街人の話し1 Miyu



信仰心が強いMiyuという人がいた。


Miyuが出産した日、産まれてきた赤ちゃんは、心臓に問題を抱えていた。治すことができず、命は尽きてしまうと医師からと言われたそうだ。

泣いて泣いて、藁にもすがる思いの時、祈らせて欲しいと言って、3日間、赤ちゃんに手をかざした人がいたそうだ。すると、赤ちゃんの病気は治ったそうだ。


Miyuは、信仰に目覚め、この素晴らしい奇跡を広めたいと強い情熱を燃やしたそうだ。


布教活動に注力し、日増しに大きくなる赤ちゃんには、予防接種も一切受けさせず、学校へも行かせていなかった。

いつも、その教えを広めることが最優先だった。

働くことは最低限となり、生活はままならなくなり、借金をした。経済的には困窮していたが、信仰心が薄れることはなかった。借金の取り立てが訪れ、ついに、アパートにも居られなくなり、住まいを転々としたそうだ。


そのような中でも、信仰心が弱まることはなく、旅費を払って集会へも欠かさず参加をし、献金もしていた。献金をすると位があがるのだそうだ。

幾度となく、自分の家族や友人の家を訪れ、入信を促した。何度断られても、決して諦めることはなく、夜中になっても帰ろうとしなかった。


Miyuの夫も同じ信仰心を持っていたが、会社で横領をし解雇になったそうだ。

そして、Miyuの夫も定職に就くことができなくなっていた。


2人は離婚をしたが、一緒に暮らしていた。

Miyuは、夫の姓でも、旧姓でもなく、自分の母親の旧姓を名乗っていた。

そして間もなく、2人目の子どもが産まれた。


赤ちゃんだった1人目の子は、大人になった。

しかし、彼もまた、仕事は長く続かなかった。

知人から紹介してもらった仕事も続けることができなかったそうだ。頭が痛い、起きられないなどで仕事に来なくなってしまい、ついには、紹介者からも見放されてしまった。


やがて、2人目の子も大人になった。2人目の子は、自動車整備士の資格を取り、仕事に就いた。そして恋人ができた。


Miyuと別れた夫、1人目の子は、2人目の子がローンを組んで建てた家に住んでいる。

そこには、2人目の子の恋人も住んでいるそうだ。


幸せの形とは、人それぞれだ。


とある街の街人から聞いた噂話しだ。