2025年度の支援者・保護者のための性教育セミナーが、9月28日に41名の参加で開催されました。講師に特別支援学校で性教育に精力的に取り組まれている高樹あかねさんをお招きし、「今も未来も自分らしく生きるために!~不安を安心に変える包括的性教育~」と題して、講演をしていただきました。
高樹さんは、子どもたちや保護者を悩ませている性的な問題行動について、「人への関心の芽生え」「ふれあいを求めるサイン」かもしれないとして、まずは身近な大人は、子どものありのままの感情を当たり前と受け入れて、共感する関わりを繰り返し行うことで、子どもの感情制御の脳機能を育てていくことが大切であると指摘されました。また、心地よいふれあい文化の体験は、子どもや親、支援者に安心、快の記憶として刻まれ、合法的なふれあい文化が豊かに保障されている学校や施設では、少しずつ相手との適切な距離が取れるようになっており、日常生活で取り組める生活年齢に合った豊かなふれあい文化を、それぞれの子どもたちに合った形で取り入れて欲しいと話されました。
性教育実践の報告では、ふれあい文化のひとつとしての静的弛緩誘導法「てゆび体操」を、動画を交えて紹介してくださいました。また、男の子のトイレ指導、女子会と銘打った月経指導の実践や創意工夫を凝らした数々の教材は、とても参考になり青年セミナーでも取り入れてみたくなるものばかりでした。
性教育を始めるうえで、性についての考え方、セクシュアリティーが異なるため指導者全員の合意を得るのは難しいが、一致できる、出来そうなところから、出来そうなスタンスで、みんなで学びながら教材をつくり進めて行ってくださいと、参加者に向けてエールを送っていただきました。
講演後の交流会は、年齢ごとの4グループに分かれて行われ、困り感は学びのチャンスと捉え、集団での学びを行うことが大切であり、学校、事業所、地域の中など様々な場で担い連携することが必要だと話し合われました。
(文責:松川里美)