*聴く人それぞれが自分の心に浮かぶ自分の心想を自由に広げられる。光一さんの曲にはそんな作品が多いですよね?
「俺は歌詞に関しても特に細かくあれこれ求めてないです。自由に発想をしても構わないとか、作詞がそれなりの世界を作っていて大丈夫です。だが、作られたものが私が思ったものとあまりにも違うと、「ごめん、これはないな。」と言います。」
*基本的に「頑張れ。」とか「ポジティブに行こう。」とか言うものを直接表現した曲はないような気がします。それは光一さんがやる必要はないと思ってはいますが、意図的に避けてはないですよね。
「いいえ。単純に私が作った曲が明るくないから作詞家もそんな歌詞を書いてくれないだけだと思います(笑)。それでも俺は音楽ってもっとエンターテイメント的になってもいいと思ってます。だから歌詞にメッセージが入れられて、勇気が出たり力が出る曲もそれなりにいいと思います。だけど、俺が作るものはそれとはちがうだけです。もっと感覚的な部分で胸が騒ぐものになれたらなと思います。」
*それが結果的に聴く人たちに力をくれたり明るい心にさせたりするかもしれないです。そうですよね?
「その通り。「そう!」とか「元気になりました!」とかじゃなく、それぞれが持っている感覚に刺激をちょっとあげるだけでいいです。機会になれたらそれでいいです。私が作る音楽はその程度のものでいいと思います。音楽には力があるため、その中には人生に影響を及ばすだけのものもあるはずです。それでも私が作る音楽は、聴く者の何かに始動をかける程度でいいです。そんなものを作る方が俺は楽しいです。」
*先、曲を作る時パフォーマンスは思ってないと仰ってましたよね?でも光一さんの中にはきっと曲それぞれが持っているイメージがあるはずです。それを具現するのがライブっていう場所ですか。
「やっぱり私が作る曲にはダンス曲が多くないですか。しかもCDを買う方の中にも私がダンス歌手だと知っている方も多くて、アルバムを聴く段階で多分どんなパフォーマンスになるかなといろいろ想像するはずです。コンサートって自分が想像したものを直接確かめられる場所。この曲の繋がりを体で表現すればこうなりますとかライティングや装置で表現するとこうなりますとか確かめられる場所です。こうやって曲を目で認識することによって今までは聴こえなかった音が聴こえたりします。その結果、もっとその曲が好きになるとか新しい発見をするんじゃないかなとかいうのが俺の考えです。」
*確かに光一さんのライブを観ると、曲だけ聴いたときよりその曲の全体が分かる気がします。私は想像したものってこれだよ!だという嬉しさを感じるというか。
「そうだから私のコンサートではこの曲をこんな演出で見せるの?とかいうのはないと思います。意表を突くのも面白いかもしれないけど、私の場合はあまり外してないですね。その曲が元々持っているのを最大活かせる方法で演出するからです。それでもコンサートに来られた方々が「やっぱりそうだよ。」と思えるほどにはなるべきだと思います。それ以上の感動を入れようと思ってます。」
*だから何度も同じライブを見てもドキドキしますよね。
「俺もそうであったら嬉しいです。こんかい'BPMツアー'も日本で開かれるのはもうDVDで発売されましたから、すでに観た方もいらっしゃると思います。実際アジアツアーの話は去年もう出ていたから、すでに映像を観た方も多くいると思ってライブDVD発売を躊躇する声もありました。でも私は関係ないと思います。やっぱりコンサートはライブで見るのが最高だからむしろこれをライブで観られて嬉しい!と思ってくれないかなと思います。DVDで観たからいいと思っちゃうコンサートは意味がなく、間違いなくきっと直接ライブで観たいと思えられる映像だという少しの自身みたいなものもありましたからね。」
*そうですか。DVD自体もその分素晴らしい作品だったと思いながら、実際に今回ライブコンサートを観た方々は映像で受けたもの以上の感動をきっと感じるはずです。光一さんのライブは五感で感じられるほどのものですからね。
