今日もまた病室のドアをノックできずに回れ右をした途端に見たくもない顔と鉢合わせて思わず呻き声を上げれば、白地な素振りに対し何故だかそいつは愉快そうに笑う。
「……こんな所で何してるんです? カメラ片手にうろつくような場所じゃないと思いますけど」
「そんな顔するなよ、撮りたくなるだろ。何、面白いもんでも写らないかと思ってな。許可は取ってないが」
怒ってもいいところなんだけれどそんな気力もないので溜息を吐いて歩き出せば、当然のように後ろをついてきて「どうだって?」なんて聞いてくる。
「いつもの如く、ですよ。どうして退院できないのか――しないのか、不思議なくらいです。もういいのに。もう、タカトさんは関わらなくていいのに……無意識に、拒絶でもしてるみたい」
「都合のいい考えだな。だが嫌いじゃない」
嬉しくないです、と顰めっ面をしたら、すかさずシャッターを切られてしまった。
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イズク・サムラ