してあげたい気持ちが自然に湧く。
この自然に湧く気持ちこそが
愛情をベースにした親子関係だと思っていた。
老後、子供には迷惑をかけたくない。
子供は子供の人生であり自分の人生を大切に生きて欲しいと願う。
それが親の存在だと思っていた。
母親でもあり娘の立場でもある女性は言います。
ここまで育ててきたのは
誰のおかげだと言わんばかりに犠牲感を強く感じさせてくる母親。
親孝行もできないのか
この親不孝もの！と言われているように聞こえる言動。
あ〜しろ、こ〜しろと指図してくる。
母親の思うような行動をとるように仕向けてくる。
あれが欲しいこれが欲しいとせがむ。
娘がすること全て否定してくる。
何事も否定的に捉える。
お金のことでいつも揉めてしまう。
母親は自分のことにしか興味がない。
娘の人生をどう思っているのか母親に不信感を感じる。
私の気持ちには全く寄り添わない。
理解を示さない。
自己中心的な言葉を投げかけてくる。
言葉にはしないが面倒をみろと言われているようで罪悪感を刺激してくる。
会えばため息や愚痴の嵐。
電話をかけないと「私の事が心配にならないのか」と言ってくる。
母親から電話がかかってくると憂鬱でしかない。
心配ではあるが電話をかけたくないと感じてしまう。
大切にしたい気持ちもあるが
遠ざけたい存在でもある。
育ててくれた母親に対して
遠ざけたいと感じる私は間違っているのか
人として欠けているのではないかと責めてしまう時があると言う。
大切にしたい気持ちを素直に出せて
気持ちを受け取ってくれる母親ならここまで悩まなかったであろう。
娘の気持ちが素直に受け入れられないのか
素直に受け取れないところに
母親のこれまでの生き方の何かが抵抗しているのであろう。
母親の生き方に娘は考えさせられる。
母親の存在に
翻弄されるからこそ
親とはなんだと根本が揺らぐ。
★
私たち親世代の年齢の母親は
父親の亭主関白で我慢することが当然のようにあった。
母親の人生は父親に委ねられる。
母親の意志や感情は、夫婦には持ち込まれず、夫の両親との同居が待っている。
母親の意志。
母親の感情。
人生の中に母親の存在はなく
父親に尽くす、育児、両親を見ることのみだった。
ほとんどの人が同じ生き方をしていたので疑うことはない。
私たち世代から考えたら
母親の生きている実感はどこで感じていたんだろうか？
とさえ感じるぐらい母親の感情はどこにもない時代だったのです。
そして、時代は流れ。
父権が薄れ亭主関白の態度は時代遅れとなった。
収入も増えて介護施設も増え
何も母親が見る必要はない風潮が流れてきました。
それを裏付けるのは
家族全体から個人を尊重した生き方が入ってきたからです。
亭主関白と同居の家族時代。
個人を尊重した自由な生き方時代。
私たちの親世代は
ふたつの時代を生きてきたのです。
ふたりの流れる時代にうまく乗っている人は、娘の生き方を尊重し応援する。
そして母親として娘にやってあげたいことを自然にする。
乗れない人はどれだけ大変だったか娘に主張する。
そう、自由の生き方が流れはじめると
我慢・犠牲・抑圧が際立つ。
際立つ感情から人生を犠牲にしたように感じて怒りや悲しみが襲いかかる。
さらに娘の生き方を見ると
意志や感情を自由に表現して生きている。
自由に表現する生き方をみては
私はどれだけの犠牲と我慢の上で生きてきたのかと主張して身内に吐き出す。
その我慢・抑圧のパワーは母親の根底にあったネガティブな感情。
ネガティブな感情の渦に巻かれて
娘はしんどさを感じるのです。
母親に近寄ればネガティブな感情を請け負ってしまう。
距離を取ろうとするが
母親はなんて親不孝な娘だと娘の罪悪感を刺激してくる。
今、母親との関係に悩んでいる人が増えています。
いとうゆうじでした。
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