声を整えて本来の自分に戻る

一般社団法人 日本声診断協会 代表理事の

中島由美子です宝石赤

 

今日は、「振動」の話をさせてください。

スピリチュアルな話ではありません。

物理と、身体の話です。

 

でも読み終わる頃には、

ご自分の声の聴こえ方が、少し変わっているかもしれません。

 

 

① 声だけでグラスが割れる理由――固有振動数と共鳴

オペラ歌手が、声だけでワイングラスを割る。

 

テレビなどで、ご覧になったことがあるでしょうか。

 

あれは、手品ではありません。

 

すべての物には、「固有振動数」という、

その物だけが持つ、揺れやすい周波数があります。

 

グラスの固有振動数と、ぴったり同じ高さの声を、

十分な大きさでぶつけ続けると、

グラスは激しく共振し、やがて砕けます。

 

触れてもいないのに、です。

 

もうひとつ、有名な実験があります。

 

同じ音の高さの音叉を、ふたつ並べて、

片方だけを鳴らします。

 

すると、指一本触れていないもう片方が、

小さく、鳴り始めるのです。

 

空気を伝わった振動が、届いているからです。

 

これを「共鳴」といいます。

 

音は、気分やムードの話ではなく、

離れたものを、物理的に動かす力なのです。

 

 

② 人間もまた、電気と振動でできている

では、人間はどうでしょうか。

 

私たちの身体は、思っている以上に、

電気と振動でできています。

 

神経は、電気信号で情報を伝えています。

心臓は、電気的なリズムで拍動しています。

健康診断の心電図は、まさにその電気を測ったものです。

脳波の検査も、脳の電気的な活動を記録したものです。

 

そして、声。

 

声は、肺から送られた息が声帯を震わせ、

喉や口や鼻の空間で共鳴して生まれる、

正真正銘の「振動」です。

 

あなたが誰かに話しかけるとき、

あなたの身体が生んだ振動が、空気を伝わって、

相手の鼓膜を、物理的に震わせています。

 

会話とは、意味のやりとりであると同時に、

振動のやりとりでもあるのです。

 

生まれたばかりの赤ちゃんが、

言葉の意味など何ひとつわからないのに、

お母さんの声で泣き止むのは、そのためかもしれません。

 

不機嫌な人がひとり部屋に入ってきただけで、

その場の空気が張りつめるのも。

 

誰かの落ち着いた一言で、

会議の空気がふっとゆるむのも。

 

私たちは、言葉の意味より先に、

声に乗った「調子」を受け取っているのです。

 

 

③ 感情は隠しても、声に乗ってしまう

ここで、大切なことがひとつあります。

 

感情が変わると、声が変わる、ということです。

 

怒っている人の声。

不安な人の声。

心から安心している人の声。

 

私たちは、電話の第一声だけで、

相手の状態を、かなり正確に聞き分けられます。

 

緊張すれば声は硬く、浅くなり、

心がゆるめば、声は深く、豊かになる。

 

感情は、隠したつもりでも、

周波数として、声に乗ってしまうのです。

 

私は20年間、3万人以上の方の声を分析して、

このことを、波形として見続けてきました。

 

声を分析ソフトにかけると、

その方の周波数の分布が、12色の図となって現れます。

 

その日の状態だけではありません。

長年の思考の癖、抑えてきた感情、

その方が人生で握りしめてきたものまでが、

色の偏りとして、驚くほど正直に現れるのです。

 

 

④ あなたは「受信機」であり「発信機」でもある

さて、ここからが、今日の本題です。

 

多くの人は、自分のことを、

「受信機」だと思って生きています。

 

環境から影響を受け、

出来事に反応し、

誰かの言葉に傷つき、

世の中の空気に、気分を左右される存在。

 

たしかに、私たちは受信しています。

 

けれど、忘れていることがあります。

 

あなたは、四六時中、発信もしているのです。

 

あなたの声。あなたの話す調子。

あなたがまとっている、その日の響き。

 

それらは、音叉が音叉を鳴らすように、

家族に、同僚に、すれ違う人に、

確実に届いて、影響を与えています。

 

不機嫌な人が場の空気を変えるなら、

調った人も、場の空気を変えているのです。

 

たとえば、家庭の中を思い浮かべてみてください。

 

親の声が張りつめている日は、

子どもも、どこか落ち着かない。

 

親の声がゆるんでいる日は、

家全体が、静かにゆるむ。

 

子どもは、言葉の内容より先に、

声の調子を浴びて、育っているのです。

 

あなたは、受信機であると同時に、発信機です。

 

そして、どんなものを受信できるアンテナをもっているかが

どんなものを発信できるかにつながっています。

受信も発信も自分という楽器の調律次第で変わってくるのです。

 

ここで少し、思い出してみてください。

 

机にかじりついて、何時間うなっても出なかった答えが、

散歩の途中や、お風呂の中で、

ふっと降りてきたことは、ありませんか。

 

