暑い暑いと言っていた夏も、ひと雨ごとに涼しく感じるようになってきました
8月のゆいの会は、保護者、特別支援学校職員、障害者施設職員、ボランティアをされている方とバラエティに富んだ参加者14名の皆さんとでにぎやかなひとときを過ごしました。
まずは東さんから、全障研第45回全国大会 「障害のある人の性と生」分科会報告です。
★七生「こころとからだの学習」裁判経過報告・・・日暮かをる(東京)
★「女の子ぎゅーしたいの。」源剛志(京都)
★「知的障がいの成人男性の性と生に関する悩みへのアプローチ」高木伸斉(滋賀)
全障研大会の性にかかわる分科会は大変盛況で、どの分科会も充実した討論がされたそうです。
性教育には、心を育てるという視点が必要でそのためにはたくさんのアプローチがあること、科学的な性の知識をどのように学かに加え、愛着形成不全や暴力の加害と被害の後遺症、それにそれぞれの機能障害による支援の難しさがある。暴力にさらされた人間関係と性の中で生きてきた子どもたちや大人たちに、自己と他者への信頼をどのように再獲得させていくのかが課題。ロールプレイや演劇の方法の有効性やグループ活動の重要性も確認できた。と報告されました。
次に、参加者の自己紹介のあと、参加者から出された事例検討をしました。
(事例)
虐待を受けて育った高等部女子。男子に非常に興味があり、複数の男子にちょっかいを出している。リストカットもしている様子。話をすると「死にたい。どうして生きているのか。」と話したりする。どのように関わればよいか。
(討論)
この女の子の本当の願いを探る。満たされない思いを、男子とふれあうことで解消しているのではないか。彼女が信頼して話ができる人はいるのか。本来は母親に認めてもらいたいのだろうが、母親の実情から難しいとすれば、母親に変わる誰かがその代わりになれるといい。あなたのことを大切に思っていることを伝えていくこと。
学校の活動で、生徒会や部活動などを経験させて、周りに認められ自信がもてるような経験を積んでいく。
言葉で何かするというより、心を磨いていくこと。
時間はかかるが、あなたはあなたとして生きていけばいいと伝えること。
(事例)
プライベートゾーンの話をしていて、「(粋な人がいて)いやじゃないなら、さわらせてもいいの。」と言われた。どう関わればいいのか。
(討論)
ロールプレイを通して、それがほんとうに良いことかどうか考えさせる。プライベートゾーンを自分以外の人に開け放つことはとっておきのこと。誰でもいいわけじゃない。ほんとに好きで、お互いに分かり合えてお互いの気持ちが確認できてこそできるもの。恋愛関係をもっと高めることをロールプレイで示してはどうか。
継続して参加された方から、経過報告をしていただきました。
性器いじりが気になる男子・・・成長の証しとてとらえることで、親がゆったり構えることが出来、心なしか回数も減ってきた。
虐待をうけた女子に対して・・・職員一丸で、温かく見守る体制を整えた。
ゆいの会に来ていただくことで、なんらかヒントを見つけて日々の生活に活かしていただくこと。それがゆいの会の最大の目的です。このような話をしていただくことは、運営している者にとって本当に励ましになります。
参加された方の今日の感想です。
○「ロールプレイ」は、一度やってみたいと思いました。子どもたちに聞いてみる、考えさせることはいいことだと思いました。職員からの一方的な押しつけにならないので是非試みてみたいです。心に響く言葉がたくさん出てきて、改めて自分を見つめ直すとてもよい時間になりました。自分自身の子育て、子どもに接する自分を振り返ることもできました。
○ゆいの会に参加されている保護者の方々がよかったと実感していただいていると聞き、私も嬉しいと思いました。虐待など、心に傷を持った子への対応には時間がかかという事に対して、すごく難しい課題だなと感じました。ロールプレイでできる事は、良く練った指導を考えできたらいいなと思いました。子どもの頃の虐待と過保護からの反抗は何が違うことってあるのか、個人的に疑問を持ちました。
○大きなテーマでしたがとてもためになりました。「はりねずみの様な子は時間がかかる」「子どもの頃にされた何気ないことでも子どもは傷ついている」など、納得する言葉がたくさんありました。本当にありがとうございました。
○問題の根は家族にあるものだと思いました。障害者であろうとなかろうと人は皆繋がっているんです。だから逃げないでやさしく真剣に取り組んでいくことが大切だと思いました。ありがとうございました。
参加された皆さんも、ありがとうございました