女の平和、終えました。 | 藤井悠平の悠々カームなブログ

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俳優、藤井悠平のオフィシャルブログです。

JAM SESSION.12『女の平和』

無事11ステージを終え、幕を閉じました!!
なんと全ステージ満席。
ご来場頂いたお客様、本当にありがとうございました!!

そして止むを得ずお断りした方、
ご都合が合わなかった方、
お気にかけて頂き感謝です。


5年半ぶりのJAM SESSION。
扱った作品はアリストパネスの「女の平和」

見て下さった方にはお分かりのように、
とんでもなくド直球の下ネタ芝居でした。

それに輪をかけて、西沢演出の勢いとスピード(笑)
11ステージ、様々な反応でしたね。
大爆笑の回もあれば、クスリともこない回もあり。

正直、どう見て良いか戸惑う作品だったと思います。受け入れられない方は受け入れられなかっただろうし。男と女、また年齢によっても反応ポイントが違ったでしょうし。


さて。
そんな作品だと分かっておきながら、なぜ僕がこんなにもJAM SESSIONと、この芝居をオススメしてきたのか。
それを実際にお芝居を見て伝えられていなかったんだとしたら、本当にごめんなさい。
それはもう、僕の役者としての技量のなさ、未熟さだったんだと思います。


今回の作品は、2400年前にギリシャで書かれたお話。

作者はアリストパネス。

当時ギリシャでは同じ民族同士での内紛、ペロポネソス戦争の真っ只中でした。
その戦争を止めたい一心で、アリストパネスはこの喜劇を書きます。

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バカな男達の戦争を止めるため、
女のたちはセックスストライキを起こす。
「この戦争をやめないかぎり、私たちはセックスしません!」
性欲に耐えられなくなった男達は、セックスするため和解に応じ、戦争は終わる。

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…ストーリー、6行で終わりました(笑)

なんちゅう話だ。

ただ、やらせない、やりたい、の喜劇。

でも最後はちゃんと戦争が終わります。


実際の歴史では、
この女の平和を上演した後、
残念ながらペロポネソス戦争は激化し、ドロ沼化していきます。
アリストパネスは以降、あまりメッセージ性のない作品ばかり書くようになったそうです。


…歴史の勉強はここまでにして。


この2400年前に書かれたメッセージを、今僕たちが演じること。

それは別に反戦運動がしたいわけじゃなくて、

演劇をしたいんです。


『セックスをさせない』が芝居のなかでは戦争を終わらせます。

笑い話。
現実味はなく、
演劇でしかなり得ない和解という奇跡。

でも何故かその奇跡が起きた瞬間に僕たちは感動してしまうし、
そこに愛と平和を垣間見る気がします。


今、いろんなことが複雑で、

国同士でも、日本のなかでも、

身近なところでも、ちょっとした戦争がある気がします。 

それは夫婦間だったり、

仕事場だったり、友人関係だったりもするかもしれません。


そういった様々な戦争に、和解という奇跡が起きますように。



演劇は食べ物にもお金にもならないけど、

これを見たあなたに奇跡が起こることを信じて。

演劇なら何度でも戦争は終わるし、何度でも愛し合える。



西沢さんが言う、僕の好きな言葉があります。



『演劇が、いつも皆さんとともにありますように』



だからJAM SESSION好きなんです。


そして、それを信じて一緒に突き進める共演者とスタッフ、本当に最高の仲間です。


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支離滅裂な長文、読んでくださりありがとうございました。



PS.

劇中のあの大きなバズーカは、2400年前のギリシャ人の役者も付けて演じてたそうです。


あと最後の映像シーン。エンディング曲のバックに、安倍晋三とトランプと金正日のスピーチが、うす〜く流れてました(笑)