荒川祐二&Teamスサノオで~す☆

(※今日のブログは長いから、時間ある時にゆっくり読んでね☆)







『スサノオと瀬織津姫を巡る旅』。

※これまで掲載済みの話はこちら☆

1話目,『歴史の闇に葬られた女神』

2話目,『新たなる伝説の始まり』

3話目,『瀬織津姫が封印された時』

4話目,『瀬織津姫が愛した神』

5話目,『ニギハヤヒとは何者か?』

6話目,『瀬織津姫…が…現れた…?』

7話目,『瀬織津姫信仰の始まり』

8話目,『イワナガ姫の登場と新たなる謎』

9話目,『神話の裏側を見るということ』

10話目,『再開の音色が響く時』

11話目,『なぜ瀬織津姫を巡るのか?』

12話目,『バカなりに頑張るの巻』

13話目,『封印されし強すぎた神、再び』

14話目,『吉野の地に吹く風』

15話目,   『史上最悪の女帝』

16話目,   『天照という名のニギハヤヒ』

17話目,   『女神アマテラスと男神アマテル』

18話目,   『アメノウズメさん?が登場!』

19話目,   『感じる力を養う』

※イラスト from 瑠璃の星☆ミさん

 

前回、前々回の話で、

 

『謎の神』ニギハヤヒは、

 

32柱もの神さまを引き連れて、


この地上に降臨したということを知った。




その32柱の中に、

 

アメノウズメさん、アメノコヤネさんを始め、

 

何柱か知っていた名前の神さまがいたものの、

 

 

『古事記に登場するアメノウズメ』としての

 

知識はあったとしても、

 

『ニギハヤヒの随神としてのアメノウズメ』という、

 

 

知識が無かったため、

 

普段と感じの違うウズメさんを訪れても、

 

全く相手にしてくれなかった。

さて、どうしたものか…?





『どうしたものか』と言っても、

 

しかし今の僕には、

 

その32柱の神々を追うことぐらいしか、

 

 

『謎の神』ニギハヤヒに至る、

 

手がかりがない。

そう思って上記のような、


チンプンカンプンな名前の神さまたちを調べていくと…。






あ「…ん?」







一柱だけ、

 

どうにも引っ掛かる神さまがいた。







あ「スサノオさん」

ス「ん?」





あ「この神さまって、

 

古事記にも出てくる、


『あの』神さま?」





ス「…ん?

 

…あぁ、そやで」





あ「ほうほう…」







そんな微妙なやり取りを経て、

 

 

僕らは、

 

その『あの神様』の待つ、

 

『ある場所』へと向かった。

そこは東京から上越新幹線と、

 

地元の『弥彦線』を乗り継いで、

 

約3時間。

 

 

新潟県は弥彦村にある、

 

『彌彦(いやひこ)神社』。

この場所に、『あの神さま』はいる…。




その名は…、

 

『天香山命(あめのかごやまのみこと)』。

そう、ニギハヤヒに付き従った32柱の神のうち、


一番最初に名前があがっていた、


神さまの名前だった。






…なぜ僕が、

 

この『天香山命(あめのかごやまのみこと)』のことが、引っ掛かったか。






それは、

 

先程の由緒書きに記されている、

 

『天香山命(あめのかごやまのみこと)』の別名にある。

…そう。

 

『高倉下命(たかくらじのみこと)』という、

 

名前に覚えがあったからだ。







ス「どうせお前のことやから、

 

『覚えがある』とか言ってもあれやろ」





あ「…えぇ(笑)


まぁ…あれですね…(笑)






…。

……。

………。

…………。






あ&ス「『宝くじ』みたいな名前やな」

あ&ス「クックック…(笑)」





あ「…って、はっ!!

 

こんなボケをしている場合ではない!!

 

 

宝くじ…ならぬ、

 

『タカクラジ』さんに会いに行かねば!!」







ス「何やお前『タカクラジ』のこと、ちゃんと知ってんのか?」







あ「もちろん!!

 

ちゃんと知識は蓄えてきましたし、

 

 

正直お名前以上に、

 

そっちの知識の部分に印象があったから、

 

覚えているというのもあるのです。

 

これ、本当に

 

 

 

 

ス「じゃあ。なんや?

 

『タカクラジ』について聞かせろ

 

 

 

 

 

 

あ「…えっとですね…。

 

タカクラジさんこと、

 

『あめのかごやまのみこと』。

 

 

実はこの方、

 

ニギハヤヒさんの息子さんですね





ス「マジ!?!?

