本題29 願っても | Aちゃんと私のブログ

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シングルマザーとして生きたAちゃんと私
2人の日々を綴ったブログから
現在は残された私ひとりの毎日を綴っています

「本題」には

お互いシングルマザーとして生きた

Aちゃんと私。

2人の最後の3ヵ月を綴っています。

 

 

 

 

意識のないAちゃんのベッドの傍で

 

なぜか気合いの入っている妹と

嘘くさい表情を浮かべる妹の彼氏

全てに腹を立てているチーママ

心配でウロウロしている母親

そして

弟。

 

そこに居ることが出来ず

病室を出て

廊下の窓からずっと夜空を見ていた私。

ふと昔が蘇った。

ふっと昔が蘇った。

 

 

 

私は夜空が嫌いだ。

 

 

 

中学校に入るころにはすでに

誰に対しても期待や信用をしない

ツメたい人間にあっていた私。

だけど

10才頃まではまだ素直で

 

よく夜空を見上げながら

母親の帰りを独り待っていた。

 

 

そんな日に母が帰ってくることなんて

なかった。

 

 

鍵を忘れて家に入れなかった日も。

ベランダで靴を洗いながら

夜空を見上げていた日も。

 

 

子どもながらに借金取りとの

やり取りが怖くて怖くて

  神様お願い

   早くお母さんを帰して・・・

泣いてお願いした日だって。

一度も願いが叶ったことはない。

 

 

何時間もずっと

夜空を眺めていると

 

もう誰も永遠に

私のもとには帰ってこない

って気持ちになってくる。

 

 

私が諦めて眠りについて

やっと、母は帰ってくる。

 

いや、

朝、目覚めても

帰ってきていない日もあった。

そんなときは独り

ヤクルトを飲んで学校へ行く。

 

 

学校では

みんなと同じように

普通の家庭の人になっている

そんな気がして

そこにいるだけで嬉しかった。

 

そしてまた

家へ帰り、夜になると

現実を思い知らされる。

 

 

   オマエハヒトリナンダヨ

と。

 

こんな昔のことを

思い出した時点で

 

この願いは叶わないって

どこかで分かっていた気もする。