こんにちは。栗田病院広報委員会です。本日は、当院で勤務している職員の方のインタビューを掲載します。
Q:印象に残っている関わりがあったら教えてください。
たくさんありますが、最近の印象に残った言葉は
「話良い人だね。」
「だって放ってたでしょ。」
です。
この言葉は同じ患者様が言われた言葉です。
その患者様とは日々の入院生活の関わりの中で話す機会が増え、言いにくい不安や不満を話されるようになりました。
病状が回復してきたからという事もあると思いますが、日々の関わりが実を結んだのかなとも感じました。
ある日、勤務の時に挨拶に行くと「話良い人だね。」とぼそりと呟かれました。
私はその患者様との関係を振り返り「ありがとう。最初のうちはあまり話さなかったけどいつの間にかよく話すようになりましたね。」と声をかけたら
「だって放ってたでしょ。」
と返事が返ってきました。
患者様の顔は一見笑っていましたが、言葉、表情を見て正直に言いますと寒気がするようなショックを受けました。
それを感じ取ってなのか患者様は「うそ、うそ。」と笑っていましたが、その時に患者様の持つ孤独感を改めて感じました。
そして自分自身の関わりの中で、その患者様と向き合ったのはいつだろうと振り返りました。
その患者様には放っとかれたという思いがずっとあったのかと思うと胸が締め付けられる思いでした。
前向きにこの言葉をとれば、それだけ信頼して話してくれたとも考えられますが、印象に残り今もきっとこれからずっと考えさせられる、心に残る出来事でした。
Q:将来の目標を教えてください。
将来というよりも継続した目標ですが、患者様が話しやすい看護師だと思ってもらう事です。
精神科の看護師として雰囲気、言葉遣い、日々の自分の動きに出来る限りですが注意を払い目標に向かっていきたいと思います。
不安だけでなく内服による副作用を表出する事が出来ず苦しんでいる患者様、また自分で伝えられない患者様がいらっしゃいます。
患者様の苦しみに気付き、適切な治療に繋げられる目を持てるように日々努力をしていきたいと思います。
目の次は耳です。患者様の言葉を聴くという事を学んでいきたいと思います。
精神科で働き、人の話をよく聴くという事がどれ程難しいことかと痛感しました。
経験も少なく、知識も足りないですが、いずれは認定看護師の資格を取れたらと思います。
もう一つが、またこの病院に入院したいと思ってもらえるような関わりを持つ事です。
再入院は必ずしも悪い事とは考えません。患者様に調子を崩す前に、患者様本人または家族が不調のサインに気づき受診に繋がればと思います。
またこの病院の職員なら安心して入院生活が送れる、治療を任せられる。
いや、任せられるというよりは、ここの病院の職員となら一緒に治療したいと思えるように関わりたいです。
そのためにも入院中に患者様がアドヒアランスを獲得出来るような関わりを持てたらと考えています。
田端さんありがとうございました。来月からは認知症治療病棟に勤務している作業療法士の和地さんのインタビューを掲載したいと思います。
今回は、精神科急性期治療病棟に勤務している看護師の田端さんのインタビューの最終回です。