公開年:2020年

上映時間:70分

監督:山口淳太

原作:上田誠

出演:土佐和成、朝倉あき、藤谷理子、石田剛太、諏訪雅、酒井善史  



いつもワタクシの駄文を読んでいただきありがとうございます。感謝ですm(_ _)m



『サマータイムマシン・ブルース』などで知られる人気劇団・ヨーロッパ企画の初めてのオリジナル長編映画。監督はヨーロッパ企画の映像ディレクターである山口淳太。原案・脚本は劇団代表で『夜は短し歩けよ乙女』(2017)、『ペンギン・ハイウェイ』(2018)、『前田建設ファンタジー営業部』(2020)でも脚本をつとめた上田誠



では、『ドロステのはてで僕ら』の感想、いってみましょう。


★4.0




2分の時差」でつながっている2台のモニター(1Fのモニターは2分前の過去を、2Fのモニターは2分後の未来を映す)を知った大人たちが「ドロステ効果」を利用してもっと先の未来を知ろうとするがという物語。




SFでコメディでちょっぴりサスペンスで、そして最後はファンタジーな展開になるという、何だか不思議で可愛らしい作品でした。


そう、可愛らしいんですよ、この作品。だって、わかるのは2分先の未来なんですよ。たったの2分。2年先でも20年先でもなくて、たったの2分。現在と未来のたった「2分の時差」で起きるドタバタ劇。


2分という短い時間設定、2分とはいえ未来を知った大人たちのはしゃぐ姿、「2分の時差」(=空白の2分間)に起きるちょっとした仕掛け。もうすべてが可愛らしいんです。全然壮大なことは起きない(笑)。SFなのにここまで可愛らしい作品って、僕は観たことないです。


特に可愛らしいなぁと思ったのは、2分後の自分の未来を知った現在の自分が、未来に合わせて行動しちゃうくだり。何となく未来って変えたらマズい気がしますからねぇ。自分が自然に振る舞っていれば未来の通りになるはずなんだけど、ついつい意識して「未来がこうなっているんだからこうしなきゃ」という、未来に寄せて行動してしまうというね。本末転倒みたいな感じがめちゃくちゃ笑えて、個人的にはツボでした。




その「2分の時差」をドロステ効果を利用してもっと先の未来を知ろうとする、という展開が本作の大きな流れではあるんですけど、そもそも「ドロステ」って知ってますか?(突然の質問)。


CMとかで見たことがあると思うんですけど、タレントさんが液晶テレビを紹介していて、その紹介している液晶テレビの画面の中にタレントさんが液晶テレビを紹介しているシーンが映っていて、さらにその紹介している液晶テレビの画面の中にタレントさんが液晶テレビを紹介しているシーンが映っていて、さらにその紹介している液晶テレビの画面の中にタレントさんがという、永遠に入れ子構造が続く構図のことを言うんです。らしいです(本作を観てはじめて知った)。


このドロステ効果を利用して4分先の未来、6分先の未来、8分先の未来と、永遠先の未来を知ろうとする展開、アイデアはホント秀逸(画面がどんどん小さくなっていくから永遠先の未来は見えないんですけどね)。


アイデアのおもしろさ、いい意味での手作り感、大人たちがわちゃわちゃする楽しげな雰囲気、臨場感のあるカメラワーク(エンドロールを観ると臨場感の理由がわかる)など、『カメラを止めるな!』を彷彿とさせるような、とてもおもしろくて可愛らしい作品でした。


そして70分という尺の短さがイイ!好感度高いです(最近の映画は長すぎるのよね)。




主人公のカトウは一貫して未来なんか見たくないという姿勢なんだけど、僕は2分先くらいの未来だったら見てみたいなぁって思いました。10年後や20年後の自分の未来を見ることはちょっと怖いけど(事故とか病気とかで死んでたら悲しいしネガティブ)2分先くらいなら、ねぇ。


何が起きるかわからない世の中。何かの拍子で時空が歪んで、2分くらいの時差だったら実際に起きうるかもしれないですよね。そして時空警察がきちゃったりしてね




おしまい。