役所という組織はいつの間にか決定したと思われる政策があやふやになってしまうことなどもあります。この質問などは行政計画上は中身まで決定されておりませんのでこういった危険性の最たるものだといえますしつこく念を押して攻めに攻めておりました。

当時の議会では川崎縦貫高速鉄道の議論がやはり主流で孤軍奮闘であったことを良く覚えています。

 

平成10年 予算審査特別委員会-0310

雨笠裕治 委員 ぜひ,そういった細かい点もお願いをしておきたいと思います。
 さて,先ほど新都心の風格といいましょうか,新都心のこれからのあり方に寄与する行政の施策,これについて,鉄道整備がございます。本市の鉄道整備は,第一義的に川崎縦貫高速鉄道,これがあることはわかっています。しかし,鉄道整備のあり方にはこれを含めて4路線載っているんですね。私は3路線かなとも思うんですけれども,4路線だということですから,4路線というふうな認識しておりますけれども,例えばこれから運輸政策審議会が始まります。諮問をされますよね。それで川崎市は答申を受けます。そのときに非常に心配しておりますのは,一地方都市が国のそういう諮問機関に対して何本も鉄道を通してくださいというふうにアプローチをするのはマイナスであるというふうな考え方,そういう風潮をお持ちで臨まれると,我々は非常に迷惑だということであります。つまり,4路線があるならば,その聞き取り調査,国は勝手にやるわけじゃないですから,国は川崎市さんどうですかと必ずヒアリングをされますね。そのときに,川崎市さん,一番はどうなんですか。4路線提示をされていますよね。でも,川崎市さんとして一番はどこですか。これはもうだれが聞いてもおわかりのとおり川崎縦貫高速鉄道です。これは間違いない。しかし,だからといって,そのほかの3路線が必要じゃないというふうには私は考えてはいけないと思うんです。
 そこで,私ども,新都心の風格として必要だと思いますのは,横浜市営地下鉄3号線の延伸問題,これはただ単に麻生区1区の問題ではないですね。新都心というのは,一番いい経済効果は鉄道や交通の連結点です。これが一番経済効果を生む。これは町づくりの基本中の基本ですね。私もそうやって学校の先生に教わりました。しかし,こういったことの中で多くの経済効果が期待できるのと,それから,今苦しんでいるマイコンシティ,マイコンシティに一番の特効薬は何でしょう。ちょっと時系列的に言うと10年度で清算をしなければいけないですけれども,マイコンシティ,川崎市にも横浜市にも新宿にも近い立地,こういう研究施設,これは私は魅力だと思いますね。そのためにも,1度運政審の答申を受けると,その次の運政審の答申まで15年ぐらいかかるんですね。ということは,この横浜市営地下鉄3号線の延伸の問題を,ぜひそのほかの鉄道整備事業のあり方と同じように,今回,鉄道問題の考え方に入れていただいていますから,これ全部を公平にヒアリングのときに出していただきたいと思うんです。それから,積極的なアプローチを展開していただきたいと思いますが,これについてお答えを伺っておきたいと思います。

◎井上裕幸 まちづくり局長 横浜市営地下鉄3号線の延伸についてのご質問でございますが,本市では,ご案内のとおり,過年度に学識者等で構成いたします川崎市公共交通計画調査委員会,こういう調査委員会がございまして,21世紀における川崎市の鉄道整備のあり方,こういうことで取りまとめをいただきました。この中では,整備の優先順位第1位といたしまして,ご指摘にもございましたが,川崎縦貫高速鉄道,そして第2の順位といたしましては,これもお話がございました横浜市の高速鉄道3号線の延伸を含めましたその他3路線,東海道貨物支線等々が入ってございます。そういった中で,これらにつきましては,財源及び採算性の確保,これらの課題とあわせまして報告がなされているところでございます。今後,こういった報告等に基づきまして十分検討いたしまして,市の考え方をまとめ,次期運輸政策審議会等へ所要の働きかけを行ってまいりたい,このように考えているところでございます。以上でございます。

◆雨笠裕治 委員 まちづくり局長さんのお答えでは,そのあたりはきちっと公平に出すところは出し,主張すべきは主張する,こういうお答えだと思います。市長と以前お話をさせていただいたときに,確かに鉄道事業というのは時間がかかるよと。だから,あらゆる機会をとらえてパラレルに考えなければいけない,これは市長もおっしゃっていました。しかし,こういう大規模事業を見直せ,見直せというふうな論調になっているときですから,非常にこういった財源問題との裏づけはどうするんだというふうな話では,私は厳しい問題だと思います。しかし,1度運政審にのらなければ,何回かこの質問をさせていただきましたが,たびごとに運政審にはのらない,のっていないから,まだそこから先の検討はしない,こういうお答えをいただいてまいりましたのも事実でございます。
 そこで,納助役さんとも先日ちょっとある機会があってお話をさせていただきました。そのときに実は私は非常に不安になりましたのは,一つの都市があれもこれもと言っていいのだろうかというふうなご認識の発言だったのか,私は助役さん本人じゃないですから,そういうことでお話しされたんじゃないかもしれません。しかし,私には少なからず,失礼ですけれども,そうとらえられることができたんですね。私はとらえてしまったんです。非常に大切に思うばかりに,消極的なご発言だったのかなという気がいたしました。私は,今まちづくり局長がお話をされましたが,主張すべきは主張すべき,そして,その中でのらなければ,またのる努力を考えるべきと思いますが,担当の助役さんとして,国のいろいろなシステムも熟知をされている助役さんとして,ぜひこの川崎の鉄道事業のあり方の運政審への取り組みのアプローチ,お聞きをしておきたいと思います。

◎納宏 助役 次期運輸政策審議会への取り組みについてのご質問でございますが,運輸政策審議会ということで,国の審議会でございますので,私どもからその扱う事案について口を挟むことはできないわけでありますが,先ほどまちづくり局長が答弁申し上げましたとおり,私といたしましても,先般専門的見地から検討いただきました調査委員会の報告書がまとまっておりますので,こういったものに基づきまして市の考え方をまとめ,次期運政審等へ所要の働きかけを行ってまいりたいと考えております。以上でございます。