🧵この記事はきっかけ(1)からの連続シリーズです
 
 
その日は気持ちのいい爽やかな秋晴れでした。むしろ少し暑いくらいでした。天気がいいので散歩がてらホテルから歩いて交番に行くことにしました。
 
 
交番に向かう途中、中華の伝統楽器のお店がありました。Pattyは二胡を習い始めた私が好みそうなお店だと思ったのか、楽器店に入って行きました。私もPattyの後について楽器店に入ると、Pattyは初対面の店主のおばちゃんに、日本の友人が二胡を習っているので店に入ってみたこと、その友人が携帯を落としたので今から交番に行こうとしていることなどを話していました(笑)すると店主のおばちゃんは、ひとしきりお店の紹介やお店で行われる演奏会の案内をした後、一緒に店の前の大通りに出て、交番の方向を教えてくれました。そして携帯は見つかると思うから心配せず交番へ行ってきなさいと言って、私たちを笑顔で送り出してくれました。
 
 
店主のおばちゃんが教えてくれた方向に向かってひたすら歩いていくと、警察署の前に出ました。
 
 
 
 
 
 
 
。。。。。。。。(汗)
 
 
 
こ、ここなん。。。?!
 
 
 
 
 
 
 
 
Pattyの旦那さんが教えてくれた、「私が携帯を落としたと思われる場所を管轄している交番」とは、両津勘吉がいそうなほのぼのとした街の派出所ではなく、踊る大捜査線感満載の、ガッツリ圧のある警察署でした(汗)
 
 
Pattyも踊る大捜査線にドン引きだったようで、私たちは一言も言葉を発しませんでしたが、お互い無言で警察署の前で震えながら、ナチュラルに両手を握り合っていました(笑)
 
 
私は台湾に住んでいた頃、入院したり手術を受けたり、税金に関する手続きをしたり、大学院の研究で政治家や農業組合を訪問してインタビューしたりしていたので、病院、移民局、税務署、行政院、水利署などのお世話になったことはあるのですが、警察のお世話になったことだけはありませんでした(汗)一度バイト先に泥棒が入ったことがあり(入口のドアが破壊され、窓も割られ、店内がめちゃめちゃに荒らされていた)、その際警察の現場検証に立ち合ったことはありますが、自ら警察署に出向いたことなどありません(汗)しかも踊る大捜査線のお世話になんて、日本でもなったことがありません!
 
 
亀有公園前派出所でなくとも、せめて踊らない小捜査線くらいの警察署であってほしかったですが、仕方ありません。
 
 
「うちらって、気強そうで意外とチキンよね💧」
「うん。。。ほんとにね。。。」
と言いながら、Pattyと両手を握り合ったまま警察署に入り(歩きにくさハンパないが、それを忘れるほど怯えるチキン2匹)、事情を説明すると、担当部署がある場所に優しく案内してもらえました。そしてその部署の窓口で、何月何日の何時頃、どの辺りで、どんな携帯ケースに入った日本の携帯を落としたと思うと説明すると、落とし物の履歴や保管されている落とし物を調べることなく、日本の携帯が落とし物として届けられているとその場ですぐに答えてくれました✨
 
 
こんなにあっさりと携帯が見つかると思っていなかった私は、Pattyとその場で飛び跳ねて喜びましたが、私だけ警察署の奥にある、刑事★☆DEKA☆★の取り調べデスク(?)みたいなところに連れて行かれました。そして、私のパスポートのコピーを取り、身分確認をした後、私の携帯が入っていると思われる、封のされた茶封筒を私に見せてきました。
 
 
 
「あなたが落としたと言う携帯の種類は具体的に何ですか?」
 
「iPhoneです」
 
「iPhoneの型は?」
 
「。。。。。知らないです(汗)たぶんちょい古の型?ごめんなさい、私携帯に全くこだわりないんで、いつも携帯買いに行って、その時安いヤツなら何でもいいやのノリで買ってるので、たぶん最新の型より2個くらい古いヤツじゃないですかねぇ。。。知らんけど」
 
「。。。。。じゃあ、iPhoneの色は何ですか?」
 
「ェェェェエエエエーーー!色?!?!何年もカバーかけてたから知らないです(汗)ごめんなさい、私ほんとに携帯にこだわりないから、色とかマジでどーでもよくて、その時在庫余ってるヤツ適当に買ってるんですよ(汗)」
 
「。。。。。。。。」
 
「す、すいません(汗)怪しさ満載ですよね。。。でも、黒いゴムの縁取りがついた白いプラスチックの携帯ケースです。白いゴム紐がぶら下がってるヤツですよ。どこどこのメーカーの携帯ケースです。あ!それにですね、携帯の待受画面はこんなヤツですよ。それに、携帯にパスコード設定してあるじゃないですか。あれももちろん開けられます!」
 
と言うと、警察のおじちゃんは呆れがちにため息をつきながら茶封筒を開けて、封筒の中身を見せてくれました。
 
 
 
 
 
。。。。。(汗)
 
 
 
 
 
 
おじちゃんが呆れてため息をついていた理由がわかりました。
 
 
私の携帯はさんざん車に轢かれ倒したのか、バッキバキに割れていて、電源を入れても画面の8割が赤紫一色になっていました。待受画面こんなんですやんか?✨ワシ、パスコード入力できまっせ〜✨と言われたところで確認のしようもなく(パスコード入れようにも、ボタン左側の縦3つしか表示されてませんでした😂)、iPhoneの型も色もわからないと言う怪しい日本人に携帯を返してやるのが躊躇われたのだとわかりました。でも、私が言っている携帯ケースの特徴と携帯ケースのメーカーは一致していたのと、私が翌日には台北を離れなければならないので、どうしても携帯を返してほしい、何かあったら会社でも私個人にでも連絡してもらって構わないからと、仕事の名刺に個人のgmailアドレスを書いて渡すと、携帯を返してもらえました。
 
 
携帯の入っていた受領印の押された茶封筒を見ると、私が携帯を落としてから3時間以内には携帯が交番に届けられていたことがわかりました。私が携帯を落とした場所から徒歩で20分もかかる交番まで、律儀に携帯を届けてくれたのだと知り、台湾人の善良さに改めて感激しました。
 
 
つづく