🌏 文化の違いを現場の力に変えるために
このシリーズでは、外国人労働者の理解を深める一助として、国別の特徴や働き方の傾向をまとめていきます。
外国人の方と円滑に働くためには、その国の文化的背景や歴史、風習を理解することがとても大切だと考えています。
少しでも、外国人労働者に対する偏見や誤解が減り、よりよい職場づくりにつながることを願ってお届けしています。
個人的な見解も含みますし、すべての方に当てはまるものではないことをご承知おきください。
近年、特定技能や技能実習で増えている「バングラデシュ人」について、歴史・宗教・文化的特徴から、職場での接し方までご紹介します。
バングラデシュについての基本情報
1. 歴史的背景
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かつてはインドの一部 → パキスタン東部 → 1971年に独立。
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歴史的にインドやイスラム文化の影響が強い。
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労働人口の多くが海外で働き、出稼ぎが国の経済を支えている。
2. 言語
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公用語はベンガル語(バングラ語)。
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英語も行政や教育で使われており、英語教育に力を入れている国。
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日本語は来日前に学ぶケースが多く、基礎会話ができる人も多い。
3. 文化・風習
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礼儀を重んじ、上下関係を大切にする文化。
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人とのつながりを重視し、家族や地域の絆が強い。
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集団行動や協調性を重んじる一方、プライドが高く自尊心を大切にする面も。
4. 宗教
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国民の約90%がイスラム教徒(スンニ派)。
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豚肉NG・アルコールNG・ラマダン(断食月)あり。
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1日5回のお祈り、金曜は聖日として重視されます。
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ヒンドゥー教徒も一部存在。
5. 気候・風土
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熱帯モンスーン気候(高温多湿)、雨期と乾期がある。
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農業が基盤のため、自然や季節に敏感で忍耐強い人が多い。
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冬や寒さには弱い傾向があり、日本の冬は大敵。
バングラデシュ人の特徴と職場での付き合い方
6. 労働観・性格の傾向
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まじめで努力家、粘り強い
家庭を支えるための強い責任感を持って働いています。 -
ルールを守る意識が高いが、指示待ちの傾向
自分の判断より「上の指示に従う」意識が強い。 -
チームワークよりも「信頼できる上司・先輩」への忠誠心
良い上司に出会えば非常に協力的になります。 -
宗教的な行事・習慣を守ることはアイデンティティ
これを尊重すると、職場への忠誠度が上がります。
7. よくある誤解とその対応
➡ 事前の相談で柔軟に対応可能しないといけません。お祈りの時間の捻出など。
➡ ゆっくり確認&視覚サポートが効果的。
➡ ハラール対応を徹底し、信頼を得る。
➡ 休憩の工夫でパフォーマンスを維持してもらいましょう。
8. 職場でのコミュニケーションのポイント
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✅ 「叱るより褒める」が信頼関係を作る鍵
自尊心が高いため、頭ごなしに叱るのは逆効果。 -
✅ 宗教行事・お祈りへの理解が最も重要
時間の調整やスペースの配慮が、職場定着の決め手に。 -
✅ 理解できるまで待ち、焦らせない
分からない時は沈黙する傾向があるので、質問しやすい雰囲気づくりを。 -
✅ 「誰が上司か」を明確に
指示の系統がはっきりしていると動きやすくなります。