天皇の仕事は祈ること・・(渡部昇一上智大学教授)
渡部名誉教授らの意見は、たしか櫻井よし子らとともに日経に載っていたと思う。
まさに確信をついた一言だった。
有識者会議の的を得ない論議に終止符を打った。
天皇はその後、お気持ちを述べられてからトーンダウンされた。
渡部名誉教授よ。ありがとう。
陛下は記者会見に臨まれた。退位の意思を示唆された8月8日のおことばについて、「天皇としての自らの歩みを振り返り、この先の在り方、務めについて、ここ数年考えてきたことを内閣とも相談しながら表明しました」「多くの人々が耳を傾け、各々(おのおの)の立場で親身に考えてくれていることに、深く感謝しています」などと述べられた。
先のおことばについて、陛下が公式の場で言及されるのは今回が初めて。
天皇陛下を一言で言えば、「日本神道のトップ」。本来は、「生前退位」が、会社社長の身の処し方のように矮小化されてはならない。
根っこにある問題は、神道儀式などの宗教的な伝統を継承できるかどうかだ。それを抜きにした議論は、表面的になるだろう。
事実、退位を議論する有識者会議のメンバーを見ても、日本経済団体連合会のトップや大学教授が名を連ねているが、宗教家が参加していない。この問題については、宗教に関する深い理解が欠けていた。
天皇は日本国民のため、日本国の最高神官として神へ通ずると尊い存在。
それを会社の社長だかなんだか、と勘違いしてはいけない。
行事ができるできない。体が持たないなどは論議の中心から外れている。
細かい行事は皇太子様、摂政を置けばよい。
天皇は存在そのものが、日本の存在の意義直結しており、それが、女性でも男性でも特に関係しない。
天皇陛下のしごとは祈ること。