 

って別に知ってるけど(鼻ホジー)。

 

続けろ」





あ「(何やねん…笑)

 

ニギハヤヒさんの天孫降臨に従って、

 

この地上に降りた後、

 

そのまま紀伊国(現在の和歌山県周辺)に移り住み、

 

 

その地で初代神武天皇の命の危機を、

 

救ったという伝承があります」





ス「ふむ…」





あ「これは古事記にも書かれていますが、



神武天皇が東に向かっている時に、

 

熊野の地で悪神の毒気によって、

 

軍勢もろとも、瀕死の危機に陥った。

 

 

その時突如として現れた、

 

タカクラジさんが神剣を神武天皇に授けると、

 

意識を取り戻し、

 

気絶する前より、強力な力を得たと言います。



そしてその後神武天皇は宿敵を倒し、


先に天からこの地に降りていたニギハヤヒさんから、


この国を譲り受けたと読み取れるように、


古事記や日本書紀を始めとする神話には書かれてあります

※神武天皇イラスト from 神訳古事記

ス「………」





あ「その後ニギハヤヒさんは神話から姿を消し、

 

 

一方タカクラジさんは、

 

ここ(彌彦神社)の

 

由緒書きにもあるように、

 

大和の地を平定した神武天皇からの、

 

勅命を受け、越国(現在の福井県敦賀市から山形県庄内地方周辺)へ。

 

 

この地で開拓に従事した神さまだと知りました」







ス「で、それの何がお前の、

 

心に引っ掛かったわけ?」







あ「だって、何かおかしくないですか?

 

 

ニギハヤヒさんの息子として一緒に降臨してきたのに、


神武天皇を助けて、その部下になるって…」





ス「何がおかしい?」





あ「古事記や日本書紀といった神話が、

 

以前言ったように、

 

もし天武天皇や持統天皇が、

 

自分たちは最高神アマテラスから神武天皇に受け継がれてきた、

 

偉大なる血筋であるという権威づけをするために、

 

作ったという要素が、

 

多少でももしあるとするならば…。

 

 

その天武天皇と持統天皇の祖先でもある、


神武天皇を救ったという伝説を持つタカクラジさんは、

 

 

神武天皇の前にこの国の王であったとも考えられる、


ニギハヤヒさんにとっては、

 

裏切り者じゃないの?って…





ス「………」







あ「しかもそのタカクラジさんは、

 

ニギハヤヒさんの息子って…。

 

そこの部分がいまいちよく分からなくて…」







ス「…まぁそこまで分かってるんやったら、

 

ええやろ。

 

後はタカクラジに聞いてみればいい







…スサノオさんの

 

その言葉に従い、

 

僕らは彌彦神社の拝殿前に立つ。

この地は背後にそびえる弥彦山をご神体としており、



ここも奈良県の大神神社と同じように、


山全体がご神域になっている。





ペコリ、ペコリ、パンパン、パンパン、ペコリ。

(二礼四拍手一礼)




 

弥彦山を見据え、

 

そして改めて、

 

拝殿の前に立ち、

 

心静かに参拝をする。








…そして…?









彌彦神社の守護神、

 

『あめのかごやまのみこと』こと、

 

タカクラジさんがその姿を現した。

※イラスト by AYUMI

 

タカクラジ「………」





あ「こ、こ、こ、こん、にちは…。

 

は、初めまして、荒川祐二と、申します…」





ス「何を緊張しとんねん、ドアホ」





あ「い、いいや、だだって、

 

ニギハヤヒさん周辺の神さまって、

 

結構怖いイメージが…」





そうやって少し恐れる僕に、

 

タカクラジさんは、

 

ゆっくり語りかけるように言葉を発する。





タカクラジ「こんにちは。

 

荒川さん、スサノオさん、

 

お噂は聞いてますよ」







思っていた以上に、

 

物腰柔らかく優しい語り口調に、

 

少しだけ安堵の気持ちが、

 

心に広がる。







…しかし…?







あ「う、う、う、噂ですか…?」





タカクラジ「えぇ、何やらスサノオさんと、

 

ある人間の方が、

 

ニギハヤヒ様と瀬織津姫様のことについて、

 

調べてまわっていらっしゃると。

 

 

アメノシタハルのところにも、

 

行かれたでしょう?」

あ「あ…。は、はい…。

 

そういうのって人間と同じで、

 

すぐに出回っちゃうんですね…」









タカクラジ「もちろん神々にも情報網はございます。

 

ただその上で敢えて、貴方に聞きたいことがある」








タカクラジさんが物腰柔らかい態度から一転、

 

ピシャリとそう言うと、

 

突如として空気が張り詰めたようになった。




あ「は、はい…」









タカクラジ「なぜ、ニギハヤヒ様と瀬織津姫様を追う?」









あ「………」







タカクラジ「神にまやかしは通じぬ。

 

その心の内を正直に話すがいい」







そう言われると同時に、

 

全身から拭き出る汗…。

 

 

決して悪いことをしているわけではないのに、

 

焦り出す心が止まらない…。





ス「おい」





あ「は、はい」







ス「固くなるな。

 

いつも通りお前の考えていることを、

 

正直に答えればいい。

 

 

安心しろ。

 

それが最初から間違っているようなら、

 

俺はこうして今も、

 

お前の傍にはいない





あ「は、はい…」




タカクラジ「………」







…そうして再びの少しの沈黙のあと、

 

僕は意を決して言った。







あ「僕は…正直に言うと…、

 

瀬織津姫さんやニギハヤヒさんの封印を解除したいとか、

 

そんなことを思っているわけではありません」




タカクラジ「…ほう…」





あ「僕は今、この時代を生きていることに、

 

感謝をしています。

 

自由で安心して過ごせる、この国の『今』に…。

 

