ポルトガルひとり旅4日目。
行動日は今日が最後。
晴れの天気予報だったので、山の上を歩く日にしようと決めていました。
アロウカ国立公園には数日間かけて歩く長距離トレイル(GR)と短いハイキングトレイル(PR)があり、わたしが選んだのはPR15: trips to the prehistory。
宿泊しているアロウカのロッジから車で30分ほどの山の上にある17kmの周回トレイルです。
これもまた車でなければいけない場所なので、やっぱりレンタカーを借りてよかった。
どう考えても車一台ぎりぎりの田舎道をハラハラしながら走ってスタート地点までやってきました。
このような番号のサインを道標に歩いていきます。
まずは民家のある集落を通り抜けるのですが、こわいくらい人気がない。
かわりに野犬というには人懐こすぎる自由な犬たちが道路の真ん中で寝ていました。
集落を抜けると一気に高度を上げて行きます。
石灰石の南ドイツから一転。シリカをふんだんに含んだ石英ロード↓
珍しくてついつい下を見ながら歩いてしまう。
花崗岩がごろごろ露出する水はけの悪い序盤は、湿原のように水が溜まっていて美しかった。
が続くのかと思いきや、普通に道路を通り抜けたり、家畜がつながれた集落に入り込むユニークなトレイルでありました。
次の集落に入って行きます。
この集落の手前の岩石にはゴロゴロと穴が空いており、生痕化石かもしれないからあとでよく見てみようと思い写真撮影。
やはり人気のない集落↓
まったく標識が見つからず道に迷い人に聞いてみたところ、ジオポイント(GT07)があるのを教えてもらい、先ほどの穴の空いた岩の謎が解けました。
Pedro’s Parideiras - Birthing stones
屋外にも展示あり。木道で囲われているのは保護のためだと思うのですが、普通に入っていっちゃうポルトガル人たち↓
生痕化石じゃなかったけど、運のよいことにノジュールと思われる黒雲母の塊を先ほどの岩場で拾っていたのでありました。
ドイツに戻ったらクリスマスにもらった電子顕微鏡で観察してみようと思う。
道迷いによる偶然ではありましたが、おもしろい岩石が見れたので満足して次のポイントに進みました。
集落の外に出て丘を登りはじめて、ようやく標識が出てきた。
トレイルは丘の向こう側に続いているので、またここで一気に登り高度を上げます。
さっきまでいた集落がミニチュアのようです。
丘の下の集落では花崗岩からノジュールが『生まれていた』のに、丘の反対側は直立に隆起した粘板岩。
自然はダイナミックであります。
次の丘にはまた花崗の大きな一枚岩↓
写真奥の丘の上から100mもないのに露出する岩石が全く異なるというおもしろさ。
やっぱりこのトレイルを歩けてよかった。
三つ目の集落も人気はないのですが、やっぱり自由な犬が闊歩し、なぜかゴミ箱のとなりに牛が横たわる。
川のそばの公園ではポルトガル人たちがピクニックを楽しんでおりました。
花崗岩がゴロゴロしたトレイルを歩いていると屋久島ハイクを思い出しました。
川で飲料水を現地調達しながら無人小屋で縦走したのもよい思い出であります。楽しかった。
ラスト3kmは山の上のひらけた一本道を歩いて行きました。
ジオサイトがあるという標識があったのに、全く気づかなかった。
1.5lしか水を持ってこなかったので、りんごで水分調達。
初日にポルトのスーパーで購入したドイツでは見かけない種類のりんごでしたが、みずみずしくて美味しかった。
17km無事に歩き、PR15スタート地点のMerujal村に戻ってきました。
いくつか集落を通ってきたけど、この村ではじめて住民を見た気がします。
そのほかの村は、家畜と犬しかいなかったのがちょっと不気味でした。
やっぱり人の生活する場所はあたたかい雰囲気があります。
Merujalの村がゴールかと思いきや、山ハイクにありがちな駐車場までの最後の1kmはやっぱり辛かった。
ゴール感をだしてしまったので、舗装道路の上り坂がなかなかきつかったのでありました。
やっと駐車場に戻ってきた。
トレイルの通過地点ではなかったので、パノラマビューを楽しめる展望台に寄って帰りました。
見渡す限り緑なのがうれしい。
帰り道も狭い道路をのろのろ安全運転して、なんとかアロウカの町まで戻ってきました。
フルーツやポンデケージョだけでは5時間ハイクのカロリーが補えずはらぺこだったので、アロウカ滞在初日に行った食堂を再訪。
ドイツのようにドレッシングの海に浮かばないさっぱりしたオリーブオイルのサラダがとっても美味しかった。
ポルトガルひとり旅もこれにて終了です。
明日は朝7:00にロッジを出発し、ラッシュアワーに巻き込まれないよう早めに空港に向かいます。
ポルトガルの大自然を堪能した充実のひとり旅でありました。
次はどこに行こうかな。