「五感で感じるというのはある意味では論理が必要ないということです。それは観る側からしては一番楽しくて望ましいコンサートのやり方だと思います。でも五感を感じさせるためには公演を作る側がすごく細かくあれこれ計算しなきゃならないんで、相当難しいものです。(笑)」
*そうです。遥かな世界から来たような空間を見ると細かいものまで気にしたというのが分かります。
「ただちょっと矛盾したように聴こえますが、計算すると同時に五感で感じながら作ってます。」
*感覚的な部分もすごく重視するってことですか。
「そうです。たとえば、歌を聴くと自然に体が動きますよね。そこで振り付けも出るし、照明もそうだし。始めはどこまでも曲からもらったイメージで作って行きますからね。それでもそれを実際にコンサートで作って行くときはものすごい計算をします。そうしないと一つの完成したショーになりやしません。」
*コンサート全体が単純に光一さんの感覚だけで作ったとしたら、聴衆が共感出来ないかもしれないです。細かい部分まで計算するのも結局聴衆が楽しむことを望む心の表現だと思います。
「本当そうです。すべては聴衆が楽しむことを望むっていうことに集約できます。先もコンサートは舞台上の歌手と客席にいる皆さんが作っていくものだと言いましたが、聴衆が楽しむと私も楽しいです。そして私が楽しむってことが皆さんに伝われたら聴衆の皆さんももっと楽しくなります。両方お互い頼ることこそコンサートだと思いますからね。」
*しかも光一さんのコンサートの楽しさは幅広いってことにあります。ある時は王子みたいである時はロックスターみたいでまたある時はセクシーで。そうやって曲によって違うものを見せたり変化があって、どんな曲もすべて印所に強く残るようです。
「俺自身も単純に幅広い味の曲が好きだし、コンサートも例えば、同じ演出だけ見せたら飽きる方もいますからね。だから自分でも飽きるなと思える表現はしたくありません。でも好きな世界はそれぞれ違うので他のやり方を不正だと思うつもりはありません。ただ堂本光一が作ったらこんなコンサートになるんだというのを提示するだけです。」
*堂本光一を作る要素の一つで「日本的な雰囲気」というものがあると思います。例えば'BPM'に収録された曲にすると「妖~あやかし」や「暁」ですが、それが台湾や韓国の方にどんな反響を起こすかも興味深くないですか。
「そうです。ただ俺が作る「日本的な雰囲気」の曲はどっちかというと、違和感を楽しむもので日本の伝統的な「日本的な雰囲気」とは違うと思います。ダンスミュージックと「日本的な雰囲気」は本来融合出来ない物です。それを融合させると楽しくなるんじゃないかなと思って作りましたから。それを台湾や韓国の方は日本人とは違う感性で楽しんでいただいて欲しいです。」」
*しかしMCはどうします? そして曲を韓国語や中国語で歌う予定は?
「曲に関しては一部はそうしようかと案も出ている状態ですが、現時点ではなんとも言えません。MCは…うん…ただ日本語で一所懸命しゃべようと思ってます(笑)。だからそういう意味では通じないかも…(笑)。元々俺はマイクを通して観客とコール・アンド・レスポンスをするのは苦手ですからね。」
*「皆さん、好きです!」「Yeah!」とかですよね?(笑)
「はいはい。(笑)私はそんなものには素質がないです(笑)。だから私は曲の世界に観客を引き入れるやり方でやってます。曲の中で存分に楽しんで頂いて欲しいです。MCでは全くお互い通じなかったのに音楽の世界に入ったら何だかお互い分かる、そういうものも楽しくないですか。(笑)
*そうです(笑)。それこそ音楽の力です。これは日本のコンサートでもいつも仰ることですが、公演場で一足踏み出した瞬間から日常とは違う何かを感じられるそんな空間を作るってことですね?
「その通りです。ツアーを行ってコンサート場に入ると同時に'BPMツアー'という世界が開かれます。それは毎回誓うことです。もちろん'BPM'を聴きに来ていただけたら嬉しいけど、基本的にはただなんも考えずにコンサート場に来れた方がいいです。そして一人一人の感覚で目の前に開かれる空間と音楽を楽しんでいただいて欲しいです。」