川崎2010プランの策定構想検討委員の一人として策定委員の一人として横浜市営地下鉄3号線の延伸を機会のたびに発言してきました。

市長が平成13年の11月に阿部市長へと変わりました。市長は選挙を通じて組合出身職員上がりの市長では川崎市が財政再建団体におちいるとのことで当選をされてきました.
いわゆるネガティブキャンペーンの展開だと思われます。しかしながら行財政改革の断行の姿勢は貫き従来事業や市民サービスの転換などの見直しにも手をつけました。

その最大の象徴が川崎縦貫高速鉄道でありました。起債の償還額と時期に注目され研究会で対応について検討するとしていました。

「◎市長(阿部孝夫) 川崎縦貫高速鉄道線を中止した場合の影響についてのお尋ねでございますが,国との関係では,川崎市として国に要望してきた事業でございますので,既に交付された国庫補助金について,国への返還を求められる可能性があるほかに,万一,休止等の場合には,今後,再度の事業展開を図ることについて非常に厳しい状況が生じるものと思われます。」

以上の答弁から休止をした場合は事実上再開については無理であるとの認識をはっきりお持ちであったといえます。


平成14年 第3回定例会-1008

24番(雨笠裕治)  それでは次に,本市の鉄道事業に対する考え方について伺いたいと思います。特に要望路線でございます。今を去ること,もう10年前になりましょうか,私は2010プランの策定構想検討委員の一人でありました。200人ぐらいが当時,日航ホテルに一堂に会しまして,これからの2010プランをつくる御意見をお寄せいただきたいということで集まりましたが,なかなか御意見はお寄せをいただけなかった現状が,まだ自分の中で覚えております。しかし,そのときに私は申し上げたことが1つだけあります。私を含めて2人ぐらいの方しか物を言われなかったかもしれませんね。私は,むしろ今の鉄道事業で言えば,優先順位の第1にあるのは,広域行政を考えると,横浜市営地下鉄3号線のあざみ野から新百合ヶ丘への延伸ですよ,こういうことをその席上で言いました。それから,従来も何年かにわたってこの市営地下鉄3号線の延伸を訴えてまいりましたが,残念ながら――残念ながらと言ってはいけないかな,いろんな方がいらっしゃるから。川崎市のプライオリティーは,優先順位はやはり川崎縦貫高速鉄道であるというふうなフィックスのされ方が来て,今日まで来ております。
 そこで,あきらめ切れないので,最も国のシステム等を御存じの,熟知をされている市長さんに,若干私の知識の足りない点を,何点かお聞かせをいただきたいと思います。まず1点は,本市の鉄道事業に対するプライオリティーについては,市長の認識に今現在,就任前と就任後,この認識に違いはないのかどうか,まずこれを1点,お聞かせをいただきたいと思います。

◎市長(阿部孝夫) まず,鉄道事業のプライオリティーについてのお尋ねでございますけれども,運輸政策審議会の答申第18号によりまして,川崎縦貫高速鉄道につきましては開業すべき路線,東海道貨物支線の旅客線化及び川崎アプローチ線につきましては検討路線,横浜市営3号線の延伸につきましては整備着手路線という位置づけがなされております。したがいまして,整備順位につきましては,業務核都市の骨格交通軸を形成し,都市機能の強化育成に資する川崎縦貫高速鉄道が現実的には第1位ということになっているわけでございます。以上でございます。

