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原告Xは、Yに対して、不法行為に基づく損害賠償請求の一時金方式による支払いを求めているところ、裁判所は損害賠償金のうち介護費用分については、定期金方式での賠償を命じる判決をなしているが、このような判決をすることが適法か。
Xの申し立てとは異なる判決をすることになり、処分権主義(民事訴訟法(以下略)246)に反するのではないかが問題となる。

この点、246の趣旨は、私的自治の原則のもと原告の当事者意思を尊重するとともに、被告の防御範囲を明確にして、不意打ちを防止するところにある。
よって、処分権主義に反する判決か否かは、①原告の合理的意思に反しないこと②被告にとって不当な不意打ちの結果にならないこと という点から判断すべきである。

本問では、Yが訴訟において、介護費用について、定期金方式での賠償を行うべきことを主張しているから、被告にとって、不意打ちにならない(②)。
また、本問でXが植物状態であるため生存可能年数の認定が困難であり、介護費用の一時金方式による賠償額の算定において、当事者間の衡平を著しく欠く危険があるから、定期金方式の方が合理的だと考えられる。
さらに一時金方式の場合は期待される総給付額から中間利息を控除して算定するが、定期金方式であれば中間利息の控除が不要であるから、この点も合理的であるといえる。
もっとも、定期金方式は、被告の資力悪化などにより、支払い能力が担保されないリスクがあるともいえるが、この点は一時金方式であっても支払能力がない場合もあるし、保険会社による支払いの場合などにはこの危険は除去されるので、不合理であるとはいえない。
以上より総合的に判断すると、原告の、合理的意思に反するとはいえない。(①)
よって、本問判決は処分権主義に反せず、適法である。

以上