🌏 文化の違いを現場の力に変えるために
このシリーズでは、外国人労働者の理解を深める一助として、国別の特徴や働き方の傾向をまとめていきます。
外国人の方と円滑に働くためには、その国の文化的背景や歴史、風習を理解することがとても大切だと考えています。
少しでも、外国人労働者に対する偏見や誤解が減り、よりよい職場づくりにつながることを願ってお届けしています。
個人的な見解も含みますし、すべての方に当てはまるものではないことをご承知おきください。
技能実習生や特定技能などで近年増えている「ネパール人」について、文化的背景や職場での対応ポイントをご紹介します。
ネパールについての基本情報
1. 歴史的背景
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ネパールはかつて王政国家で、2008年に共和制へ移行。
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インドと中国に挟まれた内陸国で、長くインドの影響を受けてきました。
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経済的には発展途上で、海外出稼ぎが家計の支えとなっている家庭も多いです。
2. 言語
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公用語はネパール語(デーバナーガリー文字)。
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多民族国家のため、家庭や地域で使う言葉も多様(タマン語、ネワール語など)。
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日本語は来日前に学ぶことが多く、日常会話レベルの人も多いです。
3. 文化・風習
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敬意・謙遜を大切にする文化
年上や上司を敬い、対立を避ける傾向があります。 -
家族思いで助け合いの精神が強い
「人とのつながり」を重んじるため、団体行動を好む人が多い。 -
宗教の影響もあり正直で、責任感のある性格が多く見られます。
4. 宗教
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主にヒンドゥー教(約80%)と仏教(約10%)。
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牛を神聖な動物とする文化があり、牛肉は基本的に食べません。
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宗教行事や禁忌が多く、文化的理解が職場での信頼関係に直結します。
5. 気候・風土
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山岳地帯から亜熱帯まで、気候は地域によりさまざま。
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冬に弱い人も多いため、寒冷地や空調の強い職場では配慮が必要です。
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多くの人が農村出身で、自然との調和を大切にしています。
ネパール人の特徴と職場での付き合い方
6. 労働観・性格の傾向
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真面目で責任感が強い
与えられた仕事には誠実に取り組み、コツコツ頑張るタイプが多いです。 -
指示には従順で、控えめ
自分から意見を言うよりも、指示を待つ傾向があります。 -
向上心があり、日本語や技術習得に意欲的
「技術を持ち帰る」という意識が強く、学ぶ姿勢は前向き。
7. よくある誤解とその対応
➡ 優しく再確認をする姿勢が大切。
➡ 小さな自主性を褒めると良い。
➡ グループ単位の声かけが効果的。
➡ 食事面での配慮をきちんと行うことが信頼につながる。
8. 職場でのコミュニケーションのポイント
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✅ 感情を出さず、我慢してしまう傾向あり
問題があっても自分から言わないので、定期的な声かけが重要。 -
✅ 失敗したときは責めず、励ますスタイルで
萎縮せずに成長するための環境づくりを。 -
✅ 仲間と一緒に動く方が力を発揮しやすい
個人よりもチームでの役割を明確に伝えると良いと思います。 -
✅ やさしい日本語と視覚的なマニュアルを活用
作業内容や注意点は「見てわかる」形で。 -
✅ 文化・宗教行事(例:ダサイン、ティハール)を尊重
休日調整や挨拶を通じて、気持ちの良い関係が築けます。