『親が認知症かなと思ったら読む本』
和田秀樹著 2021/11
読みました。
******************************:
~紹介~
●「もっとやれることがあったのに」と後悔しないために
■認知症という診断に悲観しない
■病院・薬・老人ホームとの付き合い方
■年を取るほど肉食を心がける
■老化防止に落語と音楽
■家の中に閉じ込めない
■一人暮らしの方が認知症の進行は遅い
■実は認知症ではないケース……
●「老年精神医学」が教える認知症との付き合い方
大事なことは、「親に機嫌よく生きてもらうこと」です
老いた親が認知症と診断されたからと言って、子どもが絶望する必要はまったくありません。
認知症は、それ自体が直接的に死に結びつく病気ではありませんし、対応次第では症状を緩和させたり、進行を遅らせたりすることが充分に可能だからです。
いつかは来る親の死を前に、そして後悔しない親子関係のフィナーレを迎えるために、本書が読者のみなさまのお役に立つことを祈ってやみません。 (「はじめに」より)
*******************************
~個人の感想~
いろーんな著作がおありの有名な精神科医、和田秀樹さんが、2018/11に刊行の『先生!親がボケたみたいなんですけど…』を改題し加筆・修正して文庫化したものです。
ずっと「うつ」に関するもの読んでて、今度は「認知症」??ってwww
はい、夫の義母(80歳代後半)が車で2.5時間くらいのところで一人暮らししてて、ご多聞にもれず3年くらいまえから「あれれ?おかしいぞ~凹」って思うことが増えてきまして。
そのとき、思い切って大きな病院の「物忘れ外来」で診ていただいたのです。
(超人気?で、予約してから診てもらうまで3ヶ月くらいかかったよー)←(そうこうしてるうちにどんどん進行しちゃったらどーすんだべ?って焦ったよー)
いろんなテストして問診して、お医者さまの結論は「うーん、“年相応”ですね」だったらしく。。。
「らしく…」というのは、、、
問診もお医者さまの診断も、今思えばまだそのときは義母がちゃんとして見えたんだろうなー(失礼な言い方だけど)、わたしは同席できないうちにすすんじゃったんですよね。
「お嫁さんはあちらでお待ちください」って。
だから、義母が直接「“年相応”って言われた」「らしい」だけで、わたしもホントは同席して直接「それって“認知症”テキにはどうなんですか?」とか聞きたかったなぁって思ったけど。
で、わたしとしては“認知症”と言われず“年相応”と言われたことでホッとしたのだけど、当の義母は「年齢より若いと思ってたのに凹」って逆にショックを受けてて、そこらへんのズレが面白かったです(^^ゞ
そのときに要介護認定とかケアマネージャーさんを依頼する手順を教えていただいて、すっごくスムーズに「支援」を結び付けていただいて、いまはほんっとーーーに助けられてます。
具体的には、そのときは「要支援2」⇒その後、いまは「要介護1」と認定され、とっても信頼できる気さくなケアマネージャーさんと出会えて、ヘルパーさん&デイサービス&リハビリのお世話になっています。
だけど今年にはいって、とつぜん発熱したりめっきり足が悪くなって杖なしでは歩けなくなったり…もちろん物忘れもひどくなって…と、いつまで一人暮らしが続けられるんだろう、、、だけど施設に入所となると要介護度3~じゃないとダメだし、、、なんて、心配がだんだん大きくなってます。
(「入所」は無理だけど「ショートステイ」をできるだけ利用しましょう、とのケアマネさんの助言で、先日から利用させてもらってます。)
すでにそんな状況なので、きっとこの本読んでも「いまさら?」なライトな内容なんだろうな~って思いつつ読んでみましたが、
実際とっても読みやすくライトだけど、この3年くらいでうすうす感じてたことが言語化されてたり、再確認できたり、で、これからの心の指針としても、とってもよかったです。
例によって感想書くの下手なので(^^ゞ
目次を書き写してみます。
これで内容がわかると思いますので(安易www)
*********************************
はじめに 後悔しない親子関係のフィナーレを!
*「親のボケ」をどう受け止めるか
*いまや認知症はガンに匹敵する大テーマ
*親子関係を見つめなおす機会として…
文庫のための前書き
*子どもにできることは、まだたくさん残されています!
【プロローグ】「あれっ、親がちょっと変?」と感じたら
◎なんでも「ボケ」で片づけない!
◎「認知症」の診断が間違いである可能性
◎「認知症」に対する心構え
【第1章】そのとき、親には何が起きているのか
◎脳は加齢でどうなっていくのか
◎物忘れがはじまったとき
◎耳が遠くなったとき
◎妄想傾向が強まったとき
◎「依存症」が起きたとき
◎身だしなみが崩れてきたとき
◎認知症の親にも役割を!
