野田佳彦元総理が衆議院本会議で故安倍晋三元総理への追悼演説に立たれました。私が農林水産委員長として主宰する参院の委員会の時刻と重なってしまったため、衆院本会議を傍聴できませんでした。事後に演説の動画を見ましたが、心を揺さぶられました。同じ重圧と孤独に耐えてこられた野田元総理だからこそできる演説だったと思います。

 私は短い期間ですが、野田内閣の官邸詰めの政治記者をしていました。今の私と政治的な立場は違いますが、筋の通った胆力のある方でした。民主党政権誕生の時から野田総理であったとしたら、自民党はそう簡単には政権を取り返せていなかったのではないかと思います。

 野田元総理が追悼演説で仰った
「政治家の握るマイクには、人々の暮らしや命がかかっています。暴力に怯まず、臆さず、街頭に立つ勇気を持ち続けようではありませんか。民主主義の基である、自由な言論を守り抜いていこうではありませんか。真摯な言葉で、建設的な議論を尽くし、民主主義をより健全で強靭なものへと育てあげていこうではありませんか」
という言葉を胸に深く刻もうと思います。