夫が散財した金額(1000万円)に対し、

200万円ほど資金源が特定できないでいた。

 

消費者金融や闇金で借りていたらどうしよう。

保証人にはなっていないが、

勝手に実印を押されていたらどうなるんだろう。

不安ばかりが募るが、

夫をいくら問い詰めても口を割らない。

 

借金があるか調べる方法をネットで検索したが、

たとえ夫婦であっても本人以外が行うのは難しそうだった。

 

風俗通い、給与と財形貯蓄の使い込み、

ゆかりにMにいちご…

今まで夫の嘘や隠し事を1つずつ暴いてきたが、

どれもすべて夫の自白ではなく、

調べ上げて、証拠と共に突きつけて

逃げられないところまで追い詰めないと認めなかった。

 

ほかにもどんな裏切りが隠れているかわからない

もう、心身ともに疲弊していた。

ここから先、夫を信用することはないだろう。

 

1日も早く離婚しよう。

もし借金があっても

借金が発覚する前に離婚すれば

私たちまで借金取りに追われることはないだろう。

 

 

もう一つ気になることがあった。

ゆかりとのLINEだ。

全部ばれたの?
会社辞めるの?

これはどういう意味だったんだろう?

浮気がバレたくらいで会社を辞める話になるだろうか?

 

仕事をさぼってMのところへ日参していたり、

MやゆかりとのLINEはほとんど平日の日中だった。

これだけ仕事へのモラルを失っているのならば

会社のお金に手を付けているんじゃないか

そっちの方が心配だった。

 

考えすぎだと思いたかったが、

小さな町で暮らしている私たちは

家族構成から勤め先まで筒抜けだ。

 

もし夫が横領で逮捕されるという事態になったら

娘たちが学校でその噂にさらされるだろう。

その方が耐え難い。

 

 

さんざん悩んだが、意を決して夫の同僚(Aさん)に連絡をした。

 

ご無沙汰しています。ご相談に乗っていただきたくて…。

 

どうしたの?僕でよければ相談に乗りますよ。

 

夫の上司である)専務さんと連絡が取りたいんです。

つないでいただけないでしょうか?

 

どうして専務と?

 

夫の使い込んだ金額のうち、

出所がわからないお金が200万円ほどあるんです。

会社のお金に手をつけているんじゃないかと心配で…。

娘たちを犯罪者の子供にはしたくないので、

もしその事実があるのならば弁償するので

穏便に済ませていただけないかと思って…。

 

…わかりました。

専務に話してみます。

 

翌日、専務ではなくAさんから電話が来た。

専務からの伝言を預かったと言う。

 

専務から

横領や不正があったか否かについてはお答えできません。

もし仮に横領があったとしても、

それは上司である自分の管理不行き届きであり、

ご家族に責任を問うものでありません。

奥さんはまずお子さんとご自身のことを第一にお過ごしください

と言っていただいた。

 

またAさんは専務から

よその家のことにあまり首を突っ込むな

とお𠮟りを受けたそうだ。申し訳ない。。

 

ただ、この日夫は会社で懲罰委員会にかけられ、降格となった。

処分の内容は就業規則違反。

サボリや職務怠慢について処分を受けたそうだ。

 

懲罰委員会は私が専務に横領の件で

問い合わせたから開催されたんですか?

 

いえ、昨日の今日でそれはあり得ません。

以前から嘘男の勤務態度について、

部内外から不満は噴出していたので、

元々開催される予定だったんだと思います。

 

横領は本当になかったんでしょうか?

 

わかりません。

でも専務が気にするなと言うのですから

気にしなくていいと思います。

 

嘘男と同じ支店に働いている人に聞いたら

最近はまじめに働いているようです。

これからは心を入れ替えて、家族も大事にすると思いますよ。

 

さあ、どうでしょうか・・・。

 

大人げない返答だとは思ったが

その場限りのリップサービスでも

再構築を匂わせることはしたくなかった。

 

今更心を入れ替えても、すでに信頼はゼロ。

またイチから夫と信頼を築いていく気にはなれない。

 

Aさんは夫の幸せを願っているんだろうけど、

夫の幸せは私の我慢の上で成り立つと思うと

「雨降って地固まる」みたいに簡単に言われたくない。

 

Aさんを頼るのはこれで最後にしよう。

AさんとAさんの奥様にお礼を告げ、

一人で戦う方法を考える。

 

 

横領は本当に無かったのか…?

ならば財源はどこから…?

やはり借金なのだろうか…?

 

ずっとずっと不安に思っていた日々、ついに夫が口を割った。

 

 

 

身バレ防止のためフェイクを入れてます。

多少つじつまの合わない点がありますが、ご容赦ください。