本題30  見失った願い | Aちゃんと私のブログ

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シングルマザーとして生きたAちゃんと私
2人の日々を綴ったブログから
現在は残された私ひとりの毎日を綴っています

 

「本題」には

お互いシングルマザーとして生きた

Aちゃんと私。

2人の最後の3ヵ月を綴っています。

 

 

 

 

 

私を呼ぶ声が聞こえた。

Aちゃんと私の共通の友人が

駆けつけてくれた。

友人をAちゃんに会わせるため

2人で病室へ入った。

 

Aちゃんの病室は

さっきと変わらず

ベッドの両端に妹とチーママ、

その周りに他の人たちが立っていた。

 

意識のないAちゃんの顔を拭いてた

妹は

友人にも愛想よく

挨拶して席を譲ってくれた。

チーママは

明らかに不機嫌さが増してる。

 

私はやはり

そこに長く居る気持ちにはなれず

また1人で病室を出た。

あの夜空の見える廊下に戻り

ベンチに座った。

少し頭を空っぽにしたかった。

友人も戻ってきて

そのまま一緒にいてくれた。

 

 

 

 

 

そして次にチーママに

怒ったように呼ばれたときは

Aちゃんが心停止になったときだった。

 

 

病室の入り口まで来た時

Aちゃんが先生に

心臓マッサージされてた。

私は

病室の中へ入ることが出来なかった。

 

友人とチーママが手招きしてるが

私はどうしても足が前に進まない。

 

先生が電気ショックを与えて

Aちゃんの身体が跳ねたとき

私は廊下へ駆け戻ってしまった。

 

チーママと友人が

私を連れ戻しにきたけど

私は、はじめて冷静さを失った。

友人が理解して私を残し

チーママをつれて

Aちゃんの病室へ戻ってくれた。

 

この時だけは

周りに気を使う余裕が

もうこれっぽっちも残ってなかった。

 

また戻て来てしまった廊下のベンチ。

窓から見える夜空。

  お願いだから・・・

もう願う言葉が

ひとつも出てこなかった。