●イベント概要
ポルトガルのノーベル賞作家
ジョゼ・サラマーゴによる長編小説
『修道院覚書』の新訳が、
2025年7月に刊行されました。
今回のイベントでは、
作品解説と朗読に加え、
ドメニコ・スカルラッティの楽曲演奏。
チェンバロと
ポルトガル式フォルテピアノの
音色が重なり、
文学の世界を立体的に体験できる
イベントでした。
2月21日、
14~16時/18~20時の
2回開催でした。
●第1部|18世紀チェンバロとフォルテピアノの世界
第1部では、
久保田チェンバロ工房の久保田彰さんによる
解説からスタート。
18世紀当時のチェンバロの構造や
そこからどのようにしてピアノが誕生したのか、
そしてそれがポルトガルに伝わっていった背景まで。
単なる楽器紹介ではなく
"音楽史の物語"を聞いているような
とても興味深いお話でした。
そして会場に置かれていた
ポルトガル式フォルテピアノ。
実はこの楽器、
久保田さんが製作されたものだそうで…
思わず「すごい!」と声が出そうになりました。
さらに、
側面の青い部分は大理石風の装飾。
金色の縁取りは立体的に仕上げられており、
華やかさと気品を兼ね備えたデザイン。
音を奏でる「道具」であると同時に、
それ自体が美術工芸品のようでした。
会場にはフォルテピアノだけでなく、
チェンバロも置かれていました。
実際に間近で見ると
装飾や構造の違いが良くわかりました。
鍵盤の並びや内部の仕組みまで
見られる貴重な機会で、
音楽と工芸の世界に
一歩踏み込んだ感覚を味わえました。
●第2部|『修道院覚書』朗読と音楽の融合
第2部では、ポルトガル語翻訳者の
木下眞穂さんによる作品解説と、
作中でスカルラッティが登場する
印象的な場面の朗読が行われました。
その朗読に呼応するように
イザベル・カラードさんと
小原道雄さんが
スカルラッティの楽曲を
チェンバロとフォルテピアノで演奏。
●文学と音楽が交差する時間
●東京でポルトガル文化に触れる
日本にいながら
ポルトガルの文化や歴史に触れられる
とても貴重な体験でした。
会場には、
小原さん所蔵の
17世紀のアズレージョも展示されていました。
遠い国の芸術や音楽が、
東京の一角で息づいている不思議。
以前ポルトガルを旅した時の記憶と
今回の学びや音楽体験が
重なり合い、
ポルトガルを
より深く好きになっていく感覚がありました。
●まとめ
文学と音楽、そして歴史。
それぞれが独立して存在するのではなく、
互いに響き合いながら
ひとつの世界をつくりあげていました。
チェンバロの澄んだ響きと
フォルテピアノのやわらかな音色、
そして
朗読で紡がれる物語。
大使館という特別な空間で過ごした時間は、
単なるイベントを超えた
「文化を体験するひととき」だったように思います。
東京にいながら異国を感じる。
そんな静かで豊かな時間でした。
特別な時間をありがとうございました。
今回イベントの中心となった
ジョゼ・サラマーゴ
『修道院覚書』。
私もこれから読んでみようと思っています。
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