菅義偉内閣総理大臣が今日(21日)の参議院本会議で、今月15〜18日の訪米について報告して、質疑が行われました。

今回の日米首脳会談は「互いの信頼が醸成され、多岐にわたる重要課題とそのビジョンが共有された」(自民党の中西祐介議員)と高く評価されています。
バイデン米大統領にとっては就任後に初めて対面で会う外国首脳が菅総理。
新大統領の初の首脳会談が日本の総理となったのは、ソヴィエト連邦崩壊直前の1989年のブッシュ大統領・竹下登総理以来です。
強固な日米同盟が内外に示されただけでなく、米中対立が深まる中での日本の地政学的な位置づけが明確になりました。

今日の質疑では野党の議員からも、尖閣諸島や南シナ海、台湾などでの中国の力による現状変更の動きを懸念する声が相次ぎました。
日米首脳の合意文書で『台湾』が言及されたのは、日中国交正常化前の1969年のニクソン大統領と佐藤栄作総理の共同声明以来とのことです。
以前は「日本政府は国際情勢が緊張していると誇張している」という穿った見方をする人もいましたが、国会では日本を取り巻く情勢について与野党間で共通認識ができつつあるということは非常に良かったと思います。

国民民主党の榛葉賀津也幹事長が質問の最後で「非現実的な理想論に拘泥せず、また勇ましいだけの過度な武装論にも流されず、我が国の領土・領海・領空と国民の生命と財産を守るためには政治が冷静に現実を分析し、リアリズムを追求することが大事です」と訴えておられたのが印象的でした。