くの癌細胞でSGLT2が発現していることが分かってきました。癌細胞はエネルギー供給の多くを解糖系(ブドウ糖代謝系)に依存しています。SGLT2が発現している癌細胞にSGLT2阻害剤を使うとブドウ糖取り込みが阻害され、エネルギー供給が制限されます。さらには癌細胞の増殖に必要な他の代謝信号系(PI3K/AMPK系など)もSGLT2阻害剤が抑制することが分かってきました~SGLT2阻害剤の抗癌作用について研究が進行中です。基礎研究では、膵癌、前立腺癌、乳癌、非小細胞性肺癌、甲状腺癌、肝細胞癌、骨肉腫などで検討されています。臨床面では、他の癌治療法と組み合わせることで治療成績を向上させることが期待されています。現在10本の治験が行われているそうです。

 

そしてこちらは先月の9月4日に発表されたばかりの最新論文です。

一部要旨:2型糖尿病は、トリプルネガティブ乳がんと最も強く関連していることが判明しています。これは、糖尿病に関連する代謝調節異常とトリネガの発症または進行との間に潜在的な関連があることを示唆しています。糖尿病を患う乳がん患者はリスクが高く、転帰も悪いため、この患者集団では抗糖尿病治療が重要な考慮事項になります。抗糖尿病薬と従来の抗がん剤を組み合わせて糖尿病を管理し、がんを治療する有効性を調査することで、糖尿病関連がんをより効果的に治療できる可能性があります。SGLT2阻害剤は、腫瘍壊死を促進することにより、乳がん、肝臓がん、膵臓がん、前立腺がん、腸がん、肺がんの場合の抗がん療法となる可能性があります。カナグルなどの SGLT2 阻害剤とドキソルビシンなどの化学療法薬を組み合わせると、相乗的な細胞毒性効果が実証されており、乳がんモデルにおける化学療法耐性を克服できる可能性があります。全体として、SGLT2 阻害剤は、化学療法に抵抗性のあるトリネガを含むさまざまなサブタイプの乳がん患者の臨床転帰を改善する可能性がある、新しく有望な治療アプローチです~引用ここまで

 

ただし現在はSGLT2阻害薬のがん治療の保険適応がないので、まだ現実的ではないです。個人輸入があるけど、用量などの注意点もいくつかあるので、素人判断では危ないです。でもmamyさんは糖質制限ならできるはずです。ケトン食が難しいなら、夕食を早め(7時ごろまで)に済ませ、翌日の朝食を6時ごろにするだけでも、血糖値は少し下がります。要は夜間の空腹時間を少し伸ばすのです。お腹が減ったらルイボスティーならノンカフェインなので大丈夫です。mia-youさんもそうしていたよ・・そして夕食も軽めにすれば、胃腸も休まるしケトン値も少し上がります。あとタンパク質は身体に絶対に必要だけど、食べ過ぎると余った分が糖質に変わり、血糖値が下がらなくなります。そしてタンパク質も(糖質の半分くらいだけど)直接インスリンを出すのです。それと(心配しすぎる必要はないけど)タンパク質の一種のグルタミンはがんの餌にもなるので、がんに余計な養分を与えないためにも、タンパク質は体組成計で筋肉量が減らない程度がちょうどよいのです。余らないように筋肉で全部吸収してしまえばいい・・そしてオリーブオイルやMCTオイルで補充すればカロリー不足にならないので筋肉痩せは起きません。

あと腸内細菌叢と筋肉量も大事です。ただし筋肉痛が生じるような激しい筋トレは(炎症が生じるので)避けた方がいいです。筋肉痛が起きない程度の、無理のないスロースクワットがいいんじゃないかな・・

 

私は以前から(慢性)炎症を抑えると抗がん剤が効きやすくなるように考えてました。炎症反応は本来は怪我や有害な異物の排除に必要です。でもこの炎症状態はできるだけ早めに収束したほうがいいのです…怪我だって早く治った方がいいものね。これが本当の意味の免疫力じゃないのかな。また慢性炎症がなぜよくないのかというと、ウィルスやがんをやっつけるキラーT細胞がいつまでも活性化され続けると、疲れ切ってしまって、免疫機能が低下したままになってしまう(免疫疲弊)からです。そして歯周病や2型糖尿病も慢性炎症の一種なので、それらにも気を付けてね・・

 

私の会社の税理士の姉さん(トリネガ)も崖っぷち状況だったけど、トモセラピーが劇的に効いて現在は順調です。先日、彼からまたその話を聞きました。

 

mamyさんも他の転移はすべて消えたのだから、これまでの取り組みは良かったんだよ・・皮膚転移は予想外だったけど、またいろいろ良い方策を見つけながら頑張っていこうね!

