🌏 文化の違いを現場の力に変えるために
このシリーズでは、外国人労働者の理解を深める一助として、国別の特徴や働き方の傾向をまとめていきます。
外国人の方と円滑に働くためには、その国の文化的背景や歴史、風習を理解することがとても大切だと考えています。
少しでも、外国人労働者に対する偏見や誤解が減り、よりよい職場づくりにつながることを願ってお届けしています。
個人的な見解も含みますし、すべての方に当てはまるものではないことをご承知おきください。
日本でも技能実習生や特定技能人材として多く働いている「ミャンマー人」についてです。
ミャンマーについての基本情報
1. 歴史的背景
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かつては「ビルマ」と呼ばれ、19世紀にイギリスの植民地でした。
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第二次世界大戦後、1948年に独立。長く軍政が続いていましたが、民主化と混乱が交互に起きてきました。
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現在も政情不安定な状況が続いており、多くの人が生活の安定を求めて海外就労を希望しています。
2. 言語
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公用語はミャンマー語(ビルマ語)。
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日本に来る技能実習生や労働者は、来日前に日本語を学んでいることが多いですが、会話は初級レベルの人が多いです。
3. 文化・風習
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穏やかで礼儀正しく、控えめな性格が多い。
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「ありがとう」「すみません」などの言葉を丁寧に使う文化。
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食事は手で食べる文化も残っており、日本のマナーとは異なる点も多いですが、基本的に他人を尊重します。
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上座部仏教が強く根付いており、「徳を積む」「怒らない」ことを大切にする精神文化があります。
4. 宗教
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国民の約90%以上が仏教徒(上座部仏教)。
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仏教行事や僧侶への敬意は非常に大きい。
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特に男性は一度は出家する習慣もあり、宗教的価値観が生活に深く根ざしています。
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宗教・信仰に関する配慮は信頼関係を築く上でとても重要です。
5. 気候・風土
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熱帯モンスーン気候で、高温多湿かつ雨季と乾季がある。
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寒さに弱い人が多いため、冬場の服装や室温管理に配慮が必要です。
ミャンマー人の特徴と職場での付き合い方
6. 労働観・性格の傾向
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真面目で素直、几帳面
丁寧に教えるとしっかり実行します。まじめで勤勉な姿勢が評価されやすいです。 -
「和」を重んじるタイプ
自分の意見を強く主張せず、協調性を大事にします。 -
感情を表に出しにくい
困っていても黙ってしまうことがあるため、こまめな声かけが必要。 -
叱責に対して萎縮しやすい
強く叱ると自信をなくしてしまうことがあるため、冷静で穏やかな対応が効果的。
7. よくある誤解とその対応
➡ やさしく繰り返し聞くことで、安心して話せる
➡ 小さな成功体験を重ねる指導が効果的だと思います。
➡ 笑顔の裏に困りごとがないか気を配ることが大切です。
8. 職場でのコミュニケーションのポイント
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✅ 叱らず、褒めて伸ばす指導が効果的
自信を持たせることが習得スピードを上げるコツです。 -
✅ 「わかった?」ではなく、確認クイズ型で理解度をチェック
「これ、どうやるか説明してくれる?」など、自然に確認できる方法が有効。 -
✅ 非言語的コミュニケーション(表情・ジェスチャー)を活用
言葉が通じにくいので、やさしい声かけと、視覚的なサポート(絵・写真・動画)が良いと思います。 -
✅ 話す機会を作る=信頼関係を築く第一歩
お昼休みや仕事前後に軽い会話を心がけると、働きやすさが格段にアップします。 -
✅ 宗教や文化行事への配慮
仏教の祝日や精進料理など、本人が大切にしている習慣を尊重することが信頼につながります。