中国人向け観光ビザ、発給さらに緩和、管理職でなくてもOK。 | 岡山裕治オフィシャルブログ

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政府は中国人向け個人観光ビザ(査証)の発給要件を一段と緩和する。官公庁や大企業の管理職を目安とする「職業上の地位」の要件の撤廃や、現在は15日間の滞在日数の延長を軸に検討し、7月中にも結論を出す。中長期的に増加が見込める中国人観光客を呼び込み、東日本大震災の影響から復調の兆しをみせている来日外国人数の本格回復につなげたい考えだ。


中国人向け個人観光ビザは団体観光ビザとは別枠で、個人として訪日する場合などに必要となる。現在は年収10万元程度(約124万円)以上の「十分な経済力」と「職業上の地位」が発給の要件。外務省や観光庁、警察庁、法務省など関係省庁は、この「職業上の地位」の要件をなくす方向で検討に入った。



併せて、日本での消費増につなげるため、旅程に応じて滞在日数を最大90日まで延ばす案も検討している。滞在日数延長については治安対策の観点から慎重な意見もある。
 政府は昨年7月、年収25万元程度以上だった「経済力」の要件を同10万元程度に緩めた。



全く日本政府が行うことには理解ができない。

中国人の富裕層が増える見込みがあったことは、早い段階分かっていたのに、今さら感と言える。


なぜ、日本政府は「通商白書」を発行しているのだろうか?

その中には、アジアを中心とする富裕層の動向もデーターとして記載されている。


例えば、私が修士論文の時に引用した事例から少しだけ考えてみたい。

以下が、その時に書いた内容である;


(4)中国を中心とする中間所得層の台頭

2010年におけるアジアの中間層は約9.4億人であり、中国5億人、インド1.9億人、その他2.5億人であり、2000年から約4.3倍の成長を続け、2020年までには中間層が約20億人の約2.1倍の成長を続けると予想される[1] 。世界人口の約37% を占める中国とインドは[2] 、かつて世界のGDP44.7%を占めており世界人口のシェアは両国で55.1%あり、まさに世界経済の中心であった[3]  



[1]
経済産業省「通商白書2010年」

[2] United Nations, World Population Prospect 2008.

[3]
アンガス・マディソン著・金森久雄監訳『世界経済の成長史 1820~1992年』東洋経済新報社,

2000年。 




つまり、日本政府自らがデーターを公表しておいて、そのデーターを有効活用していなかったという無能ぶりであろう。


そして、今頃になって、震災によって海外から来てくれるお客さんが減ったから、「最終手段」として、中国人におけるビザの緩和によって、お金を落としてもらおうと思っているのだ。そんな事をするほど、日本というブランドは確実に落ちていることが分かってくる。


さらに、旅行ビザで90日間のビザを発行できるのであれば、日本人にも同様なビザの待遇を中国政府に打診するという視点がないのが、今の日本の限界である。


日本人が中国に行くためには、15日間のビザという期間限定であることに、不満を感じている日本人は思っている以上に多いのである。例えば、私が中国人の奥さんの実家である湖南省まで、ローカル汽車に乗って、往復2日間も掛かってしまう。そして、彼女の実家に1週間滞在してみると、残りはたったの5日程度しかない。それでは、一体、その短い期間でどこに行けばいいのだろうか?


これを中国政府は、日本政府というような考え方をもっていれば、中国政府が思っている以上に日本人観光客は食いつくはずだ。立地的に適切な場所であり、日本人にとってみても「中国は海外」なのだから。


中国は「バブル経済」の真っただ中であることを理解しなければならない!そうなれば、初めからビザの緩和をすればよかったのである。それを「中国人だから」という変な枠組みで作ったから、何度も計画を変更せざる負えない状況になってしまったのだ。


さて、初めの問いに戻ってみたい。

日本政府は一体何のために、「通商白書」を発行しているのだろうか?