今から7年前の3月頃に、私は原因がわからず、どんどん痩せ続けたことがあります。妻が死んでから2年目くらいの出来事です。それもダイエットなどというレベルでなく、体中の筋肉が日を追うごとに加速を付けて減り続け、半年後にはついに体重が30㎏を割りそうになってしまいました。その頃はベッドから起きるのもやっとで、事務所のシャッターを開けることもできず、従業員に手伝ってもらっていました。そして鏡に映った自分の顔はまるで死相が出た骸骨みたいになり、後でわかったのですが、私の跡継ぎの娘婿が、私が自殺でもするのではないかと見張っていたらしいのです。ただ、これはがんではないと思いましたが、プロティンを飲んでも何をしても痩せは止まりません。本当に危なくなってきて、ようやくの運転で辿り着いたクリニックでは血糖値が46しかなく、極度の栄養失調状態でした。でも精密検査では体のどこにも異常はないので、カルテにどう書いたらよいのか主治医も戸惑っていました。だけど最終的には心が原因だと記入していたようです。後にすっかり回復した私を見て、主治医が「あの時は死んでしまうかと思った」と呟いていました。医師が客観的に見ても、あの時の私は餓死寸前だったようです。でも苦しくてもう死ぬなと思った時「ああ、これでようやく妻の処へいけるんだ」という安堵感が湧いてきたことも意外でした。でも現在の私はすっかり健康で、これはもう遠い過去の出来事です。

 

昨年の暮れ、私がよく見ていたYOUTUBEの人が突然亡くなってしまいました。その1週間前に急性骨髄性白血病と診断され、直接の死因は肺炎だそうです。ただ私は思ったのですが、周囲の方も含め、どうしてもっと早く気付かなかったのでしょうか。本人も風邪と思ってたようです。でもYOUTUBUで見る限り、かなり前から痩せてきていて、調子も悪そうで、ただの風邪にはとても見えなかったです。もうあのお話が聞けないと思うとすごく残念で寂しいです。

さらに年末にはプロレスラーのキラー・カーンさんも亡くなってしまいました。これは以前手術した大腸がんの再発でなく、動脈破裂による突然死だそうです。その日は御自身の経営する居酒屋での接客中に突然倒れ、しかもその5時間前にはX(ツイッター)に元気な様子を投稿していたそうなので、御本人もまさか死ぬとは思ってなかったでしょうに・・ただその数日前から頸が痛いと言ってたそうなので、その時すぐに病院へ行っていれば助かっていたのかもしれません。やはり高齢になって不調を感じたら、早めに病院で診てもらった方が安心に思います。

 

私の会社のホジキンリンパ腫で経過観察中の男性(48)は昨年の暮れに(治療終了から)画像診断も含めた2年目の精密検査を無事に完全クリアできました。リンパ節で赤く光った個所はひとつもなかったということです。血液のがんはその性質上散らばりやすいので、彼も心配してましたが、最近は顔色も良いので私は大丈夫と思っていました。それに散りやすいのならば、出てるならもう出てるでしょう。一応あと3年間無事なら卒業だそうです。確かなことはわかりませんが、私の中では彼はもう大丈夫と思っています。そして彼の場合は、最初の段階でがんを疑い、アドバイスしてくれた歯医者さんの判断がすごく良かったのだと思います。それに彼には私が付いています。

 

私は過去、すごく辛かった時には、高校生の時に知ったレオ・セイヤーの「ショーは続けなければならない」という言葉を自分に言い聞かせてきました。妻が死んだ時にもこの言葉で乗り越えられたように思います。

そして私は人生は一度きりだと思っています。でも身体が資本であることも事実です。いくら立派な目標があっても、頑張り過ぎて心不全で死んでしまえば元も子もないです。

 

今日はとりとめもないことを書いてしまいました。でも私は基本的に嘘は嫌いです。本音を書いて嫌われたって仕方がないでしょう。

 
 

今から8年ほど前のある朝、私は血尿が出て驚いたことがあります。便器の中が赤く染まっているのです。痛みは感じ無かったけど・・その前日に、急坂が多い西沢渓谷(山梨県)をかなり歩いたので、たぶんその疲労のせいかな、とも思いました。ただ、私の兄弟や叔母が透析患者だったので、私自身もいずれそうなるのではないか、とすごく不安になったものです。その数年前から尿路(腎)結石の予防目的でクエン酸水は飲んでましたが、だんだん面倒になり、血尿が出たころにはクエン酸はほとんど飲んでなかったです。あれはかなり酸っぱいのです。ただ、血尿はすぐにおさまり、それ以降はそういうことはなかったです。

 

