ポロポロ涙が溢れるままに目が覚めたのは初めて。
夢だということは気づいていたんだけど、
夢の中で、恩師に会った。
先生のご自宅とは違う建物の中で、同じ空間にいた。
レッスンを受けられることになってたのかな。
楽器を持って何かしている恩師をみながら、少し離れたテーブルに楽譜をおいて、私は静かに座っていた。
恩師をみてたらいろんな感情が溢れてきてしまって、その場で乱雑にお手紙を書いた。
それは本人に読んでもらうつもりはなく、気持ちを落ち着かせるために綴ったものだった。
少ししたら、恩師が、
「で、何を聴いてもらいたいの?」とこちらにやってきた。
なんだか、言葉にならなくて。
書き途中の突発的に書いたお手紙を隠すこともできず、少し手をどけた。
恩師が目を通し始めたその横で、私は感情のコントロールが効かなくなって、こどもみたいに泣き始めた。あらゆる感謝の気持ちが溢れてきた。
そしたら、そのまま目が覚めた。
涙がポロポロ。呼吸も乱れていたから驚いた。
そんなことって、実際にあるんだなぁ。
いつだったか、一度だけ、起きたら涙のしずくが頬をつたっていたことがあるけれど。
こういう目覚めって、TVとか本のなかの出来事のように思ってた。
あのお手紙を見せられたのは、甘えられたということかもしれない。
師匠と生徒!っていうより、ひとりの人として。心の緊張感が外れたときだった。
自分にとって重要なこと、本当に大切なこと、心底感じていること。
限界を感じて打ち明けたり伝えようとすると、涙が溢れてきてしまうタイプだから、話したくても葛藤がおきて喉元がつまることがよくある。
人前では数回しか言えたことはないし、数えるほどしかそれが出来る相手に出会えたこともないけれど、懐かしかった。
あとは、瞬間的に、とか、時間の積み重ねで、そうなるほどの感情を与えてくれる人は、最上級の特別な人たち。
久しぶりの大解放だったなぁ(笑)なんてことは、後から付け加え文を書いてる今だから言える。
どんなに辛くても、夢にでてきた恩師の前で涙を見せたことはなかった。
師弟関係って、長くなればなるほど、変化を経験するけれど、、
これもまた一つの変化だったのかな。
過去に、他の恩師のレッスンで、泣いたことがある。初めて先生という存在の前で泣いた日だった。
その瞬間って、ただの、こどもになっちゃうのね。先生の前でも。自分にびっくりした。
そのときは困らせてしまう…と思ったら、予想外の反応が返ってきたし、
このとき初めて、世の生徒たちは私が思っていたよりずっと、当たり前に涙していることを知った。
夢に出てきた恩師には、唯ちゃんは強いから。と言われたことがあるけれど、
涙を見せるか見せないかという問題ではなく、受け答えや心の中の問題、現実の問題をどう処理していくか、過程をよくみられていたのかなと今では思う。
あのときは真剣な時間をくれる師匠に失礼だと思って、涙は見せたらダメだと思ってた。強がりもあったし、必要な緊張感でもあった。
そういえば心が折れそうなとき、師としてでなく突然、男としての顔をむけてきた先生がいた。不純な気持ちはひしひしと伝わってきた。
自分の売り込みのために利用しようとしてきた先生もいた。
海外では日本以上によく聞く、演奏家の卵にとっての厄介な面倒な話…
まぁそういう嫌な人間の話は置いといて、、
(けどけど、そんな事が起こるかもしれないから、学びの場にいるみんな、本当に心を強くもって負けないでね!そんなときは相手が誰であろうとハッキリNo!と言ってください。社会にでてからもその強さや勇気は自分を守れるよ!)
って、随分な脱線
嫌な話でなくて、大好きな先生の話に戻すけれど、夢でみた恩師は、姿も口調も性格もそのまんま。
そんな存在を感じられて、寂しさと同時にどこかちょっぴり温かい気持ちになりました。
どうして夢に?
これから全ての生徒さんの夢まわりでもされるのでしょうか。
最後はきっと、娘さんの夢のなかだろなぁ。
見慣れたカップ。
子供のとき、恩師がくれたものだ!っと思い出しました。
何気なく見てたけど、そうだったなぁ。
母が可愛い!って言ったら、いくつかあるからあげるわよって。
* * *
この日はその前に、うぐいすの夢を見た。
最近母と、今年はまだうぐいすの声を聴かないね~なんて話をしたからかもしれない。
夢に見たうぐいすは2羽いて、1羽は幻みたいに物凄く美しく鳴いていて、もう1羽は不思議な鳴きかたをしていた。ちょっとおもちゃのような声質??とでも言えば良い?
説明できないけれど、、
だけど、うぐいすの鳴き声。
見た目もそう。
そのこが不思議で不思議で、動画をとった。
夢の場所は何故かモスクワで、音楽院からトヴェルスカヤ通りのほうへ抜けていく道を入っていった途中だった。
地理はモスクワなのに、建物はモスクワではない不思議な場所だった。
監視カメラもあった。懐かしい。
(ロシアでは常に撮られているかも、聞かれているかもと思いながら生活していた。ストレスになるのは嫌だから、悪いことしてないし!とか、こんな小娘にできることなんてたかが知れてるでしょ(笑)と開き直るようにしていた)
あ、また脱線…
夢の舞台にあわせて、ちょっとロシアのアートやアニメーションに似合いそうな声のうぐいすの登場だったのかもしれない。
幻のような美しいうぐいすの声にはうっとりし本当に心洗われたけれど、それとは別に、もう一羽の声質というのは、その地にしっくりきていたように思う。
更にその数分前はモスクワ音楽院にいた。
建物は全く、記憶の中の音楽院でなかった(笑)。
内部の形だけ似ていたけれど、なぜか横に野外のスポーツ施設がくっついていたし、見かける人のほとんどがロシア人ではなかった。とびかう言葉も違った。
そんな中で、ロシア人の大事な友人と遭遇して、ほんの少し廊下を歩きながら会話した。
風のように会って風のように別れた。
根本は変わらない。だけど、時の流れは感じた良いひとときだった。
恩師とうぐいすの夢。
うぐいすの夢をみたことは忘れていたけれど、その日の昼間に母がタイミングよく
「まだうぐいす鳴かないね~」と言ったので、有り難いことに思い出しました(笑)。
今日のお話は、ここまで。
何年か後に読み返したいな、夢の話。