緊張がゆるんだとき、脳は、

張りつめていたときとは違う働き方を始めます。

 

視野が広がり、

記憶同士が、自由につながり始めるのです。

 

つまり、同じ「考える」でも、

どんな状態で考えるかによって、出てくる答えが変わる。

 

同じ行動でも、

焦りからやるのと、楽しみからやるのとでは、

結果が変わってくる。

 

能力の問題ではなく、状態の問題なのです。

 

そして、その「状態」をいちばん正直に映し出しているのが、

声なのです。

 

 

⑤ 「状態」が変われば、出てくる答えも変わる

考えてみると、不思議なことがあります。

 

ピアノは、定期的に調律師を呼びます。

ギターは、弾く前に必ずチューニングをします。

 

楽器を大切にする人は、

楽器の音が狂ったまま弾き続けることを、しません。

 

では、あなたという楽器は、どうでしょうか。

 

生まれてから今日まで、何十年も鳴らし続けてきて、

一度でも、調律をしたことがあるでしょうか。

 

落ち込んだ日も、無理をした日も、

傷ついたことを言えないまま飲み込んだ日も、

私たちは、そのままの状態で、

翌朝からまた、自分という楽器を鳴らし続けています。

 

弦が緩んだままのギターで、

毎日、演奏し続けているようなものです。

 

 

⑥ あなたという楽器は、調律したことがありますか

では、どうやって調律するのか。

 

実は、いちばんの調律の道具を、

あなたはもう、持っています。

 

あなた自身の、声です。

 

ここで、面白い事実をひとつ。

 

録音した自分の声を聴いて、

「え、私ってこんな声?」と違和感を覚えたことは、

ありませんか。

 

あれには、理由があります。

 

他人は、空気を伝わってきたあなたの声だけを聴いています。

 

でも、あなた自身は、空気からの音に加えて、

頭蓋骨や身体を直接伝わってくる振動――

「骨伝導」でも、自分の声を聴いているのです。

 

つまり、こういうことです。

 

あなたが声を出すたび、その振動は、

誰よりも先に、誰よりも深く、

あなた自身の身体の内側を、震わせている。

 

声は、外に向けた表現であると同時に、

内側へ届く、セルフケアの振動でもあるのです。

 

ゆっくり息を吐きながら、深く声を響かせると、

心身が落ち着いていくのを感じられるのは、

気のせいではありません。

 

ゆったりとした呼吸が神経を鎮めることは、

生理学の世界でもよく知られていますし、

そこに声の振動が加わることで、

身体は、内側から調っていきます。

 

そしてもうひとつ。

 

あなたの声を、この世でいちばん多く聴いているのは、

他の誰でもない、あなた自身です。

 

口に出す言葉も、心の中の独り言も。

 

自分にどんな言葉を、どんな調子でかけているか。

それは、毎日浴び続けている振動の質を決めています。

 

一流のアスリートが、セルフトーク――

自分への声のかけ方――を練習のひとつとして

大切にしているのは、そのためです。

 

だから、今日からできる、

いちばん簡単な調律法をお伝えします。

 

一日の中で、ふと、自分の声を聴いてみてください。

 

いま、私はどんな調子で話しているだろう。

硬いだろうか。浅いだろうか。急いでいるだろうか。

 

低い調子に気づいても、

自分を責める必要はありません。

 

気づいたら、ひと呼吸。

ゆっくり息を吐いて、次のひと言を、

少しだけ深く、響かせてみる。

 

それだけで、楽器は少しずつ、調いはじめます。

 

一日中、良い状態でいる必要はありません。

それは、どんな名器でも無理なことです。

 

大切なのは、狂いに気づいて、戻ってくること。

 

調律とは、一度きりの儀式ではなく、

日々の、小さな習慣なのです。

 

そしてもうひとつ。

 

小さな選択の場面で、

「心が少し動くほう」を選んでみてください。

 

朝の飲み物。歩く道。今日ひらく本。

 

心が動くとき、身体は必ず、ゆるんでいます。

 

それは、あなたという楽器が、

よく鳴る方向を教えてくれている、サインなのです。

 

 

⑦ 声は、外向けの表現であると同時に「セルフケアの振動」

3万人の声を分析してきて、確信していることがあります。

 

声は、心の状態を映す鏡であると同時に、

心の状態を変えられる、入り口でもあるということです。

 

心が調ったから、声が変わる・・・

 

声を調えると、心のほうが、後からついてくる・・・

 

私はこの相関関係を20年探求してきました。

自分の声で自分の楽器を調えるメソッドが生まれたのです。

 

今日、あなたという楽器は、

どんな音を奏でていたでしょうか。

 

そして明日の朝、最初に鳴らす一音を、

少しだけ、ていねいに響かせてみてください。

 

その一音から、一日の空気は、変わり始めます。

あなたという楽器は、世界にひとつしかないのですから。

 

 

 

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本日も最後までお読みくださり

ありがとうございましたドキドキ

愛と感謝を込めてブーケ1

 

中島由美子 拝

 

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