血液中のPH値(アルカリ性、酸性)は通常は7.4前後に厳密に保たれています。ただ、ケトン体は元々は酸性なので、それにより血液が一時的に酸性に傾くと(体は)腎臓から重炭酸イオン(アルカリ)を血液中に放出して酸を中和したり、肺による呼気(吐く息)で二酸化炭素(酸性)を吐き出したり(緩衝系)、尿から体内の過剰な酸性物質(利用されずに余ったケトン体やリン酸など)を排出し、血液中の酸性とアルカリ性のバランスを一定に保ちます(酸塩基平衡)この時に排出される尿は酸性寄りになるので、尿路(腎)結石が出来やすくなることがあります(あれはかなり痛いそうです)  私はケトン食を始めた12年くらい前からこのことは聞いていたので、念のためにクエン酸水をある程度飲んでいました。ただし誤解しないで頂きたいのは、この場合はケトン体そのものが悪い訳ではなく、ケトン体が利用、代謝できない(使い切れない)状態が長期に続くことが良くないということです。ケトン代謝に体が慣れてきて(スムーズになり)体内での利用率も高まってくれば余剰なケトン体も減るので、そのような状況にはなりにくいと思います。それに酸性物質が悪いのならば、クエン酸(酸性)を多く含む柑橘類や梅干しなどもすべて体に悪いことになってしまいます。クエン酸は体内ではアルカリ性に変わります。また血液はアルカリに傾きすぎても危険なのです(アルカローシス→ふらつき、錯乱、失神など) 重要なのは血液中のPH値が常に7.4前後に維持されてることであって、実際に私はこれまで一度も尿路(腎)結石にはなっていません。

 

しかし血尿から4年後、ずっと順調だった私の腎機能を現わすクレアチニン値(男性基準値0.61~1.04mg/dLくらい)が少しずつ上昇してきたのです。その後も上昇は続き、ついには定期検査で基準値を飛び越えてしまいました(当初0.69→1.07→1.17)主治医からは次回の検査もこのままだったら、腎臓内科に紹介すると言われ、私は焦りました。自分の兄弟や叔母の腎臓が悪化していく様子を間近で見て知っていたからです。もし、自分も同じようになったらどうしよう・・ケトンでも遺伝体質は変えられないのか、とかなり不安になったものです。

 

でもそれから私は腎臓病について徹底的に調べ、試行錯誤を繰り返しました。野菜は必ず煮こぼしてから食べたり(カリウム除去)、コーヒーを飲む量を1日3杯までに減らし(それまではバターコーヒーを1日10杯以上飲んでいた)牛乳を少し加えてミルクコーヒーにしたりもしました(シュウ酸対策)クエン酸水も本格的に再開し、重曹水も分けて飲むようにして、毎朝の尿PH値もキッチリと測り、アルカリ寄りを目指しました。ただ、私の場合は重曹の方が尿PH値がアルカリになったようです。それらのうちの何が良かったのかわかりませんが、次の検査ではクレアチニンがかなり下がっていました(1.17→0.74)今から4年前のことです。

それからクレアチニン値は基準値内を上下したりでしたが、先月の健康診断では2年連続でクレアチニン値が最低基準値を下回るほどまでに戻りました。
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たとえ加齢現象でこれから再び少しずつ上がったとしても、もうすぐ65歳の私は、透析から一生逃げ切れそうです。

 

私はすでにがん患者ではなく、遺伝性の腎臓病もなんとか克服できました。闘病記としてのこのブログの意味も薄れてきたようです。

でも私はこれまでブログを通して、多くの方々と知り合えて励まし合ったり、たくさんのことを学ばせていただきました。そして、ぽんぽこさんのように、余命宣告3~6ヶ月の膵臓がんから奇跡的な大逆転を実現され、5年後の現在も元気で順調な方もおられます。他にも厳しい状況から無事に卒業されていった方達も結構いらっしゃるのです。

でも悲しいお別れもありました。皆さん一生懸命頑張られて、ほとんどの方々がクオリティーも高く、余命の中央値よりも長く生きることが出来ましたけど、最後は旅立たれてしまいました。私はブログから離れたくなりました。しかしまた、ご遺族の方々から感謝のご連絡をいただいたことも数度ありました。ある時には、40代のご主人を亡くされたばかりという、ある女性からの突然のご連絡があり「がんになってから数年、治療法もないと言われ、たくさん悔しいこともありましたが、主人は亡くなる半年前まで好きだった海で過ごすことも出来て、ケトン食をしてきたことに後悔はございません。長い間ありがとうございました」とご連絡いただいた時には、心がやすらいだものです。

 

私の妻は9年近く前にヘルペス脳炎で突然他界しました。運悪く子宮内膜炎も併発していたので、ダメージも多く、担当医からも治療法がわからないと匙を投げられ、しまいには他の病院をたらい回しにされました。このブログには、あの時妻を助けてあげられなかった果てしない私の無念が・・ もう一度やり直したかった・・という執念のような強い想いがあったように思います。

でも私ももうすぐ65歳です。そしてもう闘病者ではありません。コロナやインフルも平気で、歯も丈夫です。これまで糖質制限ケトン食を実践してきて正解だったと思っています。ただ、糖質制限に限らず、病気を遠ざける重要なポイントは、やはり慢性炎症を抑えることにあったように思います。これからも皆さんのご健勝を心から願っています。