 

この旅で学んだことですが、

 

それはきっと今日に至るまで数えきれないほどの先人たちが、

 

築き上げてくれた血と汗と涙の、

 

礎の上にあるものだと思うのです…。

 

 

それは天武天皇も然り、

 

持統天皇も然り…。

 

その先に存在していたのであろう、

 

ニギハヤヒさん、瀬織津姫さん、アマテラスさん始め、

 

すべての神々も…」




タカクラジ「………」







あ「…ただ、それが歪められて、

 

答えの無いまま憶測と憶測が、ぶつかり合う現実が心苦しいだけなんです。



この歴史上の積み重ねは、


決して、どちらか一方が悪いという話ではない。



ただ現状どうしても、


今を生きる人間の間で


善と悪の理論が働いてしまっている。

 

 

そのことに対してきちんと、

 

『一体どういったことがあったのか?』、

 

『なぜ封印をする必要があったのか?』、

 

『そしてそこには、どういう出来事があったのか?』。

 

 

そういった一つ一つを、

 

当時の事実までは知り得なくとも

 

極力の努力と出来る限りの理解の上で、

 

僕なりの答えを伝え…」




タカクラジ「………」









あ「…これからの未来で、

 

それぞれが謎多き瀬織津姫やニギハヤヒさん、

 

そして持統天皇、天武天皇といった存在に対しての、『判断』をしていく。



僕はその、


皆さんの思考のための、


知識となり土台となる、


一つの『礎作り』をしていきたいと思っています。

 

 

…それが、

 

僕がこの瀬織津姫さんとニギハヤヒさんを、

 

巡る旅に出ている理由です」





タカクラジ「………」









…どれだけの時間が経っただろうか。


長すぎるぐらいの、沈黙の時間が過ぎ…。








タカクラジ「…しかと、受け止めた…」








あ「…は、はい…」







タカクラジ「瀬織津姫やニギハヤヒという神々に対して、


多種多様な認識が広がる中で、

 

そのような心意気を持って生きることに、

 

敬意を表する。

 

 

その道に誤りがないことを、

 

このタカクラジが保証する」







あ「あ、あ、あ、ありがとう、ございます…」







ス「おぅ、良かったな。

 

これでタカクラジに、

 

心置きなく質問出来るやろ。」





タカクラジ「どんなことでも仰せのままに」





あ「え、あ、は、はい!

 

あ、ありがとうございます…!

 

って、急に言われても…。



あの、タカクラジさんは敵ですか?味方ですか?





ス「お前、一回落ち着け(笑)

 

なんやねん、その支離滅裂な質問(笑)」





あ「す、すいません…(汗)

 

あの、神武天皇の味方なのか?

 

ニギハヤヒさんの味方なのか?という話なのですが?







タカクラジ「…本来神に、

 

敵や味方という概念はありません。

 

より良き世界のために、

 

それぞれが時代に応じて、

 

必要な役割を担っていく。

 

 

それが『八百万の神』というものです。

 

そしてそれは我が父、

 

ニギハヤヒも然り…」







ス「神武に可能性を感じ、

 

『神武なら』と思ってタカクラジも力を貸し、

 

『神武なら』と思ってニギハヤヒも、

 

国を譲ったということやろう






タカクラジ「…そういうことです…。

 

封印した、されたというのは、

 

主に神話が作られた後の時代のことです。

 

 

神の時代にそんな駆け引きはありません」







あ「あ、ありがとうございます…。

 

じゃ、じゃあもう一つだけ聞きたいんですが…。

 

 

ニギハヤヒさんとは、

 

一体どういう神さまなんでしょうか…?







タカクラジ「それは貴方が、

 

『感じた』ままが答えです。



おおよその話をしている感覚ですが、

 

貴方が恐らく持っている、


ニギハヤヒという神に関する、

 

知識と大体の感覚に、


大きな間違いはございません。

 

 

その知識と感覚の上に、

 

貴方がニギハヤヒという神を照らし合わせて、

 

明確に『感じて』、描くもの。

 

それが答えです」





あ「やはり、『感じた』もの…ですか…」





タカクラジ「はい。

 

その上で、1つだけ申し上げるならば…





あ「?」







タカクラジ「あのお方…、

 

ニギハヤヒ様の力は見くびらない方がよろしい。

 

『封印した、された』などと、

 

そんな小さなことで、

 

抑え切れるほどの神ではございません。

 

 

『この世の始まりを告げる神』。

 

 

それがニギハヤヒという神であるということだけは、伝えておきましょう」







…。

……。

………。

…………。







自分自身の進む道への確信と、


大きな収穫を胸に、



彌彦神社の守護神、


タカクラジさんを巡る旅は幕を閉じた。

『この世の始まりを告げる神』。







ニギハヤヒに関するその言葉は、


一体何を意味しているのか?







これまで得た知識の上に、

 

『感じる力』を組み合わせ、





いよいよこれからニギハヤヒという神の、

 

核心に迫る時がやってくる。

※イラスト from 瑠璃の星☆ミさん


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※携帯の調子が悪くて、今日のブログの画像は一部、以前に行った時のものを使用しています☆