荒川祐二&Teamスサノオです。

 

 

 

 

 

 

 



ス「またや…。


何回目やねん…。


何度も…何度も…」











スサノオさんは、

 

怒っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

それは連日報道されている、

 

10歳児虐待死事件を、

 

テレビで見ている時のこと。

また起きてしまった、

尊き『命』を、

 

蔑ろにする事件。

 

 



こういった報道を目にする度に、


スサノオさんはいつも、



見たことないほどの、

 

怖い形相になる。

 

 

 

 

 

 

 


あ「………。


…すいません…」

 

 

 

 

ス「…何や。


別にお前が謝ることちゃうがな」

 

 

 

 

あ「………。


…そうなのですが…。


…つい…」





ス「………」

 

 

 

 

あ「でも…、


諦めちゃいけないと思うんです…。


このまま指を加えていても、


何も変わらないとおもいますし…。



亡くなった魂も、


浮かばれないというか…」

 

 

 

 

 

 

ス「………。


前の時の話でも言ったけど、


今を生きる君たちにとって、


こんな痛ましい事件が起きる度に、



大切なことは、


『忘れへんこと』や」

 

 

 


 

 

あ「…はい…」

 

 

 

 

 

 

ス「人はみんな見えない糸で、

 

繋がっているから…。

 

悲しむだけでなく、

 

今の自分に出来ることを…。

 

 

嘆くだけでなく、

 

今、自分の大切な人を、

 

大切に…。」

 

 

 

 

 

 

あ「………。


…それだけでいいのでしょうか…。



繰り返すこの現実に、


何だかそれすらも他人事で、


無責任に聞こえてくるというか…」

 

 

 

 

 

 

ス「………。


お前な、それは違うで。



悲惨な出来事が起きた時、


痛ましい事件が起きた時、



その闇や責任を過度に感じて、


自分がすべて、


引き受けようとする必要はない。



それこそ、


『偽善』というものや」

 

 

 

 

 

 

あ「………」

 


 

 

 

 

ス「…そう思うのなら、


お前自身がもっと大きく闇を照らすような、


気高き光となれ。



立派な天命のもとに生きた、


気高き魂に祈りを捧げ…、



お前自身も光溢れる…、


魂と…なれ…」

 

 

 

 


 

 

・・・スサノオさんは、

 

泣いていた。

 

 

 言葉を発しながら…、

 

泣いていた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

ス「かつてこの国で起きた…、


痛ましい戦争…。



その時自らの命を、


未来のために捧げた、


気高き10代や20代の若者たちがいた…」

ス「…若くして散った彼らの命は、

決して無駄になったわけではなく…。


時代を経て今も、

語り継がれ、


争いの悲惨さを、

その無益さを、

この世に伝え続けている…。


その気高き魂は、

平和の礎となり、


今も現世で生き続けている」







あ「……」

 

 

 

 

 

 

ス「同じように…、


悲惨な事件が起きたからこそ、


痛ましい事件が起きた時こそ、



そこには…、


これからの未来を案じて、


亡くなっていった…、



気高き魂がそこにいることを、


いつまでも、いつまでも…、


忘れないでいてほしい…」

ス「現世に於ける、

この不幸の連鎖を止めようと、


気高き勇気を持って、

天より舞い降りし魂の勇者たち…。


時に神より気高き、

その魂に、

永遠の祈りを…」






あ「………」






ス「…ただその魂が存在したという、

その意味を為すことは、


後世を生きる者たちが、

そのバトンをどう受け継いでいくかに、

委ねられている…。


だからこそ、

その魂が、

安らかに鎮めるように、


一人一人が、

小さくとも、

その日々の行動に変化を…」

 

 



 

 

あ「………」

 

 

 







 

ス「………。


…でも…もう…、


こんな事件…見たくない…よなぁ…。



君ら人間はみんな、


俺たち神にとっても…、


大切な、大切な…、


子どもたちやねんから…。



子どもたちにはいつまでも…、


いつまでも…、


ニコニコと笑っていてほしいよなぁ…。



なぁ…。


なぁ………」


 

 

 

 



 

…。

……。

………。

…………。

 



 

 

 




『みんな制度が変われば、


人が変わると思ってしまうけど、



でも実は先に人の心が変わって初めて、


その空気が伝播していくことで、



現象として、


適切な制度が作られていくねん。 

 

 

そのためにまずは、



自分が自分のまわりの、

 

大切な人を大切に。

 

 

そうしてやがて、

 

固まったものが、

 

削ぎ落とされていくように、

 

 

街の空気が変わり、

 

人の気持ちが変わり、

 

 

やがてその結果として、

 

政治や行政の仕組みも変わっていく」

 

 

 

 

 

 

『でもな、

 

信じて一人一人が、

 

積み重ねていくのなら…、

 

 

いつか時代が変わる時が来る』








…昨年6月にも、


目黒で痛ましい事件が起きた時に、



スサノオさんは僕らに、


そう言った。

一人一人が、

大切な人を大切に。

 

 

 

 

 

 

 

目の前の一人への愛情が、


これからの未来への、


種蒔きであることを忘れず、


 

その一つ一つの積み重ねが、


いつの日か、

 


未来を変えていくことを、

 

夢見て。

 




 

 

 



『今自分に、出来ることを』。


2019年2月6日 荒川祐二