参議院議員に初当選以来、法務委員会や憲法審査会に配属されることが多く、民法や商法といった『六法』の改正に関わってきたので、憲法を含めた基本法制の理解を整理するために『行政書士』試験を受けました。

先日の新聞には民法が規定する女性の「再婚禁止期間」を見直すという記事が出ていました。
昨年の民法改正は所有者不明土地対策が主眼で、所在不明の共有者がいても土地の売却が可能になることなどが報道されました。この際の改正では『お隣さん関係』の問題も大きく変わりました。

お隣さんの庭に木が植えられていて、根っこが家の境界線を越えて我が家の敷地に伸びて来ている場合は根を切っても構いません。他方、お隣の枝が我が家の敷地に伸びて来ている場合は非常に迷惑していても自ら切ることはできず、お隣さんに切ってくれるように説得しなければならない、というの現行制度です。
お隣さんが頑固に「切らない!」と言った場合はどうしたらいいのか?
民事訴訟を起こして、裁判所が「受忍できないくらい枝が伸びている」と判断してくれれば、やっと自ら切ること(強制執行)ができます。

これは境界を接するお隣さんとの話だけでなく、子供たちの通園・通学路でも問題になることがあります。
たとえば枝や木が家の敷地を越えて歩道を遮ってしまっていて、車道を歩かなければいけないという場合があります。
枝が折れそうになっていて歩道に落ちてくるかもしれない、といったこともあります。
こうした時に通園・通学路(道路)を管理する市町村や都道府県が安全のために枝を切ろうと思っても、同じ手続きを踏まなければいけません。

改正民法が来年4月に施行されるとルールが大きく変わります。
①庭木の所有者に越境した枝を切るように言っても相当期間内(2週間程度)に切らない
②庭木の所有者が誰か分からない、または所有者がどこにいるのかが分からない
③急迫の事情がある(枝が落ちかかっていて危ない等)
といったときは自ら枝を切ることができるようになります。

非常に細かな法律の仕組みですが、私たちの生活に関わりかねない内容です。
士業の仲間入りをしたことで(登録していないので正確にはまだですが)、法律と国民をつなぐ仕事の大切さを改めて感じました。
国会議員としても、より良い法律をつくるだけでなく、その内容を分かりやすく伝える努力をしていきたいと思います。