最近、問題となっているセクハラやじについて思うことを書きます。

 自民党所属の都議会議員が未婚の議員の質問中に「早く結婚した方がいいんじゃないか」とやじを飛ばし、国会でも自民党の代議士が同質の暴言を吐いたことが発覚しました。各メディアによると、この2件に留まらず、似たような事例が各級議会であったとのことです。

 この問題が報道されて以来、「やっぱり自民党は…」と厳しく指弾されています。自民党そのものがダメだと言われることも少なくなく、党員の一人として恥ずかしく、また申し訳なく思います。これからの政府・自民党の行動が問われるのだと思います。

 私はこの夏で35歳になりますが、いまだ独身です。別にポリシーがあって独身なのではなく、20代の頃から結婚したいと思っていましたが、現在に至っています。一昨年、国会議員の候補者になってからは、何百回と「政治家なんだから早く結婚しないとダメだ」「結婚もしていない人間が少子化問題を語るな」などと言われてきました。「結婚してから一人前。嫁さんもおらん奴は信用ならん」とおっしゃる方もいます。

 少子化改善に貢献できていないことに罪悪感を抱きつつも、同じようなことを言われ、心を痛めている方が大勢いらっしゃるんじゃないかと案じています。また、「男になら言っても問題ない」という空気もしばしば感じます。社会の意識を変えていく難しさを感じます。

 一方で、女性が主婦になり、家庭に入ることを時代錯誤のように言う物言いには眉をひそめます。「子供の頃、家に帰るといつも一人で、他の友達が羨ましかった。自分の結婚相手には家にいてほしい」と言う人もいます。奥さまに主婦でいてもらうために、頑張って稼ぐんだという人だっています。自分や配偶者がどういう生き方をするかは家族の問題で、他人がとやかく言うことではありません。

 大切なのは、家族のことは家族で決められることです。労働人口が減る中、高齢者や女性が働きやすい環境をつくるのは重要ですが、成長戦略の文脈であまりにも女性の力を強調すると、女性を政策上のツールとして見ていると誤解されるのではないかと危惧しています。

 女性政策が政治の論点にならないような社会が理想だと思います。そのためには、政治の世界とともに、社会全体の意識も変えていく必要があると考えています。