公開年:2022年

上映時間:130分

監督:西谷弘

出演:福山雅治、柴咲コウ、北村一輝、飯尾和樹、戸田菜穂、田口浩正、酒向芳、岡山天音 



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『ガリレオ』シリーズ劇場版第3弾。前2作に引き続き監督は西谷弘、脚本は福田靖。主演は福山雅治。



では、『ガリレオ 沈黙のパレード』の感想、いってみましょう。


★3.8




数年前から行方不明になっていた女子高生が遺体となって発見され、男が逮捕。がしかし!証拠不十分で釈放。そしてなんと!女子高生が住んでいた町にその男が現れる。怒る家族&住人たち!そしてある事件が起こってしまうという物語。




科学を絡ませたトリックあり(やや物足りなかった)、湯川と内海のキュートなやりとりあり、サスペンスあり、人間ドラマありと、軽妙なんだけど重厚でもあるという安定の『ガリレオ』クオリティ、安定のおもしろさでした。


前半は、特に、ある人物が退場するまでは『ガリレオ』らしいテンポの良さで、グイグイ物語に引き込まれました。手際の良さはさすが『ガリレオ』手練れの西谷監督。


後半は何となく『オリエント急行殺人事件』(アガサ・クリスティ)の流れかな、なんて予想してたら案の定。さらに、ある人物のうっかり発言によって真相が解明されていく展開にちょっとガッカリ。覚悟が足りないんだよ、天音くん。


終盤、真相にはさらに別の真相があった、という驚きの展開はサスペンスの醍醐味で見どころだとは思いますが、うーん、その点においてはイマイチでした。グッとこなかったです。『容疑者Xの献身』の石神(堤真一)や花岡(松雪泰子)ような「いたしかたなさ」みたいなものが足りなかったんですよね。だって同情の余地がないんだもの。




不満なところは多々あったけど、俳優さんたちの熱演好演のおかげでセーフ。押し切ってくれました。まぁとにかく俳優さんたちはもれなく素晴らしかったです。


まずは草薙刑事を演じた北村一輝さん。めちゃくちゃ良かったです。自分の不甲斐なさのせいで今回の事件が起こってしまったという後悔、苛立ち、焦り。これほどまでに感情を露わにする草薙は初めてじゃないでしょうか。真実は別にあることをわかりながらも被害者たちの心情や自分自身の贖罪のために事件を丸く収めたいという、終盤の草薙の心の揺れや葛藤は見ていてなかなかつらいものがありました(そこをビシッと指摘するガリレオ先生もさすが)。本作の熱量をグッと上げる存在感で、草薙のキャラも好きになったし、演じた北村一輝さんも好きになりました。


そして村上淳さん。本作唯一の悪と言っても過言では無いくらいのクズ野郎・蓮沼を見事に演じられていて最高でしたよ。最高級のグズっぷりでした。悪が出てくる作品はもれなく悪が輝けば輝くほど物語は面白くなるので、もうその点については満点回答。被害者家族の食堂に現れたときはホント胸糞悪かったです。癖のあるキャラクターを演じさせたら間違いないですね、村上淳さんは。ちなみに本作公開後にテレビ放送された『ガリレオ 禁断の魔術』では、息子の村上虹郎さんが主要キャストで出演されてましたけど、彼も存在感があっていいですよね。親子揃って素敵な役者さんです。


「ぺっこり45度」「忍法メガネ残し」でお馴染みの(お馴染みか?)ずんの飯尾さん。出色の演技でしたよ。怒り、絶望、悲しみの入り混じった迫真の演技。本作のMVPと言っても言い過ぎじゃ無いと思います。芸人さんの演技のクオリティってほんと高いですよね(他には東京03の角田さんとか我が家の坪倉さんとか)。こんなシリアスな演技もできちゃうんですから今後もドラマや映画の出演が増えるんじゃないですかね。


個人的には吉田羊さんが結構効いていたような気がします。あのポジションに吉田羊さんがいるのは心強いですよね。




夢というのは本人のものであって、他人のものではないんです。進むのも立ち止まるのも戻るのも本人が決めること。本人が夢を追い続けたいのなら周りの人間は応援する、夢を諦めるのならお疲れさまと声をかけてあげる。それが大人ってものじゃないですか。


大人のエゴによって未来ある若者の命が奪われた悲しい物語。余韻はなかったけど、終わり方はすごく皮肉が効いていて、僕はよかったと思います。大人のエゴは悪ですね。




最後にもう少し言わせてもらうなら、福山さん、というか湯川ガリレオ先生がいつも見せるケレン味(と言っては失礼か)がちょっと足りなかったような。9年ぶりの映画ならもっとやって欲しかった。「実に面白い」を34回言って欲しかったわ。


次は連ドラで見たいですね。



おしまい。