破産寸前のコインランドリーを経営する中国系アメリカ人のエブリンが、
いくつもの並行世界をトリップしながら、
マルチバースに蔓延る悪と戦うべく立ち上がる、というお話。
別の世界のスキルをインストールできるのは、少しチート過ぎないか?
とは思ったものの、
アクション自体は見ていて楽しい作品だった。
でも私にとって、
この映画の一番いいところは、
結局最後、彼女の現実は何も変わっていないというところだ。
彼女が何かを手に入れたわけでも、失ったわけでもない。
変わらない日常が続いているだけ。
でも最後、彼女の表情、態度は以前とはまるで違う。
マルチバースを飛ぶ中で、
あらゆる可能性を、違った視点から眺めることで、
彼女は今持っているものに感謝できるようになった。
子どもを尊重し、優しい夫を大切にしたいと思うようになった。
幸せはどこかではなく、ここにある。
私はこのメッセージを伝えてくれる作品が大好物だ。
私はすぐに他人と比較しては落ち込むタイプの人間だから、
基本的にSNSもみないし、
携帯も極力触らないようにしているけれど、
それでも幸せを見失うことは多々あって、
修行が足りないなと思う。
こういう作品は私にとって、本当にいいリマインダーだ。