以前、参議院同期の島村大さんから「雄平ちゃん、明日の会議に俺の代わりに出てもらえないか?」と声を掛けられました。「いいですよ。その時間帯になにかあるんですか?」と聞くと、「母校の東京医科歯科大学の評議員をやってて、うちの学校と雄平ちゃんの学校(慶應大学)の合併に向けて調整していて、どうしても大学に行かなくちゃいけないから、明日の会議には出られなくて…。慶應のためにもなるから宜しく頼むよ」と言われました。

 国会に限らず、本当にいろんな場所で汗をかいていました。「島村さんが亡くなったのではないか」と耳にした時、信じられず、嘘であって欲しいと携帯に電話をしましたが、あの優しい声を聞くことはできませんでした。2年にわたりガンと戦いながら活動されていたことを亡くなった後で知りました。

 歯科医として厚生分野の政策に情熱を注がれていました。今日の葬儀で菅義偉前内閣総理大臣は「新型コロナワクチンの射ち手不足で接種が進まない時に、歯科医師が接種に加わることを、それに向けての道筋を示した上で提案してくれました」と感謝の弔事を述べられました。

 奥様の奈津子さんは「亡くなる10日ほど前、最愛の娘の結婚式でなんとか娘と一緒にバージンロードを歩けたことが、家族にとって何よりの宝物です」と仰っていました。

 みんなから愛された島村大さん。これまで本当にありがとうございました。安らかにお休み下さい。