🧵この記事はきっかけ(1)からの連続シリーズです
 
 
礁溪から台北のサイの実家に戻り、お父さんとサイと私の3人でリビングでくつろいでいると、お母さんが、サイのお姉さんの結婚式で着るドレスができたから見せてあげると言って、私一人だけをウォークインクローゼットに連れて行きました。
 
 
私がクローゼットの中に入ると、お母さんは意味ありげにドアをささっと閉め、結婚式で着るドレスを適当に私に見せると、小声で
 
「サイはどう?日本で頑張ってる?」
 
と聞いてきました。
 
私が返事をする間もなく、
 
「あの子はあんな感じだから、私は将来をすごく心配してるの。私はあの子にお父さんの会社を継いで、社長になってもらいたいと思ってるんだけど、お父さんはあの子に会社を継がせる気はないみたい。でもね、私はポジションだけでいいからあの子に社長になってもらいたいの。形だけでいいから社長はあの子。実際の経営はえりがやればいい。えりは老闆娘(社長夫人)よ」
 
と言ってきました😂
 
「やりませんよ。私は絶対にお父さんの会社には関わらないです。だって、お父さんの会社は建築関係ですよね?私とは専門が全然違います。こんな専門外のヤツが経営なんてやったら、会社はめちゃくちゃになるだろうし、何より従業員の方々も、現場や実務を知らない私が上にいたらすごく気分悪いと思いますよ。それに、サイと私が結婚して、サイがお父さんの会社に関わるなら、尚更私はお父さんの会社とは全く関係ない別フィールドで仕事してないと、会社の経営が傾いたりピンチになった時に、お金出したり助けてあげられないじゃないですか。共倒れになっちゃいますもん」
 
と、私はなめらかに口答えしてしまいました😂
 
 
その日の夜、サイの部屋で寝る準備をしていると、サイが「今日クローゼットでお母さんと何話してたの?」と聞いてきました。お母さんは、自分の考えはサイに話しているようで、お父さんには内緒にしているような口ぶりだったので、「あー、サイがお父さんの後を継ぐ継がないの話よ」とサラリと答えると、「えりちゃんはどう思う?」と聞いてきました。
 
 
「私は関わらない。サイが会社を継ぐなら余計に関わらない。お父さんの会社とは全く関係ないところで私が稼いでないと、会社に何かあった時助けてあげられないもん。それに、親の財産と自分の財産は完全に別物。サイのお父さんが今すごく稼いでるのは知ってるけど、それにこちらが乗っかる事も、背負う事もない。だって、いい時はいいかもしれないけど、大コケしたら借金を背負う事にもなるんだよ?親がどれだけ財をなそうが、こちらには全く関係ない。こちらがどれだけ稼ごうがコケようが、親にも関係ない。それに私たちの専門は建築じゃないから、サイも自分の専門分野を自分なりに磨いていって、自分をある程度確立させて、そうだな…例えば10年くらいしたらパパの会社を手伝うとか、そういうのはアリなんじゃない?」と答えると、サイはお父さんの会社が傾くはずがないじゃないかと、若干ムッとしていました。サイは天使の羽レベルの優しい人だったので、ムッとしているといっても、チワワの甘噛みくらいの「ムッ」でしたが😂
 
 
つづく