この今も実家の僕の宝物入れに入れてある、
孫悟空のフィギュアは、
30年以上前の僕がまだ幼稚園の頃、
近所のデパートのおもちゃ売り場で見かけたもの。

あの時の小さな僕は、
このフィギュアがどうしても欲しくて欲しくて、
お母さんにワガママを言ったけど、
でも値段が10000円とかだったので、
買ってもらえなくて。

それでもどうしても欲しくて欲しくて、
家に帰ってからも、
ずっとそれで泣き喚いて。

30年前の男の子たちにとっては、
当時リアルタイムで連載されていた、
ドラゴンボールはそれぐらいのヒーローで、
憧れの的で。

友達と公園で、
ドラゴンボールごっこをしたり、
戦いのポーズを真似たり、
かめはめ波を撃つ真似をしたり。

毎週ジャンプが出たら本屋さんに買いに走り、
毎週のアニメはテレビの前に座って、
1つ上のお兄ちゃんと、
始まるのをワクワクしながら待ち、

スーパーサイヤ人が初めて出た時には、
その格好良さに、
紙面にも画面にも惹き込まれ、

ドラゴンボールのメンコやカードが、
おまけで付いたお菓子は、
おまけばかりが目当てで、
食べきれずにお菓子が山積みになってしまって、
兄弟で怒られたり。

ドラゴンボールの新作ゲームが出て、
運良く手に入った時には、
家に帰ってから、
電源を付けて最初の画面が出た時には、
目をキラキラ輝かせて。

ドラゴンボールの映画も公開される度に、
必ず兄弟で全部見に連れて行ってもらって。
(今思えばお母さんは興味がなかっただろうに)

それより少し前になるけど、
ファミコンジャンプのⅠやⅡ。

両手首を合わせて捻じると、
悟空の声優さんの声で、
『か〜め〜は〜め〜波っ!!』という声と、
爆発音が流れるリストバンドのおもちゃ。

スーパーサイヤ人IIIが出た時に、
近所の文房具屋に走って、
プラ板(薄いプラスチックの板)を買って、
なぞり書きしてレンジに入れれば、
簡単に孫悟空のキーホルダーが出来たり。

今でもまだ『究極のゲーム』と言われている、
クロノトリガー。

僕ら世代にはドラゴンボールに、孫悟空に、
鳥山明先生に楽しませてもらえた思い出が、
多すぎる。

昨日の鳥山明先生の訃報に触れて、
ドラゴンボールと歩ませてもらった、
色んな幼い日の思い出が甦ってきて、

37歳にもなっているくせに、
ボロボロ、ボロボロ泣いてしまいました。

それだけ大切な思い出を、
全国、全世界の子どもたちに与えてくださって、
鳥山明先生、本当にありがとうございました。

この冒頭の孫悟空のフィギュアについては、

僕が泣き喚いた数日後、
朝起きて見たら、
枕もとに置かれていました。

『え!?なんで!?どうして!?』、
喜びと驚きが爆発する僕に、
母が言いました。

「お兄ちゃんがな、
『お母さん、祐二にあの、
ドラゴンボールのおもちゃ、
買ってあげてくれへんかな?』

僕の誕生日のおもちゃはいいからって」。

…30年以上経った今も、
この思い出とこのフィギュアは、
僕の人生の大切な、大切な宝物です。