民進党の代表選挙が始まりました。私には投票する権利はありませんが、3人の候補者の論戦に耳を傾けています。第2次安倍内閣ができて以来、民主党→民進党を見ていて気付くのは、野党幹部の方から「解散総選挙に追い込む」という言葉がめっきり聞かれなくなったことです。

 私は政治家になる前、福田康夫内閣から野田佳彦内閣の間は政治記者として永田町で取材していました。自民党も民主党も野党であった時は「解散に追い込む」が決まり文句でした。

 今夏の参院選では、早くから衆参同日選挙になるかどうか、いろいろな見方が出ていました。しかし、民進党から(前身の民主党の時も)積極的に衆院解散を求める声は上がりませんでした。以前であれば、解散を求める大合唱が起きてもおかしくなかったでしょう。

 もちろん衆院選がたびたびあることは望ましいことではありません。また、内閣総理大臣が自由に衆院を解散できるとする「憲法7条解散」には疑義もあります。

 例えそうであったとしても、野党第一党が「政権与党は国民のためになっていない。我が方に理はあり。解散して国民に信を問え」と求め続けるから、政権運営にも緊張感が生まれるのだと思います。

 口では「政府・与党はダメだ!」と言っておきながら、本音では「解散はやらないで欲しい」というのではあまりにも迫力がありません。新しく民進党の代表になられる方には、政権を担う政党枠組みと政権公約を示し、堂々と解散総選挙を求めていただきたいと思います。