圭とはその後頻繁に遊ぶようになった。

音楽の趣味もファッションセンスも良くて、会話も合う圭と出掛ける事はとても楽しく思えた。


三回目のデートの時、DVDを見よう、という話になり、圭の家に行った。

アジアンチックな広い部屋に、薄暗い間接照明、お香の匂い。

すぐ隣にいる圭。
すごくドキドキした。


お酒を飲みながら映画鑑賞。
だけど映画の内容なんて全く頭に入ってこなくて、隣で平然と画面を見つめる圭のことばかり気になってた。


『キスしたい』


ただそれだけだった。



身を乗り出して圭に近づく。

「ねぇキスしようよ?」

驚いたように私を見つめる圭に、自分からキスをした。

圭はお酒のせいだと思ってるみたいだけど、本当は私の意志。

内緒だけどね。
「飯でも食いに行かない?」

圭とメールをし始めて2週間目くらい。
初めてご飯に誘われた。



前の晩は緊張してなんだかよく眠れなかった。



車が故障したとかで、代車の小さい軽自動車で迎えにきた圭は紫のニット帽をかぶってた。

しきりにラジオしか聴けないと嘆く圭を見ながら、あぁやっぱり格好良いな、と思った。


当時、できたばかりのアウトレットに行って、帰りに焼肉屋で奢ってもらった。


その日で圭の無口なイメージが一変、おしゃべりな人になった。
飲み会後、数か月して私たちは卒業した。

圭とはメアドと番号を交換したものの、ほんの何通かメールのやりとりしたくらいで、しばらくは何も進展なく過ぎていった。


もともと圭に対して特別な感情があった訳じゃないし、慣れない仕事に追われるなかで思い出すこともなかった。



確かあれは3年前の冬。
道に迷って、なぜか圭にメールをした。

「突然ごめん!○○ってお店の場所分かる?」   
今考えると何で咄嗟に圭に助けを求めたんだか不思議。

そして思いもよらない返信。

「名前と番号教えてください。携帯なくしました。」


えぇー!!ですよ。
びっくり。

それから頻繁にメールするようになった。