こんにちは。
ゆいレディースクリニックです。
ヒト(成人)T細胞性白血病という病気の名前を出しましたが、今回は、この病気のお話。
この病気は、HTLV- Ⅰというウイルスの感染で起こります。
主な感性ルートは、血液(輸血等)と母乳です。
この病気は、日本、特に九州に多く、このウイルスに感染しても、すぐに症状が出る訳ではなく、だいぶ経ってから、(だいたい40歳以上で)感染者の2%くらいが、白血病を発症すると言われています。発症率は低いのですが、発症すると、やはり白血病ですから、抗ガン剤の治療や、治療に伴う骨髄移植も必要となる事もあり、やはり命にかかわる重篤な疾患です。
ウイルスの正体が、まだ不明な時は、輸血とかで、伝染していましたが、正体がわかってから以降は、主な感染ルートは、母乳になっています。
妊婦健診の初期に行う、ルーティンの母子手帳採血の項目の中に、このウイルスの検査が加わって、ほほ全ての妊婦さんは、この検査を受けることになりました。
これが陽性に出た場合、ウェスタンブロット法という、より詳しい検査を行い、これも陽性となった場合、キャリアーという事になります。
分娩後に、断乳するか、あるいは、3〜6カ月間のみの短期間の授乳にするかを、前もって決めておかなければなりません。
最初から断乳しても、感染を100%予防できるという保証は無く(胎内で経胎盤感染も起こっている事があります)、授乳しても、移らない事もあり得る訳ですが、当然、授乳量が多く長期になるほど、赤ちゃんにウイルスが移行するリスクが高まります。
そこで、授乳(短期間)するか、断乳するかは、ご本人の選択となります。最初から断乳する場合は、出産後すぐに母乳分泌を抑制する薬(カバサール)を1回内服してもらいます。
とは言え、やはり、授乳という行為は、母子の絆の重要なポイントですから、どうするかは、非常に難しい選択になります。
いろいろ、医学が進歩すると、また余計な心配が増えて良し悪しです。
もしHTLV-1のキャリアーとなった場合は、よく、かかりつけの産科医とご相談下さい。