【第2章】「変わりはじめた親」に子どもはどう向き合えばいいのか
◎「いま現在の親」ときちんと向き合う
◎親の症状に感情的にならない
◎「脳」の余力を引き出す
◎あえて脳を「悩ませて」みる
◎エンターテインメントに触れさせる
◎刺激のハードルはどんどん上がると心得る
◎好きなものを食べさせ、飲ませる
◎ギャンブルだって悪くない
◎老いた親の性的関心を理解する
【第3章】老いた親に機嫌よく生きてもらうために
◎頭ごなしに否定しない
◎悲嘆には、まず寄り添ってあげる
◎「死にたい」が口癖になったら
◎「お金への執着」の意味
◎親の昔話、自慢話との付き合い方
◎「いまも頼られている」と思わせる
◎「セロトニン」で不安が和らぐ
◎「男性ホルモン」でポジティブに
◎これまでの「がんばり」に敬意を
【第4章】親子関係のフィナーレで後悔しないために
◎親を家に閉じ込めてはいけない
◎親が一人暮らしを望んだら
◎生き方の「質」を下げない
◎高齢者は「ほどほど運動」でいい
◎便利グッズでストレスをなくす
◎ラクになるなら薬は全然悪くない
◎病院とどう向き合うか
◎根拠のない認知症対策もある
◎介護は専門的な仕事と割り切ってもいい
◎「持ち家」なんか残させなくていい
◎親が希望する死に方について
*********************************
こんな内容です。
いろんな機会によく聞いたことある内容ばかりかもしれませんが、まとめて読むとストンストンと入ってきますw
とくに印象に残ったのは、まずそもそも「老いてきて様子がおかしくなってきた」=「認知症」ときめつけてはいけない。
「老人性うつ」の場合も多いということ。
義母の場合はキホン機嫌がよくて、感情の浮き沈みもない方だったので「うつ」を疑うこともなかったけど、そこ、必要なことですよね。
あと、やっぱり最初は「受け入れがたい」ですよね。
義母もすっごく「しっかりもの」だったので、最初「あれれ?おかしいぞ~??」が増えてきたころは、いちいち訂正したり確認させたり言い聞かせたり、をした方が「もの忘れもよくなる」かと思って、キツい「いいきかせ」なんかしちゃったなーって反省しきりです凹
和田先生も書かれてますが、いちいち「正そう」とせずに「受け入れる」こと。
「そうだよね~」「そうなの?」のあとで「でも〇〇になったみたいだから書いとくね」に、うちも自然になっていってます。
まぁ正直「言ってもムダ」に慣れちゃったわけですけどw
最初から、ほんわり受け入れてればよかったなー(反省)
あと最後の方、いまの老人医療とか精神医療とかにたいする苦言が多くて「そうだよねー」ってひざポンでした。
たとえば、後期高齢者検診で血圧や血糖値やコレステロールが基準より高いと「医者は喜んで山ほど薬を出します」(←って書いてあるw)
でもこういう薬って「10年後、20年後に脳卒中や心筋梗塞を起こすリスクを下げること」が目的だから、75歳すぎたお年寄りに山ほどこんな薬を飲ませて「予防策」を取らせることに意味はあるのか?って。。。確かに!!!
そんで、そういう医者ほど、「眠れない」とか「頭が痛い」とか「足が痛い」とかで睡眠剤や痛み止めを求められても「薬の飲みすぎはイカン」とか「自然治癒力を妨げてしまう」とか言って、いま辛い症状をやわらげるための薬は出してくれなかったりする。。。
キィーーー腹がたつぅ~
義母の主治医せんせい、ちゃんと「言ったとおり薬を出してくれる」せんせいでよかった♫(←程度モンダイ)
最後に、和田先生は精神科医であられるので、「精神科」にかかることへの偏見も嘆いておられます。
ただし、精神科医も「ピンキリ」で(いやピンキリとは書いてないけどw)たとえばずーーっと大学教授やってて定年になっていきなりクリニックをひらいたような、ほとんど臨床経験のない「精神科医」も多い、、、と。
「臨床ファースト」「患者ファースト」の医者を選ぶべき、と書かれてるけど…それちゃんと選べたらそりゃいいよな~。
選べないから困るんですよね。
先日、グーグル口コミで根拠ない誹謗中傷かかれたお医者さんたちが立ち上がって、わたしも口コミ参考にするときは「悪質な誹謗中傷目的」もあることをキモに銘じねば、とは思ったのですが、やっぱり「臨床ファースト」「患者ファースト」の先生を求めて口コミ見ちゃうんですよね。
以上、今回も長々とすみません。
明日からまた帰省するけど、お義母さんへの接し方、なんかいい方に変われそうです…(な、気がします(^^ゞ)