参議院選挙が始まりました。今回の選挙から「鳥取と島根」、「高知と徳島」が合区されました。これまで参院選の選挙区は都道府県単位を維持してきましたが、これが初めて崩れることになりました。合区対象のうち2県は選挙区から当選者を出せなくなります。

 私は20代の頃、鳥取県に住んでいました。妻の出身地は高知県です。合区となった県の方からは「人口の小さい県の意見こそ国政に反映するべきではないか」との悲痛な声を聞きます。参院選後、合区解消に向けた動きを加速しなければなりません。

   この問題について、民進党の枝野幸男幹事長が選挙公示前に高知県を訪れ、「合区を高知に強いたのは自民党だ」「(民進党は合区を)早く解消したい」と発言されています。この記事を見て、私は唖然としました。
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/politics/article/249892


   合区問題については何度もブログで書きましたが、合区を主導してきたのは民進党の前身、民主党でした。


  自民党は各党での選挙制度協議会で、都道府県単位の選挙区の維持が必要として、2人区を1人区にしてその分の定数を人口の多い選挙区に配分する「6増6減」案を主張しました。この案が通っていれば今回の参院選でも鳥取、島根、高知、徳島は県単独で選挙を行うことができました。

 しかし、民主党が合区推進の旗を振り、20県を合区する案を国会に提出。自民党が自分たちの案に固執すれば、20県10合区が実現する事態に追い込まれてしまいました。苦肉の策として、少数政党が提案していた4県2合区という「よりまし」な案に乗らざるを得ませんでした。両案が審議された参議院本会議で、ある民主党幹部の方が「自民党、恥を知れ!」と大声で野次られていたことが忘れられません。

   民進党の方々は、ご自身の案で合区対象としていた佐賀、長崎、大分、宮崎、香川、愛媛、奈良、和歌山、山梨、長野、石川、福井、富山、岐阜、秋田、山形の各県で「本来はこの県は合区すべきだった。県単体で参議院選挙を戦えるのは今回が最後にします」と訴えるべきです。そして、高知や鳥取では「ここだけを合区にして申し訳なかった。本来であればもっとたくさんの県を合区にしようしていたが、力不足だった」と正直に語るべきだと思います。それでこそ、恥を知る責任政党の姿ではないでしょうか。