ベトナム滞在2日目にしてバイクでおじいさんを引きずりまわした私達。
そんなジャンキーな私達にベトナム人の先生が日本人教員の方を紹介してくれた。
【S先生】。
彼女は大学卒業後すぐにベトナムに渡った。たった10万握りしめて。
ボーイッシュでサバサバしている【S先生】は、
この冬真っただ中に夏服しか持ってきていなかった私にセーターと毛布と鍋を貸してくれた。
べたべたしなくてクールなのに実は優しい。そんな女性、私はすごく好きだ。
なつく私達に「うぜ~」とか言いながらも好きなだけ部屋で遊ばせてくれた。
その後は町を散策して、名前の分からない脂っこい料理を食べた。
二人でわずか1500ドン。(≒¥112)
その夜、日記を書き終わった頃にもんのすごいでっかいGKBR(ゴキさん)に出くわした。
シャワー強をぶっかけるも、こっちにズイズイ向かってくるアグレッシブさに、
相方の【病気キャラ】は丸めた新聞片手に逃げ出すだけ。
私はそれを取り上げ、えぇいままよ!と
ズドーン!と一撃。
仕留めた瞬間、
「あ、やべ。もう、なんも怖くねぇ!」と後頭部でもう一人の自分の声がした。(アルト)
唯一残念だったのは、
その丸めた新聞は、
授業で生徒にあげるはずの新聞やったってことぐらいかな。(哀愁)
そして、GKBR(回りくどい)を仕留めた後は初めての授業♪
もうね、夢に描いていた以上にみんな私達に興味津々!!
小学校の頃、よくマンガとかで転校生が来たら他のクラスや学年の生徒まで窓に張り付いて見に来るシーンに憧れてたけど、
まさにそれ!
1年生のクラスに放置プレー食らった私達は、
生徒の習いたての文法で質問攻め。
「先生は、いつベトナムにきましたか。」
発音も可愛いし、何より一生懸命話してくれてる姿を見てたとえそれが20回連続の同じ質問でも
「私達は2月25日の夜にベトナムに来ました!」と新入社員顔負けにハツラツと答えた。
そして、どのクラスに行っても言われること。
「歌を歌ってください!」
NOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO
私、超ド級にアルトで音痴なの。
嫌々カラオケに行って歌うナンバーはブルーハーツ。
全然可愛くない。
しかも、歌詞を見ずに歌えるのなんて
1、幽遊白書の「アンバランスなKiss」
2、おおきなのっぽの古時計
3、ダパンプの“if…”の三択。
1も3も教卓で歌うのには不適切やから2を熱唱!
もーヤケ。
すると、思いのほかeverybody put ur hands upやって大盛り上がり!!拍手喝采!
お調子者の私はもう止まらない!
曖昧な記憶で「森のくまさん(Rap調)」、
ドラえもんもぶっこんだ。
相方の【病気キャラ】はお腹かかえて笑ってた。
お前も歌え!
その後も既に有名人化した私達は授業が終わると十数人の生徒に
「カラオケに行きましょう!」
と誘われた。
もう、なんも怖くない。
「行こう!!」と先陣切って近くの古めかしいカラオケ屋へ。
そこのシステムがほんまに戦後状態。
カラオケ本に載ってる番号をメモして
店員さんに渡し、
店員さんは部屋をすぐ出た裏手にある操作する機械で番号を入力し、
私達のモニターに映るという仕組み。
プロセスが多いし、手間取るけどもう関係ない。
日本と違い、マイクを持った人だけが歌うんじゃなくて、
全員がマイク以上の音量で大熱唱。
てか、カラ(空)をオケるならそのへんの川辺でモ充分やん。
でもすんごい心から幸せな気分になった。音楽の力ってすごい。
そこで出されたピスタチオをドギーバッグして3限目の授業へ。
先生によって生徒の雰囲気もずいぶん変わるなぁと感じた。
現地での時間はすごくゆっくり流れてて、
私は学校の外を散歩していると道端で売ってるサツマイモ天ぷらをなんと7円でゲットしてかなりお得な気分。この国、確実に太るな、と実感。
すると、4年生の男女グループがサッカーの試合を見に来ないかと誘いに来てくれた。
22歳だから当時の私達にとっては生徒でもお兄さんやおねぇさんな存在。
美人な【フャン】はすごく人懐っこくて、【チュワン】(南原清隆似)は天然で優しいお兄さん。
バイクで2人乗りしている時に【フャン】に
「ベトナムでは、女の人と男の人、どっちが強い?」と聞くと、
「ベトナムでは男女平等で、仲が良いですから、
女は男をあまり大事にしません!」
とはっきりとした口調で返ってきた。
度肝を抜かれて大爆笑。確かに、【フャン】と【チュワン】の関係を見てても
男が女に大切にされていないのは誰の目にも明らかだった。
それはそうと、
ベトナムで出逢う人は、アジア人ということも手伝ってか、
小学校や中学時代の同級生とそっくりな人にたくさん出会う。
だからすごく懐かしいというか居心地がいいというか、壁を感じずにすっとその中のコミュニティーに入り込めた。
ベトナムには同じ名前の人がたくさんいる。
例えば出席をとる時も
「チャンさん~」と呼ぶと10人位ガチで手を挙げる。
だから、ミドルネームを一緒に言わないと区別がつかない。
でも、出逢った生徒はとりあえずその場で似顔絵描いてメモに「小学校の同級生のアツコちゃん似のチャンさん」とメモして必死で覚えた。
そのサッカー場にいくと、同世代の男子が上半身裸でチャキチャキサッカーに励んでいる。
当時、別に男の筋肉に特別なパッションのなかった私はそんなことより自分もサッカーしたくてうずうずしていた。
その半裸の団体の中に、中学の時初めて付き合った男の子に激似の子がいた。
サッカーのうまい彼を私は心の中で【テクニシャン】と命名した。
なんて教師だまったく。
懐かしさが交差する国ベトナム。
私は滞在3日目にして、この国にどんどん恋心が芽生えていった。
追伸:
GKBRは出なくなったものの、
ヤモリがよく私の風呂を覗きにくるようになった。
カオスな仲間に囲まれて、3日目の夜は静かに更けていった。
To be continued…
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