来週12日月曜日発売の週刊スピリッツより、アオアシ外伝である「アオアシ・ブラザーフット」が連載開始します。

 

 

アシトが東京エスペリオンで必死にプロを目指す一方、愛媛に残った兄の瞬を主人公に、愛媛FCをモデルにしたチームを通して地方のJユースを描きます。

 

 

以前、月刊スピリッツでの掲載と言いましたが、話が進んでいくうちに「週刊で本編と同時に掲載も良いのでは」という話になり、実現しました。

 

 

 

単行本1巻ぶん、5話まで描きます。

 

 

そのあいだ、アオアシ本編も掲載されます。

 

 

ブラザーフットが載る5話ぶん全て本編も載るよう合わせたので、全部そうなります。

 

 

夢がひとつ叶います。

 

 

子供の頃、僕にとって漫画家はスターでした。週刊ジャンプで聖闘士星矢がポセイドンと戦ってた本編のすぐ後に氷河の外伝を平気で載せていたり、幽遊白書で本編と一緒に蔵馬と飛影の出会いの漫画を載せていたり。

 

 

「漫画家はすごい。スーパーマンなんや」

 

 

ジャンプを見て車田正美先生や冨樫義博先生に胸を高鳴らせました。

 

 

同じことができたらと思っていたら、機会が訪れました。

 

 

できるうちにやっておこうと思いました。

 

 

いま頭フラフラで、なんで原稿があがってるのか見当もつかないが、夢を叶えるためでしたのでやります。

 

 

 

 

 

愛媛FCのこと。

 

 

サポーターになった当時、漫画家として売れてないわけでお金がなかった。

 

 

なので直前にフジに行ってチケットを買っていた。フジだと前売り券で200円安くなる。

 

 

毎試合行ってたから、積み重ねで200円でも大事。

 

 

そうやってまで行ってた。でも負ける試合の方が圧倒的に多かった。

 

 

惨めな思いで帰る。

 

 

なんでこんな思いをしなければいけないのか。

 

 

選手はやる気がないんじゃないか、何も考えずにやってるんじゃないか。なんのためにこんな弱いチームを応援しているのか。応援なんかしたって意味がない。多分みんなが思うようなことを自分も思った。

 

 

強いチームのサポーターだったら幸せだったんだろうか。常勝のチームと大きいスタジアムで応援できたら、いまもっと幸せだったろうか。そんなのも。

 

 

じっさいサポーターをやめるのが多分一番楽だったろう。

 

 

でもやめてやると思っても、1週間経ったらやっぱり観てしまう。

 

 

小さなクラブを応援する人は、みんな同じ。

 

 

誰かに言われて応援していたわけではなく、自分で選んでそうしていたから。

 

 

だからそれでも試合の日になればピッチに立つ11人を頼りに思って、信じて送り出していたと思う。みんな同じ。それはもうみんな同じ。

 

 

森谷賢太郎選手から、ちょっと前にメールをもらった。

 

 

負けた試合の翌日に、インスタグラムに何気なく投稿された愛媛FCサポーターのお母さんのメッセージに元気づけられたということだった。

 

 

その投稿の内容はとても良かったんだけど、それより重要なのは「あ、選手はサポーターの投稿を見てくれているんだ」と思ったことだった。

 

 

そのお母さんも、まさか選手が見ているとは考えてない感じで載せてた。でも当たり前のように選手はそれを見ていた。

 

 

選手こそ、負けた試合のあと、やりきれず、どうしていいか分からず、何かにすがりたくなるのだと思った。人間なんだから当たり前だよなと。

 

 

だからつまり、最初に言った、応援なんかしたって意味ないんじゃないかっていうのは、意味はあるよと言える。無力なんてあり得ないよと言える。

 

 

勝てなくて悔しい気持ち、惨めになる気持ち。眠れない1週間。このクラブのために何とかしたいという気持ち、一緒なんだから。サポーターと選手は一緒。

 

 

 

上のお母さんのように、SNSとかに、力になる一言を書いてもきっと届くと思いますよ。

 

 

 

途中から指揮を引き継ぎ、自信を失った選手たちをまず笑わせるところから始めた人が、必死にやっている。

 

 

その人が笑っていると、いい状態だなと感じるので、まずはまた、笑ってもらえたら。今度は選手が笑わせられたら。

 

 

来週月曜日からスピリッツでスタートします。単行本派でも全然OKですが、愛媛FCに関わる人にはぜひ毎週読んでもらえたらと思います。

 

 

漫画家の自分ができる、1番の応援です。

 

 

7月と8月で全5話です。ぜひ。