24番(雨笠裕治) 御認識は変わらないということでございます。
 そこで,どの路線も市民からの要望によって国へ申請したものであります。そこで,重要とするならば,国との関係というのは,好むと好まざるとにかかわらず,特に注意をしなければいけないというふうに私は考えています。今,高速道路など国のシステムが変化しつつある中で,鉄道事業への国の補助金について,市長は将来を見据えたときに率直にどう思われていらっしゃるのか。プランにも書かれています。三位一体で,国庫補助負担金,さらには地方交付税,それから移譲財源,こういうものを含めて――この間,片山総務大臣も改造内閣後のコメントで,来年の6月までには大方のビジョンを示したいということを言っておられました。これはテレビで見ました。
 それから,もう一つ特筆すべき大きな変化というのは,7月22日だったですかね,小泉首相がその閣議をまず中止にするということで,8月1日以降の事務次官人事については内閣の承認をなくしては認めないんだと。今までの現行どおりの年功序列のような人事は認めませんと。こういった,実は官僚機構から主導権が,見えないところでなんですけれども政治家の方に移ってきているという部分があって,非常に不確定な要素があるんです。ですから,国の関与というのはこれからどうなるか,不確定な要素なんですが,実はここのところが残念ながら現状では非常に重要な部分がありますので,市長さんの率直な御意見がありましたらお聞かせをいただきたいと思います。以上です。

◎市長(阿部孝夫) 鉄道事業への国の補助金等の対応についてのお尋ねでございますけれども,鉄道建設事業は膨大な建設事業費が必要となるのは御承知のとおりでございます。国においてはいろいろと揺れ動いているようでございますけれども,本市におきましては国からの補助金は不可決でございますので,国に対して積極的にお願いしてまいりたい,そのように考えております。以上でございます。

24番(雨笠裕治) そういう御回答,御意見でございますね。
 そうしますと,仮に事業化している現在の第一順位路線が中止となった場合,国からのペナルティーはどうなるとお考えか。また,他要望路線への影響はどうなると考えていられるのか,お答えをいただきたいと思います。

◎市長(阿部孝夫) 川崎縦貫高速鉄道線を中止した場合の影響についてのお尋ねでございますが,国との関係では,川崎市として国に要望してきた事業でございますので,既に交付された国庫補助金について,国への返還を求められる可能性があるほかに,万一,休止等の場合には,今後,再度の事業展開を図ることについて非常に厳しい状況が生じるものと思われます。また,鉄道整備につきましては,運輸政策審議会の答申に基づいて,国の補助枠の体系などが構築されているということもあろうかと思いますので,運輸政策審議会答申第18号を基本としますと,整備順位が最も高い,いわゆるA1路線を中止して後順位のA2路線等に振りかえるということにつきましては,大変厳しい対応が求められるものであると考えております。
 いずれにいたしましても,これら国との関係や,本事業による財政負担が一般会計に及ぼす影響などを総合的に検討して,判断していかなければならないと考えておるところでございます。以上でございます。

24番(雨笠裕治) 国との関係というのが非常に微妙な部分で,なかなか議会の場では言えないようなこともあると思うんです。しかし,既に秋のヒアリング等を控えて,今回の議会でも出ましたが,大師線の連続立体事業などは,あれは街路事業ですから,実は,国の方では――私も何人か友達がいるので――立体化事業をCアンダーバーにしたことによって,国交省からはかなり厳しい意見が出ているということを伺いました。この間,あるところで飲んで大論争になったんですけれども……。そんなことまで国が出張ってくる必要がどこにあるんだというふうには言ったんですが,しかし,現実はそうでありますし,特に都市再整備の緊急地域に指定をされました。その中には東海道貨物支線の客車化,こういう問題も出ていますね。それから街路事業の部分で言えば,都市計画道路なんかも街路事業で行いますので,やはりこの高速鉄道について何とか頑張っていくというふうなことをおっしゃっていただいていますが,今影響はあるんだが,それを何とか頑張る手だてはしますよということは今お答えいただきましたが,失礼なんですが,その根拠というのは市長さんはどうお考えになるのか,お示しをいただきたいと思うんです。

◎市長(阿部孝夫) 他の路線への影響等についてのお尋ねでございますけれども,国におかれては,補助金の配分等につきましては,地域の実情を十分配慮した対応がなされていると考えております。本市の置かれている厳しい財政状況や行財政改革に向けた取り組み等については,十分に御説明をすることにより,大所高所の見地から御理解がいただけるものだと思っております。以上でございます。